お題の45をやってみたよ☆




ということで、拍手にUPした記録室。まだお読みになってない方はどうぞ〜



TOPに戻りま〜す☆



ここは11〜20です〜。
11 12 13 14 15 16 17 18 19


1〜10   11〜20   21〜30   31〜40   41〜+α






11 緊縛



アフロ「デス、ミロを知らないか…?」
デス「知らねーが…あのガキャァまた逃げたのか!」

幼い日の修業時代、彼らは二班に別れ鍛錬を行っていた 肉体派のアイオロスと小宇宙派のサガとに。
因みにデスマスクは小宇宙派、アフロディーテは意外な事に肉体派だった。
そしてミロも肉体派でアイオロスの元での修行だったのだが、ミロは修行が嫌いなのでしょっちゅうサボった。
それを見かねて(というかロスに命令されて)魚が蠍を連れて行く役目になったのだがこの蠍、あらゆる手で逃げる逃げる
(シュラも肉体派なのだがロスの準備を手伝うのでアフロにおはちが回された)
最近では縄で縛って連行するのだが、往生際が死ぬほど…いや、くたばる寸前まで悪いミロは
縄抜けを恐ろしいまでの技術と執念と奇跡としか言いようのない方法で脱出し、
引き摺るアフロディーテが振り返ると縄には岩がくくりつけられていた!となる始末。
これに魚は歯噛みした。(ミロを逃すと魚が鶏(←ロス)に怒られる。この時から魚は鶏が大嫌いになった)
因みに使用する縄はコスモを封じる物なので、ミロは地道に縄抜けをしているようだ。

デス「お前、縛るのが弱いんじゃ無ーか?」
アフロ「馬鹿な!君にこの前教えて貰った逆海老縛りだったんだぞっ!」
デス「な、なにぃ!!アレを抜けるとは…どうなってんだぁ、ミロは…」
アフロ「蟹ッあの本だ!次の方法に望みをかける」
デス「お、おう!」

デスマスクは超特急で人馬宮のベッド下(←超古典)から本をパチッてくるとミロのいない天蠍宮でアフロを縛った。
デスは本を読めば分かるのだが、アフロはおおざっぱな人間なのでチマチマした事が苦手。
なのでデスマスクがアフロディーテを縛って教えてやるのが常になっていた

アフロ「うう、痛いな…これは何という縛り方だ?」
デス「ん〜と、後手縛り…なんだが、縄抜け対策を施したバージョン?」
アフロ「これに足を緊縛しないと抜けられるな、アイツの足癖の悪さは天下一品だ」
デス「だな…にしても鶏、変態だな。なんでこんなんで興奮するんだぁ?信じられねぇ」
アフロ「うむ、同感だ。その裸で縛られる女を見ていると吐き気が込み上げる」
シュラ「おーい、ミロ、アフロディーテ?」

その時シュラが呼びに来たので二人は手を挙げて(アフロは縛られてるので頭を上げて)答えたのだが…

シュラ「……ッッッッッ!/////////(ボッ!←顔から火が出た音)……じゃ、…邪魔をした、続けてくれ……」スタスタスタ
デス「待て―――――――――ッッむっつり山羊!何を想像したァ違うんだコレはっ!」
アフロ「ご、誤解だシュラ!!何を勘違いしたこのムッツリ山羊め!!」


その後、誤解が解けたかは知らないが…ミロは変形あぐら縛りに目隠し口にはボールギャグ
といった体で魚に引き摺られ連行される形に落ち着いた。



※さすがのミロも目、歯、足を封じられお縄となりました。これ書くのにちょっとSMもの調べたよ…
あ、自分的には逆海老で目隠し&ボールで引き摺られるミロが好みです。(←変態めっ)






12 夢



『ラ*ンハ*トさま…世界を、手に…』赤い髪のカミュが俺に腰を折る。あ、アレ…?ちょっと声、違くないか?
『キ**アイス、その時はお前も隣にいるのだ』俺の髪が金髪で、短ッ って、アレ?今の声、アンドロメダ…?

場面は変わってカミュが氷って死んでいた…あわわわ、か、カミュウッ!
俺が沈みながらカミュの髪を入れたペンダントを弄る。う、ウウウ…悲しい!

またまた場面が変わって俺の髪が長くなっていた。ちょっとホッとする。やっぱ長くないと落ち着かない。
だけど何と!子供が生まれるって、えええ!?か、カミュの子?あれ、何かだるいな、クラクラするよ…
何故だか病室の外でくるくる回って歓び踊るオッサン…あ、アレ???今、俺の声しなかったか!?
星矢がキチガイのグンジン?俺の頬が熱くて、フラフラする…謎の熱病?ああ、カミュ――――ッ!

