夢−2−








「お、カノンお疲れ」
「…………………………・(ッ!)」


…危うく取り乱しそうになった。急ぎ書類で顔の下を隠し動揺を静めようとする。…が、目は釘付けだ。
ミロがアイスキャンディを舐め舐めしていた(…ちょっと待て、この表記がもうおかしい)
今日は外で獅子宮上の細かい修復をアルデバランとミロがしていたのだが、丁度小休止に木陰でアイスキャンディを舐めていた。
不味いな…なんて良い、……ではなく。 なんて悪いタイミングだ。


「おう、カノン やはり機械は凄いな。この分じゃ処女宮もすぐに直る」


上で作業させてる重機の事を嬉しそうにアルデバランが言った。
そう言って貰えると無理矢理反対を押し切った甲斐もある。そんなちまちまやってられるかと入れた文明の機器達
それは好評でよかったと頷き、俺は同じ事をしているアルデバランをじっと見てみた…

…………なぜ?
アルデバランもそれをしているのに、全然色気はない…というか、萎えた。
それはそうだ。妖しく見えるのがそもそもおかしい。…あれだ、やはり夢のせいか。

で、もう一度気の迷いだろうとミロを見てみる
ミロはこちらを見ながらぺろぺろとアイスを舐めていた


…………………………………。


体のラインがくっきり分かる練習着が汗に濡れてて…艶めかしい (………艶めかしい?男に感じる表現か??)
汗ばむ首筋に張り付く髪に、目が行く (……なぜ俺はナチュラルに首筋を舐めたいとか思っている?)
口にはミルクのアイス ミロが髪をかき上げて俺を見ながら誘うように下からべろ〜〜〜と舐め上げた

っっっっ!〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!…俺も日射病かっっ!?くらっとしている!?
…馬鹿な。俺はホモではない…断じて違う。女が好きだ。女がな!!
とにかく…おちつけ、おちつこう…動揺するなっ

俺は、得意のポーカーフェイスをMAXにした。
とにかく用件を伝えよう。
書類仕事はミロの方が得意なのでとにかく書類を渡しに行った


「…これ、作業の進み具合とか、要る物とか報告してくれ。ああ、…すぐにじゃなくても良い」
「了解した」


その時ミロが書類を受け取りながらアイスを咥えたので俺は度肝を抜かれた。
口からしたたる白いスジ… 〜〜ダメだ。なんか逆上せてきた…


「ミロ、垂れている 汚いぞ。今、タオルを持ってくる」
「う…これすぐに溶けるな。甘くてベトベトしている 俺の茶のアイスの方が旨い」


ミロが訳分からぬこと言って俺の頭をぐるぐるとさせた… あまくて、ベトベト…
しかも、そのとろけたアイスがかかった指や口を舐めて拭う様が酷くイヤラシイ
アルデバランが「行儀悪いぞミロ」とか言ってタオルを渡していた


「カノンも食べるか?その格好では暑かろう」


しかも…ミロの奴はこんな事を言って俺にその溶けた食べかけアイスを向けてきた!!
後ろでアルデバランが「それは無いだろミロ」と言って新しいのを持ってくると言ってくれたが首を振る
俺はなかば怒りながら(不甲斐ない自分と、誘うような
(←被害妄想。笑)ミロに腹が立った)その向けられたアイスを…

「ひとくち貰う」

…と言ってがじりと咬んでやった!
そのまま急いで階段を上がる。


「うっ!かなり持って行かれた!!」


遠くでミロの声が聞こえたが、無視だ!
口の中いっぱいのミルクアイスは、俺の頭を少し痛くさせた。





***






「3時まで仕事がないし…少しでも昼寝するか」
「うむ。シエスタか…久々にしてもよいな」
(久々じゃ無いだろ…お前しょっちゅう眠るクセに)
「あれは瞑想だ。寝っている訳では無いのだが。まあ君のような凡夫に言っても分からぬか…」
「!…人の心読むな。でも仕事中それをすれば居眠りと一緒だ」
「…シエスタ、するのかね しないのかね」
「…しよう。俺は執務室隣の仮ベッド使う」
「好きにしたまえ」


粗方仕事を終えると、残りの仕事までちょっと空き時間が出来たので昼寝を
これも効率よい仕事をする秘訣でもある。それに俺も少し寝不足気味だ
それもこれもあの夢の所為で早起きしてしまったからなのだが。

シャカはいつも寝起きしている教皇が眠るに相応しい豪華な自分のベッドへ
俺はまあ簡易といってもソコソコ豪華なベッドで、タイマーをかけて眠りについた





…はず、だった。





うとうとしながら、服を軽く乱し ベッドの上に仰向けに転がった。


眠い…

なのに何か眠れない…

するとベッドの端から黄色い物がちょこんと見えた

暫くすると、ひょこひょこと黄色いものがベッドの下から見え隠れするのだ。




気になって眠れない…
そいつはベッドの下を移動しているのか黄色い物をちょこっと見せてはひょこひょこ移動をくり返す



でも、俺は眠い!
そう思って目を閉じようとしたその時!
いきなりそいつが足元からぴょこんと顔をベッドの上から出して見せた。


(ミロ……!)


驚いてて身じろごうとしたが、……身体が、まったく動かない!?
ミロはそんな俺など気が付かないように悪戯っぽくにこっと笑ってベッドの上にそっと乗り出す


うっ…お前は何をする気だ!?


