幼き日の思い出 (3/Sideムウ/教皇シオン存命中) サガの所に行くと何人かの神官が露骨に嫌な視線を送ってきた。 もちろん、全てではない。でも、私が萎縮するには十分なそれ… 「むー、えへへ、さぁがぁ!むうおえといっしょぉ?」 しゅんと気後れした私に気を使ってかミロが手を引き元気よく声を出す 周りの態度に硬い表情をしていたサガもミロの態度にほわりと表情を綻ばせて膝を付き目線を合わせる 「ミロも、ムウも、部屋は別々。早く、一人前に成らなくてはね」 優しく私達の頭を撫でてくれるサガ…。 それに硬くなっていた私の心も柔らかくなりかけたのだが 「うんっいちんまえ〜おれぇなる〜 おりぇしゃがのいちんまえ〜」 とミロがサガに嬉しそうに抱きついたのに一気に心が冷え込んだ。 サガが嬉しそうにミロを見る。私などここに存在していないかのような空間 ああ、私は彼ら二人のお荷物だ。いらない子だ。 ここは、私の場所じゃないんだ… 悲しさが込み上げたけど、絶対に泣いてたまるものか!とぐっと歯を食いしばる。 なかば意地でその場を堪えミロの手を苛立たしげに引いてサガから離すと、私の部屋はどこか訪ねた 案内させて、露骨に追い出す。 「むーう?」 「も、いい!あっちいけぇ…」 その後も、風呂でも、食事でも、二人の睦まじさを見せつけられる事になった私の不機嫌は上がるばかり。 ミロが何かと気を使ってくるが、それが同情めいたように感じてワザと意地悪く接する。 そしてその夜 「むう、さみし、なーい…?いっしょないしょ、ねう?」 こっそりと私の部屋へ枕持参で忍んできたミロ 腹が立っていた私は淋しいのも構わず意地でミロを追い出した 「淋し、なんてない!でてけぇ」 うるりと目を潤ませたミロが枕をぎゅっと抱きしめてとぼとぼと部屋を出る。 サガは夜には必ず双児宮に戻る事をこの時初めて知ったけれど それでも四六時中一緒の彼らが羨ましく憎いのは変わらなかった。 「みお嫌いッ!」 泣きながらその夜を過ごした。 心細くて、悲しくて、どうして私だけシオンと一緒に過ごせないのかとそればかり。 悔しくて、その気持ちをその後もミロとサガにぶつけまくった。 「こんなん、嫌あいっ!」 出された食事を突っぱねる。 「ひといで勉きょすんもん!」 サガの授業をボイコット 「お風呂なんかっいっしょ入ンないモーーーンッ!!」 初日の風呂での出来事が一番嫌いだったから大抵抗! 仲睦まじく石けんでシャボン玉など作って遊ぶ二人に(…きっとそれは私に気を使ったのだが) 私はすごく嫉妬心を刺激されていたのでこれを一番抵抗した。 困り顔のサガを無視して一番風呂へ 嫌がらせに石けんを湯船に落としたりして汚しまくった。 だけれどそんな私に怒りもせず、優しげな顔をちょっと困らせてため息をつくサガ 何とか私の世話を焼こうと試みるのだがこう意固地になった子供にそれは無理というもので。 だけれど彼は辛抱強く接した 私にはその優しさも何処か余所余所しく感じてツンとそっぽを向く やがてその様子を見ていた神官が次第に不満を感じ始める 私達の主が気を使っているのに、お前は何様だと空気が重くなっていく 空気がギスギスしていく、それに私は余計に当たり散らす。サガの表情が固くなっていく… 正に、悪循環だった。 |
さて、色々自分設定なので頭に?が多数浮かんでる方が多いかと。
スンマセン、今の所は流しといて下さいっ
あ、ミロが言った“いちんまえー”とは一人前の事ですよ〜。
ついでに言えばムウの言った“みお”というのはモチロンミロの事です〜☆
今回の話でムウが暮らしはじめた場所は双児宮近くの仮屋です。
そこにはミロと、数人の神官が暮らしているようです。でもサガは…