「……ロ、ミロ… ミロ…、どうした?」
「え、…え、カミュ…生きてた!ウワーンッ」

小さくなって(←2等身化)カミュにへばり付いて泣き出した俺にカミュが困った顔をした。
俺は暫く現実と夢がゴッチャになってたので首に下がるペンダントに触れようとしたが
胸から出てきたのはカミュ人形『…ミロッ』 でもカミュ人形の髪が赤くてちょっと泣いた。

「夢見た、変な夢だった」
「そうか、早く忘れるがいい…朝食が出来ている」

コクリ、頷き躾けに煩いカミュに大人しく従って準備をし朝食を食べる
いつものボルシチはちょっとだけ、いつもより美味しく感じたミロだった。


※ホントは紫龍もいました…よね…?でも思い出せなかったよ〜〜すまぬブライトさん。
ワカラン人には分からないネタでスンマセン。そして大好きな声ネタ… 銀英いいよね☆






13 雪が降る



※サガの乱の前です


「ミロ……やはりそれは違う…」
「う、うう〜〜っカミュなんてだいっっっきらいだぁ!!」

ふとした言い合いから喧嘩に発展。カミュもミロも子供ながら変なところで頑固だった
カミュは理詰めで物事を考え、ミロはいささか感情的だとはサガの見解
こういう事はままあった。そしてその一番の被害者は…

「またっ……」

シュラはぶるっと震え頭を抱えた。そう、一番の被害者はいつも彼
(↑因みに蟹と魚が喧嘩をすればどちらかに麿羯宮で愚痴られ、ロスがサガにあしらわれればロスに愚痴られ、
魔羯宮は立地的に最悪だと思うようになったシュラであった。そんな彼は最近風水に凝ったりしている。←笑)
朝起きてあまりの寒さに身を震わせて窓の外を見てため息 一面真っ白なのだ!
初夏の筈なのに、階段の上が白く染まった雪景色だった
ベッドの下に冷気のもやまで漂っている
半ば呆れながら薄掛けに身をくるめ、ブルブル震えながら宮を登る。一歩先まで見えない、一瞬寒さで意識が遠のいた
(遭難など…して、堪るか…)←目の前ホワイトアウト状態
そう、宝瓶宮は吹雪いていた。一面真っ白 雪山…いや、ここは東シベリアかというくらいに寒かった!
初夏なのに。ギリシャの初夏な筈なのに。
コスモを最大に燃やし、何とか宝瓶宮へ辿り着いたシュラ
中は吹雪いてなかったが、チラチラとダイヤモンドダストが舞っており痛いぐらいの静寂が耳を打った
ふと柱の外から見える雪が音もなくしんしんと振り続ける様が、カミュの心の絶望の様でシュラは何とも言えない気持ちになる
そんなになるのなら…毎度毎度喧嘩なぞしなければよいものを!←シュラ心の叫び


ゆき〜が〜降る〜♪ ゆき〜が〜降る〜〜♪
ゆき〜が〜〜しろ〜〜く〜〜降り〜〜し〜〜きる〜〜♪
(↑シュラの頭の中に響き渡った曲 因みに寂しげな旋律の合唱曲。笑)


「入る」
無断で私室に入れば燃え尽きて真っ白なカミュが蹲っていて、何をしても無反応。
とにかく声をかけて何とか事態を打開すべくシュラは頑張ってみた

「ミロと、…喧嘩したのか」
「………………」ピク ←カミュちょっと反応

「直ぐに仲直り出来る」
「…………………」←カミュ、シュラを“いい加減なことを言うな”という視線でちろりと見る。気温が−5℃下がった(笑)

「ううう…温度を下げるな ミロはきっともう忘れている」
「…………ミロは………ああ見えて…結構根に持つタイプだ…………」

シュラ説得に失敗!さらに気温−3℃ シュラの歯の根がガチガチ鳴った!!

「い、いつも最後には 仲良く… ううう…寒いな… とにかくミロと仲直りすればいい、カミュ!」
「ミロは……」

カミュが濁った瞳でシュラを見上げた

「…いつも頑固だ。私の言う事が正しいと分かっても、認めず喚き最後には嫌いだと私に告げる。それはずるいと思う。確かに涙ぐむミロは…可愛いけど、それとこれとは話は別だそれに私がこんなにミロを大切に思っているのに嫌いだなんていうミロが私は堪らなく憎い。そう考えるのはおかしい事だろうかシュラもしかしてミロは本当は私の事など最初から嫌いで何となく私に話しかけたりしているのだろうか?は、それは……鬱だ。ミロはこんな寒くて湿った私よりも粗野なアイオリアの方がよいのだろうか?…そうだろうな、こんな私よりも陰険なムウの方が良いのだろうああ、私は馬鹿だ。私はミロの特別だなどと思い上がり何時しか友人のように錯覚していた。だがそれは間違いだったのだろう、ああシュラその事に気付かせてもらって礼を言うそうだ私はミロとなんでもない…ふ、ふふ…………だが、私はミロが他の奴と楽しそうにしているのを果たして見ることが出来るだろうか?本当に?……それは、無理だ。きっとそんな物をみたら私はミロを永久氷壁の中に閉じこめたくなってしまう。いや、もう閉じこめたくなっている。私を否定するのなら、いっそその時を止めたまま私の傍らでずっといっしょにいられれば良い。それは何て素敵だろう……こんな事を考えるのはおかしいだろうか?おかしい?そうかもしれない。これが私だシュラ 見限ってくれて良いぞ、そしてそっとしておいて欲しい 今ミロに合えば確実に私はミロを氷の棺に閉じこめるだろう。その時は私も一緒だ…ああ…こんな私だからミロは私を見限ったのだ。私はもうミロに合う資格など無いな だけれど何故こんなにもミロの声が聞きたいと…」(←まだまだ終わる気配無し。しかも気温がぐんぐん下がる下がる)

