NOVEMBER RAIN 4













アムロは目を覚ますと驚いた。  隣に誰か寝ているのだ。


美しい白い肌に輝くばかりの金の髪
整った目鼻立ちが優しい微笑みを浮かべていて
アムロはその瞑ったまぶたの奥の瞳の色も見てみたいなと思った。

(・・・キレイ、金の睫毛の奥はグリーンかな?ブルーかな?)

もしかして鳶色かな?と、とめどなく思った。
とても綺麗な顔は見ていて飽きない。

アムロはそこで初めてここはどこだろう?と思った。
よく見れば自分は裸にシャツ一枚をかろうじて羽織っているという体で、
何だか足の間がぬるぬるした物で濡れているようだ。
何故だろう?考えても解らない。

アムロは彼を眺め続けて、どこかで見たことあるな、と思った。
そう、あれは・・・小さい頃行った教会の・・・・

「天使様・・・」

思わず出た声に彼は気づいたようで、たっぷりの金の睫毛を少し震わせてから
ゆっくりとゆっくりと目を開いた。
うわぁ、とアムロは思う。
睫毛から覗く瞳の色は薄い水色
綺麗なアイスブルーが自分を見つめて微笑んだのだ。
アムロも柔らかくほほ笑み返して彼を見つめる
とても綺麗な顔立ちはどこか凛としていてきっととても偉い天使様なんだろうなと思った
首元に銀の鎖に銀の十字架
天使でも十字架を付けるんだ、と小さく笑う。

「どうしたんだい?アムロ。・・・良い夢でも見たかい?」

あれ、どうして僕の名前を知っているんだろう?
彼は僕の額に張り付いた髪を整えながら、優しく頭を撫でてくれた。
声はとても深みのある低い声。耳にとても心地が良い。
僕はとても幸せな気持ちで彼とほほ笑み合いながら、彼に聞いてみた。

「あの、ここはどこですか?」

そう言うと、とたんに彼は凍り付いた顔になって自分を凝視した
さっきまでの空気が嘘のようだ。・・・僕、何か変なこと言ったかな??
・・・あ!そうか、彼、天使だし、・・・ここって天国か、俺、馬鹿だな。
じゃあ、神様もいるのかな・・・・神様?・・・・・・・神?




―――――――――嘘だ!!神なんていなかったじゃないか!!




自分の体に激しい怒りの衝動が駆け抜けて、思わず目の前の十字架を引きちぎった。









***








目を覚ますと、アムロが自分をじっと見ていた
赤いほっぺがとても可愛らしい。
アムロの顔が綻んで自分と優しく見つめ合った。
彼が何か考えた様にクスリと笑ったので「良い夢でも見たのかい?」と声をかける
優しく髪をすきながら甘い空気を味わった
その言葉を聞くまで。



「あの、ここはどこですか?」



一気に目が覚めた。
突然、冷水を浴びせられるとはこの事だなと思う。
アムロは、私のことを忘れてしまった?・・・言葉がひどく他人行儀だ。
凍り付いた顔でアムロを見ると不思議そうな顔をして、
それから、水に打たれたかのように表情を消し
次に見せたのは絶望したような、 切ない表情
しかし目だけは怒りに炎を灯し、アムロの茶色の瞳が赤らんだようにギラギラと光った。

―――――――ビィッ!!

アムロが身を起こすと同時に首の後ろに鋭い痛みが走った
アムロが自分の付けていたペンダントを引きちぎったのだ。
幸い、鎖が華奢な作りで助かった。
首の後ろも痛くはあるがたいしたこともなさそうだ。

「アムロ?」

勇気を出して声を掛ける
自分は、アムロを癒そうと誓ったのだ。
たとえどんなことがあろうとも

アムロの瞳からギラギラと光る怒りがフッと消えたかと思うと
しばらくして、辺りをキョロキョロと見回した。
自分の体と、首を押さえている私を不思議そうに見回して、






「  ここ、  どこ? 」







と聞いてきた。















いつのまにか11月かぁ・・・・。お誕生日企画〜とかって書いたモノがこんなに長くなるとは・・・。
はたしてこれを2006年の11月に終わらせることができるのか?
そんでもってこれを読んでくれてる方がいらっしゃらるのか・・・?
激しく謎のままにチャレンジしていこうかと思います。


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