NOVEMBER RAIN 3









「・・・・ん、  シャア・・・? ここ、どこ?」
「アムロ!!良かった気がついたか。君、道で失神して倒れたんだぞ?」
「・・・・・・・ふうん? ここ、どこ?」
「? タクシーだ。私の家へ向かっている。・・・・不愉快かもしれんが来てくれ」


へぇ、いいね。とへらりと笑ってシャアを見る。
シャアはとても不安になった。・・・・いつもの彼では無い気がする。
(やはりどこかおかしい。とにかく家で様子を見るか・・・)
そんなシャアの気持ちとは裏腹にアムロはくすくすと笑い続けた
タクシーの中だというのに、体をすり寄せて甘い声をあげようとする。

「ふうん・・・」
――――――――バシッ

シャアは焦ってアムロの口に手をやった。
幸い運転手に聞こえなかったようだ
アムロはそのまま体をくねらせてシャアに体を絡めてくる。
口を押さえているせいか、頬がバラ色に染まって気持ちが良さそうに見えてしまう。
(――――――――っ早く家に着いてくれ!!)
シャアはタクシーに乗った数分間がとてつもなく長く感じた
背中が冷や汗を伝う。



***



時刻は夕方
雲が厚さを増して少しずつ少しずつ闇を深くする
ついに空は泣き出して土砂降りの雨がフロントガラスを打った。

シャアは釣りも受け取らずタクシーを後にすると、アムロを抱えて家へと入る
アムロは腰が立たなかったのだ。
シャアは難儀しながら部屋へ戻ると
抱きかかえたアムロをゆっくりとベッドの上へと降ろした。

「アムロ、今熱いタオルを持ってくる。・・・・具合は悪く無いか? 痛い所は?」
「・・・へーき。それより、続き、しよ? シャア、楽しもうよ?」

深刻そうな表情で自分を見るシャアが「待ちたまえ」と一言残してリビングの方に消えた
アムロはぼんやりとした頭でおもむろに窓の外を見た
この部屋はベッドルームのくせに一面ガラス張りだ。


外は強い雨だ
ゆっくりとゆっくりと暗くなるその様はアムロをとても不安にさせた。
・・・そう、凍えるような強い雨を、 自分は知っている。

―――父さんがいなくなった日だ。

思い出したら雨音が耳を強く打った
”お前は孤独だ” と 告げられているみたいだ。



ザアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ・・・・ザアアアアアアアアアァァァ・・



アムロはカタカタと身体が震え出していた。
最初、手が上手く動かせなくて、目をやると手が震えているのに気がつき
身体も震えていて、起きることさえも出来なくなっていた。
頬に熱いものを感じて、涙が流れている事を知り
なぜ、体がこうなって、涙を流しているのかは解らなかった。

――― 何故、俺は泣いているのだろう

先程、何かを思い出したような気もするが、もう頭から消えていた。
ただ、深みを増した雨音のする闇が、自分に迫ってくるみたいでとても怖い
・・・・・怖い、怖いっ怖い!!
怖くて叫び出したいのに身体が引きつって呼吸もうまく出来ない!!



「ふっ ぐっ!! ううっ ううううう゛――――――――――――っ!!!」
「アムロ!?待ってろ、今すぐ医者を呼ぶ!どこが辛いんだ!?」

自分の声に驚いてシャアがタオル片手にすっ飛んで来た。
医者だって?シャア、何言ってるんだよ!?恐いんだ、傍にいてくれよ!!
急いで電話をしようと離れるシャアを震え続ける手で何とか掴んで引き止めた。

「シャ・・・い、くな・・こっここに、いてっ!カッ・・・カーテン 閉めてっ 」
「アムロ、こんなに震えて・・・大丈夫だ。すぐに戻ってくるから」
「ちがっ・・い、医者っ・・いらなっ シャ、カーテン、 カ、テン しめ、て!!」
「しかし、・・・・・解った。カーテンを閉めるのだな?少し待てるか?」

アムロはコクコクと頷いて泣きながらシャアの手を離した。
シャアはすぐにぶ厚い、天井から床までを覆うカーテンをぴっちりと引いて
震えるアムロの身体を抱きしめる。
次第に震えは治まりを見せてシャアを安堵させた
サイドランプを点けてアムロの顔を覗くと表情を無くしたまま大量の涙を流し続けている

(アムロ、ずっと傍にいる。君の力になりたいのだ!そんな顔で泣かないでくれ・・・)