シュラは取り敢えずカミュの頭を何となく撫でた。それだけ出来た自分を褒めたい気持ちだ。つまり、限界だった!
気温はバナナで釘が打てるまでに下がりきり、そしてカミュの呟きは永遠に終わりそうに無かった
そのぞっとするような鬱なる冷た〜い小宇宙に当てられたシュラはこのままでは生命に関わる事を悟り一目散に宝瓶宮を飛び出した。
そう、カミュがダメならミロなのだ。またまた半分遭難しつつ宮を下ったシュラはミロの説得を試みてみた
だが…こっちもこっちで中々に厄介だった

「ミロ、カミュと仲直りしろ」
「うう〜〜〜っ やだ!」
「寒くて堪らん、仲直りしてくれ」←シュラ必死
「やだーーーっっだって俺悪くないモン!!」

やがてサガが事態を把握しミロを説得するまで宝瓶宮近辺は吹雪きまくった

カミュが落ち込むと宝瓶宮は雪が降る。



※これちょと書き直しました!こんな感じのが書きたかったのですが、波ってありますね〜
魔羯宮は立地的になんか大変そう。でもそれはやはりシュラの人柄が大きいのでは?






14 くるぶし



ミロ「!!!」
貴鬼『シーーーー!蠍のおじちゃん隠れさせて!』(←念話)

教皇宮で執務をしている時だった。足元に何かが潜り込んで机の下に入ったのでビックリすると念話が。
それにたじろくミロ…何故ならば

貴鬼『それにしても蠍のオジチャン、すごくオッサンくさいね…そんなに熱いの?』
ミロ『ほっておけ!それぐらい熱いのだっ…くそう、省エネめ』

ミロはサンダルを脱いで水を張ったタライに足を付けながら仕事をしていた。
最近聖域は財政難に加え省エネをとの女神のお達しで執務室にクーラーが付かなくなった
加え聖衣が無い者の配慮に執務は厚い法衣で行う事になったので熱い…暑すぎる!
今日の執務当番のカミュなどは半分溶けて半死人。同じくカノンは法衣をはだけて半分マッパで仕事だ(←双子の血?)
だがミロはそんなカノンを諫めた手前胸元を寛げる事も躊躇ってしまい苦肉の策で見えぬ所で涼を取った。
(↑カノン、半裸ミロを見たい為画策するが失敗に終わる)
執務机の下はパテーションで区切られているのでこれならばばれまい、という結果なのだ

ミロ『いいから出ろ…暑いわ!それに何で隠れるんだ、ムウに叱られそうなのか?』
貴鬼『ムウ様はそんな事しないやい!隠れんぼだい!』(←実はネグレクト気味な貴鬼)
ミロ『隠れん坊な〜誰とだ?あ…一人は分かったぞ。シャカだな?』

丁度溶けかかったカミュの後ろから棒を持った(←卒塔婆)魍魎がウロウロと何か探しながら入ってきた。
魍魎が探しているのはモチロン貴鬼なのだが、シャカの命令か、たまたま雰囲気か、
それとも何となくなのか、だれたカノンを棒でぶん殴っていた。

貴鬼『もしかして…きちゃった?誰?牛のオジサン?山羊のオジサン?』
ミロ『シュラまでか …シャカだ。え〜と、本人じゃなくて手下の化け物が来てる』
貴鬼『うわあ!やばいよっ…おじさん!ちょっとここに入れさせてね!』(法衣をまくって中に入る貴鬼)
ミロ『あ!ばかっやめろそんなトコ入んな!!』(暑さに嫌がり貴鬼を追い出そうと足で抵抗)
←ひでぇ
カミュ「……ミロ?」

その時溶けて意識をも〜ろ〜とさせていたカミュがミロの異変に気が付いて声を掛けた。
ミロが何やら机の下をガタガタさせて顔を真っ赤にしている
何をしているやら…とボンヤリと思っていながら仕事を暫くして、あるひとつの仮説に思い当たりカミュは驚きに目を見開いた

↓カミュ心の葛藤
(そ…そんな破廉恥な事を…初心な、ミロが?だがしかし…私達ももう大人…そういう事をしてもおかしくは…だが、それでも…)

一層顔を染めて机をガタガタ揺らすミロはカミュに何でもないと告げ、さっきより押さえて小刻みに揺れた
ちゃぷっとミロの机の下から微かに音がした

↓カミュ心の叫び
(今…水音が聞こえたような…!?そ、それではやはり!…みみ、ミロッこんな所で!?……)