そっと、俺に覆い被さるミロ…
いたずらっ子のように笑って、俺に、ちゅ…と唇を触れさせた



ふざけるなよ…!
俺はすごい腹立たしくなって口をぎゅっと噛みしめる。



お前は嫌いじゃない。むしろ好きだが、こういう事をしたいのでは断じて無い!
なのに振り回すような事をしてくるなんて、おちょくっているのか!?
そういった腹立たしさで、俺はギッとミロを睨んだ。


ミロはそれにきょとんとした顔でちゅ、ちゅ、と触れ合わせるだけのキスを続けた
俺の身体は動かしたくても動かないまま。これはミロのコスモの技か何かか?
必死で解こうと蠢く内に、ミロがちょっと残念そうな顔をしてキスを止めてくれた



(そうだ。お前は嫌いじゃない…だけど、こんな事はするな)



だが…俺の願いは空しく、ミロがキスする場所を変えてきた…



頬に


(…クソッ)


顎に


(動け動けッ…このっ)


そっと髪を高い鼻で押しのけて…



(あ!や、めろ…)



かりっと耳に歯を立てた


(あっ…ああ…)


そのくすぐるような愛撫に、俺はだんだん気持ちがよくなってきてしまう…
ミロが優しく、そっと愛撫する度に頑なな抵抗が溶かされていってしまって。


ちゅ、ちゅ、とくすぐるような愛撫は耳から首筋へ


(う、うん…)


はだけた服の隙間をそっと鼻で刺激して…


(あ、馬鹿… っ… お前、けっこう…上手い、な…)


へその下まで来たときには、俺は背骨から快感を立ち上らせていた


(な、ミロ… 不味い… そこら辺で…止めておけ)


期待半分、拒絶半分。だがそう話しかけても止めないらしい
ミロは俺をにこっと見ると、法衣の飾りヒモを口に咥えて見せた


(おい、本当にするのか…?本気か??)


下肢だけをゆっくりとはだけて… 俺の昂ぶりを見つけて、そっと引っ張り出していく…
すごく恥ずかしいのに、ミロの指が触れた瞬間。意識が白くなる それぐらい気持ち良かった


(おい、いいこだから… もう止めてくれ… ほら、 そんなモノだすな)


ミロが俺をちろっと見る。
そして長い舌を出して…



(あ、…あ、あ、あッ )



根本から、ゆっくりと舐めだした。
あの、アイスキャンディを舐めた時のように。


目眩のするような卑猥さに俺は震えた
目が離せなくなる ミロが、俺のを舐めている。
ミロがちゅっちゅとソレにキスをして、
べろべろと、はしたなく舐めしゃぶっている!


(〜〜〜〜〜ッッ〜〜〜バカッ…ヤメロっ…くっ…ウウッ!)


髪を邪魔そうにかき上げて、つつっ…と裏筋を舌先で下から上へと手繰らせると…

『ア…ッッ〜〜〜 あ、う… 〜〜〜〜 はっ…』

ゆっくりと俺を目で嬲りながら、…口に咥えていった。
動かない筈の腰が突っ張る、ミロが奥までゆっくりと飲み込んだ
ヌラヌラと舌が蠢く お前、慣れて…いるな… ああ、クソッ…腰が、勝手に動く…

ミロが目の奥で笑った。根本をちゅうちゅう吸い上げて、ゆっくりと引き抜く
手がゆっくりと幹をくすぐって唇を追いかけていく
反対の手が、下の膨らみをやわやわと転がして遊んでいた。
畜生ッ メッチャクチャ上手い…!
目元が熱くなって、快感に流されそうになった。

だが、ミロは腰が蕩けるようなディープスロートをあとちょっとの所で止めてしまうと
俺に淫蕩な笑みを向けて、先走りで濡れた人差し指を見せつけるように舐め上げた。


(………………?)


そして、俺のそそり立ってしまった根本をきつめに押さえ付けると…



(……え、 な!? ……!?も、しかしてお前…………)



それはそうだ

ミロが十分そっちでもおかしくない。

顔立ちは綺麗だが、ミロは、そう。…十分男っぽい。
奴が入れる側だっておかしくない所か、十分あり得る…あり得るのだが…


ミロは俺のケツの穴に指をそっと這わせ出した…


(…そこはッ!嫌だッッ…な、ウッ や、止めてくれッそそそソコはッッ…)





PiPiPiPiPiPiPiPiPi・・・・・・・・・





ガバッと起きた。躯の呪縛が解けた!!

汗が背中をつうっと伝う…
はっはっはっと息を吐いて周りを確認



…いない。



一応ベッドの下も確認



…いない。



その時になって初めて目覚ましのアラームが鳴っていることに気が付く。
パチッと止めて、現実を確認。


…服、 はだけて無い。


…ミロ いない。


…あ〜〜クソ、アレは?


………はぁ、 出ては無い。


でも俺は頭を抱えた。

これは何だ…
昔一輝にかけられた鳳凰幻魔拳の後遺症か何かか……?

しかもこれから仕事だというのに下半身がこんなにやる気になってるなんて
(まあ、あの驚きで多少萎えた事が救いか…)



「そろそろ仕事にかかるかね…む。煩悩渦巻くコスモを感じる」



ひょっこり顔を出したシャカがそんな事を言ったので、俺はしっしと手を振って10分で行くと伝えた。
まさか、さっきの仕返しにお前が仕組んだんじゃないよな…?



とにかく俺は急いで躯を静めようと、俺の一番嫌いな本
聖域史を本棚から取り出すとべらべらとめくって読みふけったのだった。















茶のアイス   そこは?



夢って不思議(笑)今回は謎解きよりも狼狽えるノンタンをお楽しみ下さいv
見たモノが直ぐ様夢に反映される煩悩の素晴らしさ!そしてシャカ様はこちらでも眠っていますか。(笑)
カノンは聖域史とか嫌いなようですね