アムロは壊れてしまったのだろうか?とシャアは思った。
自分に逢ってからの彼はとてもおかしい。・・・とにかく普通ではない
深い悲しみで軽いパニックを起こしているのだろうか?
そう言う話を聞いた事もある

切ない気持ちで一杯になりながら、汗で張り付いた額の髪をはらってから
温かく湿らせたタオルで丁寧に顔をぬぐった。
着ていた皮のジャケットを脱がせてシャツのボタンを外し、体を清めていくとアムロがこちらを見た。
先程とはうって変わり、柔らかにほほ笑んでクスクスと笑い出す。
シーツの感触が気持ちいいのかしきりに頬をすり寄せて
体を清めるタオルの動きに、くすぐったそうに笑い声をあげて体をゆらめかす。


「アムロ、すぐに終わる。・・・じっとしていなさい。」
(・・・・・・・・・このままではその気になってしまいそうだ)

シャアは苦悩した。
アムロを大切に見守りたいと思うのに、早速これでは堪らない。
服を一枚ずつはだけながらタオルを充てると、ほほ笑みながら体をくねらせるのだ。
シャアはワザと硬い声を出したのだが、たいした効果は無さそうだった。

下半身を覆うもの全てを脱がせると、案の定そこは先程の快楽の為に濡れそぼっていて
優しくタオルで拭うと驚いた声が上がった。

「ひゃんっ!!!」

シャアはゴクリと喉を鳴らして周りを清め始める
すると、クスクス笑いがとたんに艶めいたものに変わった。
清めていたアムロの欲望の象徴がふるりと震えて、すぐに一杯に膨れあがる。

「あぁ〜ん あ、はぁぁ〜〜ん 」

アムロがあられもない声で喘ぐ
シャアは無理矢理聞こえないと自身に言い聞かせ腰を軽く持ち上げ
背中に溜まった汗を拭う。
そのままタオルを尻の方へとすべらせる

「あ〜ん、しゃあ・・ きもち、 いいようっ」
「それは良かった。アムロ、君は疲れているんだ。心も体もね。・・・少し休みたまえ」

顔も見ずにアムロに言い聞かせる。
今、彼の表情なんて見たら押さえが利かなくなってしまう。
形の良い尻をなかば無意識にタオルでなで回しベッドを後にしようとした
(男には我慢しなければ為らない時がある!!)そう自分に言い聞かせて。

「あうんっ しゃー、しよおょう・・・ せっくすぅ してぇ!」
「・・・アムロ。出来んよ、君には休息が必要だと言っているのだ!」
「ふ・・しゃ、 またいじわる?どうすればいいのぉ?このまえみたい、にぃ、するのぉ?」
「!、そうではないと言っている!!  ―――――!!アムロッ」


シャアは振り返った事を激しく後悔した
そこにはとてつもなくイヤらしいアムロがいたのだ。
仰向けのまま膝を体の下に曲げて、柔らかな体の曲線をシャアにさらし
必死そうな眼差しで自分を見る瞳からは止めどもなく涙を溢れさせ
もどかしい快楽にわななかせた唇から透明な液体を零している。

そして震えて力が入らなくなっている手で、必死にシャアを煽るのだ。
左手で自分自身を不器用にさわり
右手は体の下から手を回し、後ろの穴を見せるようにいじる。



(―――――っこんなものを見て我慢が出来る男などいるものかぁっ!!)



シャアは誘惑に負けた自分へ心の中で腹立たしげに叫ぶとアムロへと被さった。

「アムロッアムロッ!そんな事はしなくていい!!すぐに気持ちよくしてやるからっ!!」
「ふっ ううんっ はあっ は、 しゃあー あんんっ ああ〜ん」

シャアはアムロに忙しないキスや愛撫を施しながら、まだ着ていたコートをうっとおしく脱ぎ捨てた
首元をゆるめ下のベルトとホックをもつれた手で外し、
服の合間から猛った自身をくつろげさせる。



ベッドサイドの引き出しからジェルのチューブを取り出すと、アムロの又の上に握りつぶしてふりかけた
ジェルの冷たさにアムロは一瞬ビクリとしたが尻や腿や肉棒やらにべちゃべちゃに塗りたくっていると
全身を真っ赤にさせて悦び、はしたない喘ぎ声を大きくした。