カミュはボンッと耳まで真っ赤に噴火させると頭から湯気をしゅわしゅわと出した。
それに気が付いたカノン、頭にはたんこぶが。一層ドロドロと溶けるカミュの視線を追って見る事に
一方その頃ミロは魍魎に嗅ぎ回られて体を硬直させていた。こちらもドロドロで結構恐い
きっとシュラは聖剣でぶった切りながら追うだろうし、アルデバランは突進して来るだろうし
結構命がけな鬼ごっこだなと思っていた。なので貴鬼を匿ってやる事にする。それにタライを2人に見られたくも無かったし
だが、魍魎が去ると貴鬼が悪戯を始めた。サガの机から羽根ペンをテレキネシスで取り寄せるとミロの足をくすぐり出す
モチロンミロ激しく抵抗。再び机が激しく揺れた。

カミュ「…………!!……///////」ボキッ!(←ボールペンを思わず折ってしまった和菓子)
カノン「…お、おい…ミロ??」←カノンもまさか!と目を見開く
ミロ「ぅはっ(←堪えた笑い)な、何でもない!気に、するなっ…ア!」←意地でもタライを見られたくないミロ

その時ミロ、くるぶしに羽根が掠めて変な気分に。
くすぐったさに堪えていた顔が変に歪み、それを見たギャラリー二人は一層興奮
和菓子は鼻血が止まらなくなり、カノンは机からより良くミロを見ようとガブリ寄りに。
妙に執務室が暑くなっていた

カノン「み、ミロ、何してる?ちょ、ちょっとトイレでも行くか?」←遂に我慢出来ず行動に出たカノン
カミュ「……い、イカン!ミロ、私が処理してやる…」がた!←慌ててカノンを追う和菓子
ミロ「ちょ…くるな!な、何でもないから…っ あ、止めッ!」

その時ミロが一層強く貴鬼を蹴ったので貴鬼堪らずテレポートで移動
二人が隠そうとするミロの机下を見てみると、そこにはただ水を張ったタライがあっただけであった。

カミュ&カノン「………………??」
ミロ「こ、これは…その!…す、すまん…俺も暑くて…その…」
カミュ&カノン「????……ミロ、何をしていた??」
ミロ「だ、だから…足を水に付けて、涼しくしようと……」
カミュ&カノン「………………??」

二人は訝しみながらミロを撫で回して(←おい!)確認してみるが何でも無くって更に不思議がった。
そして…その日の夜↓

―双児宮―
サガ「??カノン、何をしておるのだ?」←双児宮の入り口でツルハシで何やらやらかしている愚弟に聞いてみるサガ
カノン「フ…足湯を作っているのよ!」(ミロォ〜〜待ってろ!超気持ちよくなって…フハハハ!ウワーハハハ!!)

―宝瓶宮―
シュラ「……カミュ、騒音で眠れん、…何をしている?」
カミュ「フ……宝瓶宮に噴水を作っている」(フ…ミロ、私の所であのような媚態を存分に見せるがいい…)


その後、足湯に喜んだのはサガぐらいで、宝瓶宮はより一層湿気でジメジメした。(END)




※色々サイテーですな、自分(笑)
この話の溶ける和菓子やシャカの手下の魑魅魍魎などが書いててとっても楽しかったですv
そしてネグレクト(食事等の世話の一切をほっておかれる虐待の一種)気味な貴鬼。彼に明日はあるのだろうか??






15 合わせ鏡



※サガの乱前です



リア「おい、ミロ知ってるか?4時44分に合わせ鏡すると将来の自分が見えるって!」
ミロ「ばーか、違うよリア 映るのはもうひとりの自分だって」
カミュ「………違う。ぬーべーを読め…合わせ鏡からは悪魔が出てくるのだ」
(←蟹所有の漫画を読んだ)

子供達はあーだ、こーだ言いつつ、じゃあ試してみようという事になり鏡はどうしようとなった。

ミロ「あ!サガの所の脱衣所にすごい大きな鏡ある」
(←兄よ…この頃からもう?)
カミュ「……もうひとつ…あ、双児宮の物置に古いものがあったな」
リア「おし!決まりだ。じゃあ4時半双児宮に集合 見つかるなよ!」

こうして小宇宙を消した子供達は双児宮にこっそりと集まった。
忍び足で脱衣所の大きく装飾を施された鏡を運び出し物置にあった大きな鏡の布を取る
ふたつの大きな鏡を合わせて44分を待ち、その対の鏡の間に子供達は集まった。

リア「将来の自分か〜どんなんなってんのかな、一体」
ミロ「ロスみたいになってンに決まってンじゃん!!」
リア「…なッ!?ミロッ怒るぞ!」
(←本気でショックなリア)
カミュ「…悪魔が出てくると言っている……ッッ!!?」

