NOVEMBER・RAIN
LAST・NOVEMBER 4
アムロをバスタブに突っ込むとまずは自分を洗った。
このマンションのバスルームはバスタブとシャワーが別でとても広々と作ってある
シャアがここを気に入った理由の一つがここで、シャワーヘッドや蛇口も特別にデザインされている。
ツヤツヤしたシルバーが独特の曲線を描いているのがシャアのお気に入りだ
「アムロ、体を洗おう」
シャアはこの時間が一番ホッとした。
何より熱いシャワーは気分がほぐれるし、
アムロは湯に浸かるのが好きなのか、バスタブに浸かっているときは静かなことが多い。
彼は繋がれたままの両腕をバスタブから出して頬をほんのり染めている
トロンとした目でシャアを見上げると、シャアの言葉に頷いてバスタブから出た。
シャアの買ってきたプラスチックのイスに腰掛ける
シャアは少し心音を速めながら、まずは彼の髪を洗った。
やはりどんなになっても彼は自分の愛しい人で、とろりとした瞳や裸の身体を目にするとどうしても欲情してしまう
シャアは自分を戒めながら慎重に彼の身体に触れた。
まずは髪を洗う
それから泡だった髪をそのままに体にとりかかる
大きな海綿にたっぷりとソープを馴染ませてアムロの手足に滑らせた。
アムロも馴れたのか、言わなくても手や足を差し出す
シャアはそれを慈しむ様に海綿で撫で上げる
上げられた足などを丁寧に洗い上げる様は、きっと主と下僕に見えるだろうとシャアは苦笑した。
(ガルマあたりがこれを見たら何というか見物だな)
むろん見せるつもりは無いが
・・・そんな馬鹿な事を考えた後アムロを立ち上がらせる
身体の隅々までは座ったままでは無理なのだ。
シャアはさらに自分を戒めてから海綿でアムロに触れた
この生活を初めて、一度だけアムロと寝た
最初の頃のクスリの欲しがり方は半端ではなくてまったく話など出来なかった
そして、彼は全然眠らないのだ。
いや、眠れないらしくずっと喚き続けた。
それが止むと今度は震えながら泣き続け、泣いて泣いてシャアを求めるのだ
不安だと、孤独だと・・・自分を埋めて欲しいと泣いた。
シャアは彼を抱いてしまってから後悔した。
腕を拘束したままのSEXは一方的に感じて罪悪感を残したし
その後にクスリ欲しさになじった彼の“アンタも俺を玩具にしたいんだろ?”という言葉がひどく心に痛かったのだ。
それからのアムロは言葉に身体をちらつかせてはクスリをせがんだ
シャアはそれにまいってしまい、頑なに触れることも拒み続ける
だが彼は諦め無かった。
シャアには、アムロの言葉が悪魔の囁きのように聞こえた。
体を洗い終わって上からシャワーをかける
顎を軽く上げさせて、顔に出来るだけ泡が付かないように髪を洗い流し
体に石けんが残らないようにと丁寧にシャワーをかけた。
「・・・シャア・・・」
彼を洗い終わってシャワーヘッドを壁に掛けると、アムロが小さな声で呟くのが聞こえる
振り向くとアムロは身体を寄せてきて、手錠の掛かった腕をシャアの首に絡めると キスをした。
執拗に甘美に蠢く舌に目眩を感じながらシャアはそれを引き離す
「――――っ はっ アムロッ 止めたまえ!」
「・・・・何故?嫌じゃないだろ、シャア・・・」
シャアを巧みなキスで誘いながらアムロが身体を擦り付けてくる
裸の身体同士が触れ合うのだ、気持ちよくない筈がない
次第に体は快感に溶け出し シャアの欲望を直接アムロへと伝えた。
シャワーのタイルを叩く水の音が、とても耳に残った
「シャアの体、正直だね? 俺とのキスは気持ちいい?」
「・・・・アムロ、手を外せ。 こんな事をしてもクスリは渡さない 無駄な、事だッ」
アムロはシャアの言葉を聞くと挑戦的に笑みを見せもう一度舌を絡ませる
舌で口内を満足するまで蹂躙すると、糸を滴らせながら唇を離した
「そうじゃない ・・俺だって男だよ?欲求が溜まってるんだ。お相手、してくれないか?」
「・・・ よく言う ・・・何を企んでいる・・・・アムロ」
『随分な言われようだ』そう囁きながらシャアの耳をぺろりと舐めて甘咬みする
アムロの性技はとても巧みだ
初めて逢ったときも顔に似合わずとても上手くて驚いた。
シャアは快感に目が眩みそうになりながらアムロを見ると、彼も目元をほんのりと赤らめていた
・・・・彼も気持ちがいい?
一気に熱が高まった所でアムロが甘く囁いた
「貴方のを、舐めてもいいかな?」
するりと腕を外し、唇で肌をなぞりながら欲望を示したシャアをカプリと口へ含んだ
そのまま這わされていく舌の感触にシャアの葛藤は消し飛んでしまった。
なんか攻め臭いアムロさん・・・。リバーシブルは考えておりませんのであしからず。
やはりテーマはエロですからねッ!こういう展開なのですよっ!