「あはっはっはっはあんっ ああ〜ん あうんっ すご〜く、きもちいい〜っ」
「アムロッほらっ足を出して・・そうだ、良い子だ。すぐにもっと良くしてあげるさ」

アムロはジェルにまみれた両腿を気持ちいいのか頻りにすり寄せる
シャアは体に敷かれた両足をそこから出してやり今度はぴっちりと腿を合わせたまま胸の方へと押しやった。
シャアは我慢に我慢が重なって堪えることが出来なかった。
今にも自分のリビドーが爆発しそうになっていて
アムロの後ろをならす余裕なんて微塵もなかったのだ。


膝裏を抱えてシャアが上に乗り上げると、小さなアムロの体が折り畳まれた様になる
そのまま合わせた太股の間に、シャアは熱い肉棒を飲み込ませていく。


「ひっいんっ!ああ―――――!!シャアッシャアッすごい、イイッ アッあああ――!!」
「はあっはあっ クッ、アムロ 動かすぞっ!いいか!?」

アムロは夢中で頷いた。すごく気持ちがいいのだ。
頭がカ―――――ッと熱くなって快感で痺れだしやがてそれが全身に回った。
体が熱で腫れぼったい様な、全部が性器になってしまった、そんな感じ。
ぬるついた股の間から、シャアの熱く猛った肉棒が激しく出入りして
堅いモノがゴリゴリとアムロ自身に押しつけられた
・・・・快感に狂ってしまいそうだ!


「あ、あ、シャッアァァ―――――!!あたっちゃう、気持ちいいのあたっちゃう!!」
「は、あ・・ふっ!!アムロ、もっとくっつけてあげようっ」

そう言ってシャアが足を開かせると、自身とアムロのを一緒に手で擦り出す
アムロの足がひどく震えだした。解放が近いようだ。

「う―――――!!う、しゃあ!ひ、ダメだよっ死んじゃうっ!!!」
「は、は、アムロッ 気持ちよくなってごらん?もうっイキそうだろう?できるか?」
「ふ・・う〜〜〜ん、わっ かん、ないっ!!も、すごっ あ・あぁああ―――――!!」

シャアは一緒に果てるため、アムロの足をもう一度閉じて自身の雄で彼のモノを強くこすった。
アムロは口元を涎で濡らしながら身体を大きく痙攣させる。

「はぁっ あ、あ、ああ!!っ―――――!!!」
「クッウッッ―――――!! はっ! ア、 ムロ・・」

アムロが達してすぐにシャアも自分を解放した。
アムロの身体が白濁にまみれる。
シャアは荒い呼吸のままアムロの上へ倒れ込んだ。 力が抜けたのだ。



シャアはアムロと最後に体を合わせて以来何もしていない。
もう一週間近くも。
もともと自慰などあまりする質ではないし、女に興味も湧かなく無くなっていた。

―――――――――自分にはアムロだけだ。

彼のいない日は砂を噛んでいるような、とても味気ない日々だった。
そんな大切な彼を失ってしまったと思っていたのに
運命の悪戯か神の祝福なのか、彼と偶然に出会い、あまつさえ快楽まで分け合っている。


(私は君と出会う為に生まれたのだろうか?)


そう思ってしまうのも無理はないとシャアは思う。
性欲が人の根本的な本能だと言うのならば、自分はどこかおかしいのだ。
以前は普通に女と寝ていたし、同姓をそういう対象になんて思いもしない

アムロだからだ。

アムロだけなのだ。

彼だから求めるのだ。と、シャアは思った。



力の抜けた体をなんとかアムロの上から退かし、シャアは彼を眺めた。
泣き濡れた顔で失神してはいるものの、呼吸も正常で安定してると思う。
(ゆっくり眠りたまえ)
シャアはアムロに優しい口づけを落とし、けだるい体で先程のタオルを取って
キレイな場所でアムロを拭うとダストに放った。



アムロの寝顔はとても穏やかで、シャアの心を綻ばせた。
シャアもそのままアムロの横で眠りについた
心が満たされて安心したのだ。
起きたら彼の悲しみを癒すために心を尽くそうと思う。
どんなに大変でも、どんなに時間がかかっても、私にはアムロだけなのだ。
そう心に誓って、アムロを腕に抱ける幸せに微睡みながら意識を手放した。









・・・因みにまだはいってませんョ。フトモモとアレをくっつけただけです。てへ
だけどよく考えたら、いったいお二人は一日でどれぐらいイクんですか?という質問が来そうなぐらいハッスルしてます。
無茶書いてごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・


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