???「こら、お前達…」

リア&ミロ&カミュ「ぎゃあああああああ!でたあああああああああああああああ!!!」
(←あまりの驚きに3人失神)

サガ「????…お、おい??」

彼らがみたもの。無数に映る鏡の世界に見慣れぬ漆黒の黒い髪が踊り、血走った目が3人を見据えた。
サガは忍び込んでた3人の子供達が自分が来たとたん奇声を上げて失神したのにびっくりしながらも
鏡をしまって3人をベットに寝かしつけたのだった。朝、3人を叱りつけ何をしていたか聞いてもまったく答えなかったと言う

リア「恐かった。うう、カミュが正しかったな」(←ぶるぶるするリア)
ミロ「ううう〜〜〜〜どうしよっ(大泣)悪魔がでちゃったかも〜〜〜」
(←大泣き。でもあながち間違ってない?)
カミュ「……………何かあったら………シャカの所へ行こう………」
(←青ざめるカミュ)

その後何も無かったので3人はその事をすぐに忘れた
(←実は知らぬ所で色々あったが。)
さて、合わせ鏡は3人の意見の内 本当は誰が正しかったのやら。


4時44分の悪魔 黒サガ



※黒サガ ウチのサイトでは実は見た目が恐いだけ…なのかも
そして兄に似るのををいやがるウチのリア(笑) でも外見はそっくりに育ちますv






16 おいしい



牛「おい、貴鬼!貴鬼!!」

ミロが白羊宮を通り抜けようとした所アルデバランが何かしていた。
覗いてみると何やらぐったりした貴鬼の頬をペシペシ叩いている。
あれ…?貴鬼ってこんなに痩せていただろうか?ミロは首を捻った

ミロ「おい、アルデバラン どうしたんだ一体?」
牛「いや、分からない 貴鬼がいきなり倒れたんだ。…あ、貴鬼!どうした?具合が悪いのか??」
貴鬼「あ、いけない…オイラ寝ちゃったみたい。…おじちゃん、平気だよ…」
ミロ「平気な訳あるか!気絶してたぞ!?おい、貴鬼ちゃんと飯食ってるのか??」
貴鬼「やだな、食べてるよ蠍のおじちゃん。今から収穫なんだい!」

牛&蠍(収穫…?)

?を浮かべるアルデバランとミロを余所に貴鬼はフラフラとしながら階段を上っていった
付いたのは処女宮の裏手 沙羅双樹の庭の隅っこの方に小さな 本当に小さな(約畳1畳分程)畑らしき物が。

貴鬼「えへへ、ほら!ジャガイモがこんなに。やった〜今夜は芋がゆ…って言ってもお米が無いんだけどね」

貴鬼の手には小さなジャガイモがたった2、3コ それを誇らしげにミロ達にかざした

牛&蠍(米がない?…つまり、今夜の食事はその芋のみと言うことか??)

貴鬼「うふふ…ナスももうすぐ食べられるかも!」

貴鬼は舐めるような視線でナスを視姦(←笑)すると、腹の音をグーグー鳴らせた。
そして、ちょこっと歩いた所で穴を掘ると粘土質の土を袋に詰めていた

ミロ「き、貴鬼…何をしている?」
牛「ドロなんて、持って帰ってどうするんだ?」
貴鬼「?食べるに決まってるじゃん。」
ミロ&牛「!?!?!?」
貴鬼「このジャガイモ、ムウ様に二つ食べてもらうでしょ?で、オイラが一個食べれるんだ」
ミロ&牛(……む、ムウ!!??)
貴鬼「で、そのジャガイモにくっつけて食べるんだ。この土、塩分があるからとっても美味しいんだい!」

お腹も膨らむしね!にっこりと笑った貴鬼はまたフラリとよろけてアルデバランの腕に収まった
貴鬼の言葉に二人は絶句し、遂に涙腺が壊れてだばだばと涙を流した。
ふと横を見れば貝割れ大根に キキ と名前の部分だけ摘まれていて…。
それにミロは蟹の部屋で見たジャパニメーション『ほたるのはか』という奴を思い出した。
その時貴鬼が、アルデバランの腕の中で悲しそうに枯れたキュウリの苗をさすってポツリと呟いたりした

貴鬼「何でキュウリ、枯れちゃうんだろ…」

ミロは自慢の足で階段を駆け下りると双児宮に踏み込みカノンに叫んでいた

ミロ「か、カノン!朝食の残りはあるか!?」
カノン「ん?何だ?あのノリ
(←サガお手製中華粥)のようなものなら、いくらでも残っているが…」
ミロ「貰うぞ!」

返事も待たずにミロは中華粥の残りを鍋ごと引っさらうと、ぐったりした貴鬼の口に含ませた

貴鬼「お、おいしいね!お、オイラ…こんな美味しいの初めて食べたよ!!」



アルデバランもミロも、暫く涙を止めることは不可能になった



※因みにその日の夕食は、全部ムウに芋を取られた貴鬼だった。






17 カクテル



「カノン、今日は暑いな…」
夕闇のせまるバーで、ミロが色っぽく髪を掻き上げた。吐く息が熱を帯びていた
俺はそうだな、と適当に返しグラスをゆっくりと舐めた。チラリとミロをのぞき見る
瞳が扇情的に潤んで俺を誘っている。どうやら忍ばせた媚薬が効いてきたようだ
「な、知っているか?ミロ お前さっきカクテルを一気飲みしたろう?」
「ああ、ピンク色で美味かったな それが?」
「心理テストでそんな飲み方をするやつは…本能のまま愛し合うのが好みだと言うことだ」
ミロが艶やかに笑う。意味深に髪をひと弄りしてじゃ、お前は?と聞いてきた
「俺か?そうだな、舌触りを確かめながら楽しむ」
「で、そういう奴は?」
無防備なミロの耳元にそっと囁く。体の密着を高め官能を刺激するように息を吹き込みながら
「肌の触れ合いを好み、相手の表も裏も味わい尽くしたいと望んでいる。だそうだ」
「へえ… ン かのん?」
「ミロ、………ちょっと付き合え」
堪らなくなって、彼の腕を強引にとってレストルームへ連れ込んだ。
狭い空間に男が二人絡み合う 壁一枚外は賑やかな店の喧噪が。それが余計に肉体を燃え上がらせた
「カノン、酔ったのか?…あ、待て!そんな…う、… …」
「ミロ… ミロ… 動くな、 ああ… すごく、気持ちがいい…」
濡れた感触が不快でそっと拭う。ミロが苦しそうに喘いだ
「… うん、…俺も カノン カノン… う、 ああ… ううんっ」

夢のような一時。だが記憶がとぎれとぎれ霞み、気が付くと双児宮のベッドだった
もちろんミロはいない。あれは夢だったのだろうか?
夢でもいいかもしれない。甘酸っぱい記憶はそれだけで幸せだった




工作員 蟹・山羊・薔薇Side 
※お食事前の方は読むのをご遠慮下さい☆




愚弟がミロをロドリオ村の飲み屋に誘っていたのを地獄耳で聞いたサガはかつての部下に勅命を下した
「あの愚弟の事…ミロを酔わせて何かするに決まっている!お前達何としてでも邪魔をして来るのだっ」
デス・シュラ・アフロ「「「…いえっさー」」」
(←だるそうな態度だが返事だけは良い3人)
ミロのお守りはいつもの事と
(←アニメ・アンドロメダ島の真実のエピソード。笑)
たるそうに心優しき年中3人組はとにかく行動を開始した。
みっしょんいんぽっしぶる発動!☆カノンの魔の手からミロを密かに守ってみせよ!

アフロ(それにしても…雰囲気なさすぎでは…。愚弟…)
アフロディーテが呟いたのも無理はない。ココは雑兵むせかえるこ汚いロドリオ村の大衆酒場
雰囲気もへったくれもないそんな飲み屋。しかも女神の故郷が日本という事もあって…
店主「へいお待ちーっ!」
通しがなまこ酢。今、ロドリオ村は微妙な日本ブームに染まっていた。
デス(おい、そんな事よりもあれッ!シュラッ飲み物チェックはどうだ!?)
シュラ(…不味い!今店主を締め上げた所あの飲み物はカノンに言われ変な物を混入したものらしい)
デス(な、なにい!?やべえっっ阻止しなきゃ…)
だが。そんな思い空しくミロはカノンに『かんぱ〜い!』とか言うとごきゅっごきゅっと一気に飲み干してしまった
……両手でミルクを飲むように。
その姿は子供そのもので微妙な哀愁を3人に感じさせた
シュラ(うう…ミロ。昔サガに言われた“コップは両手で持ちなさい”を未だに実戦しているのか…)
アフロ(ミロ、君は見掛けは良い男なのに。頭の成長が止まってしまったのが嘆かわしいよ)
デス(ああ。まぁでもそれもアイツの良いとこじゃねぇ?サガが猫かわいがりするのも分かるよなぁ…)

かつての偽教皇時代。
サガの疑わしい場面やら怪しい台詞やらを何度もミロに目撃されたり聞かれたりしていたのにもかかわらずまったくの平穏だった理由がそこにある。
(アニメ・教皇の『これでリアが排除できれば一石二鳥…』とか何とか言ってた時に『はぁ?』で返した下り参照)
馬鹿は可愛い。
素直な馬鹿はもっと可愛い。…それがミロと言う男だった。

アフロ(クソ!可愛いミロに変な物など飲ませやがってこの愚弟めッ)
思わず変な保護欲が
(※主に動物に向ける類)大爆発したアフロディーテは店主を裏に引き込み何やらコソコソしてきた
シュラ(……お、おいアフロディーテ!何をしてきた?)
アフロ(フン、なに ミロに飲ませた妖しげな薬を愚弟の杯にもしこたま仕込んできただけだ)
デス(な、ななななにぃー!?お前それ不味いだろっ!それ余計不味くなんだろがッ)
アフロ(知るか!ミロがやられたのだ。十倍返しが当然だろう)
シュラ(……支離滅裂だぞ、アフロディーテ…)

そんな混乱の舞台とはつゆ知らず、主役の二人は和やかだった

「かのん、きょうはあっついな〜」
二等身化したミロが色気無くばっさばっさと服やら髪やらに風を送り込んでいた。
よく見れば目がぐるぐるだ。どうやらカノンの妖しげな薬?にラリってきたらしい
ミロは熱いのかへろへろになりながらはーはー息をはいていた。
その様は真夏の、だめ〜な犬そのもの。在る意味かわいい
そのだめ〜な姿にアフロディーテがきゅんきゅんしていた
魚(キュンッ☆みろ〜)
蟹(ホントお前っていつも、何ッも考えない奴だよな…おい!どうすんだよ、ミロタン喰われちまうぞ!?)
山羊(あの状態をか…。それならばカノンもよほど好き者といった所……ン?)
シュラは違和感を感じて愚弟をじっと見て、暫くすると呟いた。
山羊(…カノンも、薬にやられたようだ)
蟹(そうかぁ?別に普通じゃね?)
魚(…!いや、よく見るんだ蟹!!)
蟹(蟹って言うんじゃねぇぇーーーっっ)
蟹と呼ばれたデスマスクはえいとせんしずを燃やして愚弟を良く観察してみた。
…普通。普通?普通だろ…?!いや、瞳の奥が、僅かだがぐるぐると渦巻いている!!
頭が微妙に揺れたりもしていた。
蟹(…うん。ありゃぁカノンの奴も相当やられてやがるな)

そんなカノンが脂ぎったオッサンのようにグラスをひと舐めする。勝負に出たようだ
「な、知っているか〜?ミロ〜 お前さっきカクテルを一気飲みしたろぉ?」
「ん〜〜〜?ああ!ピンクで美味かった〜 そえがぁ〜?」
声も妙に大きい。泥酔者そのものだ
「心理テスおでなぁ〜そんな飲み方をするあつはぁ、本にょぅのみゃまあぃし合うのが好みなんだぞぅ〜」
ミロが苦しそうにはーはーしながら、意味が分からなかったのだろう『はぁ?』と言っていた
「俺ぇ?そうだな、舌っりを確かめながらぁ〜楽しむっ!」
カノンが上機嫌で何やら言っているのに対し、ミロがまた『はぁ?』と言っていた。
半分カウンターに突っ伏したミロにカノンが横にべちゃっと崩れなが何やらブツブツ言った
「肌…触…を、好っ、相手、…*、裏…味わい、うえっ尽く、ぅ、うっく、… …」
「かのん?」
不思議そうに問いながらもグロッキーなミロは、やはり苦しそうに息を吐いて突っ伏していた。
「ミお、………ちょっと付き合えっ!!」
そんな時だった。
カノンが真っ青になりながら立ち上がるとチビミロ
(←二等身化)を小脇に抱え走り出した
山羊(……………!)
蟹(え?お、おい!!)
魚(ぎゃーーーーっ!!ミロがッ)
そう、行き先はトイレ
邪魔者3人組はこれに焦って追いかけるも、時すでに遅し。
剥き出しの板で仕切られた小汚く狭い便所の個室に、二人仲良く篭もってしまっていた

魚(どうしよう!どうしよう…ミロが!こんな所で犯されるなんて!!…あ、でもこういうシチュも萌えるかも)
蟹(おい。お前はミロタンがホラれんのが嫌なのか?違うのか?何なんだ?)
魚(もちろん美しい方が好ましい。だがあえてケダモノのような場所や仕方は倒錯的だと思わないかデスマスク?)
山羊(…。何の話なんだ?アフロディーテ……それよりも焦らなくて良いようだぞ)
蟹・魚(んん??)

耳をすませて聞いてみれば、妙に焦ったミロの声が。
「あ!カノンそんな所で吐くな!!吐くなら便器だ!う、……おえもきもぢわりゅい」
切羽詰まったカノンの声が。
「うう、みろ〜 うごくなぁ… すごく、きもぢがわりゅい… う、ああ…◎〓☆」
「… うんっ、…俺も かのん〜 俺も吐くぅっ カノン… う、ああ… ううんっ×△〒〜〜」

気持ち悪くなりながらも3人は、狭いトイレで伸びていた二人を連れて帰りみっしょんいんぽっしぶる☆完了。
そのすっぱい記憶はしばらく3人を悩ませたという…

(END)



※こんなオチですまぬ。困ったときのクスリネタ(笑)
お酒は普通に楽しく混入物無しにタノシみましょう!…という話。…か?






18 聞かせて…



※カミュ・シベリア修行時代



ミロ「やほ〜っカミュ!来ちゃった〜」
カミュ「……………………………ミロ。………………フ、……夢か………」
アイザック「いや、師よ 夢じゃ無いようです。…そうですか、彼がミロさんですか…」
(↑日頃散々カミュの呟きからミロを知っていたアイザック)
カミュ「……………、……………ミロ?……………本物?」
ミロ「そうだぞっ!!久し振りだなぁ〜」
カミュ「…………………みみみ、ミロッ
(←和菓子一気にボルテージ最高潮)
氷河「??(にこっ!)いらったいませ!」
(←まだ純な幼い氷河。)

へ〜…彼が。と、幾分か驚きながらクールに突っ込みを入れる幼いアイザックに
めったに訪れない来客に白い歯を見せて歓ぶ氷河。
だが、あまりの感動の為かカミュがミロを氷らせ始めたので(笑)急いで引き離す弟子二人
ぐったりするミロを引き摺って部屋に入れると、ミロは眠そうに目をとろんっとさせていた

アイザック「…大丈夫ですか?…ミロさん、起きて下さい。」
ミロ「すまん、… なんか 眠い。 ちょっとだけ、寝かせて くれ 」
アイザック「……このまま眠ると死にます。…それはどうかと…」
氷河「えへへ!ミロさんっ我が師とどういうご関係ですか!?」
ミロ「 おう! 親友だ 」

殺されかけて尚
(←ミロは気が付いてないが。)そう答えるミロにアイザックはクールな鉄面皮の下で感動していた
何も気が付いてない氷河がミロにじゃれついてシベリアの小さなおうちはほんわかした空気に
(←殺人未遂は起こったが)
端っこではまだカミュがジメジメ冷たくなっていたが。

カミュ「………………ぅぅっ………私は何と言うことを。…………だけれど……ミロを目にした瞬間………もう、離したくは無かったのだ。…………あの、輝かしい笑顔を……見れなくなるなど…………耐えられなかったのだ。…………ならばいっそ……ミロを永遠に閉じこめてしまおうという私の考えは…………歪んでいる?…………ふ、歪んでいるか……こんな私が…………ミロを…………は、私にはミロを思う資格など………
ブツブツブツ………」
アイザック「師よ、とにかくミロさんを温めましょう。氷河が意識を繋いでくれてますが、低体温症の症状が出てますし…」
カミュ「ううう……こんなこんな私に何が出来るというのだ。………私など所詮冷たくて、ジメジメしていて…ブツブツ…」
アイザック「……そうですね、…とりあえずボルシチを温めてみたらどうでしょう」
(←ドクールなザッ君)
カミュ「……………ぅぅ、そうだな…………私に出来ることなどそれぐらいが………いや、もはや何も言うまい」

ふらふらとコンロに向かうカミュに、ふらふら頭を揺らしながら
(←眠い)氷河に色々答えるミロ(←律儀)
やがてミロの前に湯気のほんわり立ったボルシチが置かれた。
そのボルシチは そっけな〜い、具の少ない、日本で目にするような豪華な物とは程遠い、粗末なスープだった。
それにカチカチな黒パンが添えられた。噛むのに一苦労な顎の修行に役立つ代物である

ミロ「ん〜〜〜うまいっっ☆」

だがミロはそう言うと本当に美味しそうに食べた
(←意地汚いミロは何でも美味しい☆)
それに我が師はからーーーんと持っていたお玉を落とした
こんなスープを“旨い”等と言うのは天然な氷河ぐらいだったが、二号が現れたなと内心アイザックは思った
そしてお玉を落として固まる我が師に落とした物を取ってやりながらどうしたのかと聞いてみる
だが、聞いてみるまでも無かった。見上げた我が師は耳まで真っ赤にしてしゅわしゅわ湯気を出していた
(↑つまりミロの笑顔にやられたようだ)

アイザック「……我が師カミュ?」
カミュ「/////////…………今から、市に行ってくるっ」
アイザック「……師よ、市は明後日じゃないと開きません。………それにソリが」

壊れているじゃありませんか。と言い終わる前に師はバタンと音を立てていなくなった
その後ミロをもてなす弟子二人。やがて二日後に帰ってきた我が師の手には大量の食料が

「美味しい☆」

料理など得意でないカミュが作ったボルシチにミロは舌鼓を打つ
それに幼い氷河がニッコリ笑って「美味しいです!カミュ」と続いた
クールな態度で師を観察するアイザック。カミュの瞳は一途だった

「おいしいっ!」

連続ボルシチ攻撃は何のその。ミロは今日もボルシチに舌鼓を打つ
それに幼い氷河がニッコリ笑って続く「おいしーですっカミュ」
確かに格段に美味しくなったな、と一週間前の物と思い出し比べてみるアイザック
師はやはり無表情だったが、…………何を思っているかはアイザックには痛いほど分かった

そして時は流れ聖戦後。
皆で宝瓶宮に集まっての夕食。もちろんメニューはボルシチである

ミロ(またっ………!)
氷河(またですかっ………!!)
カミュ「どうした?お前達……さ、遠慮無く食べなさい…」
アイザック「頂きます…」

無言で食べるアイザックに二人は続いてスプーンを取る
確かに。確かに美味しくはある。あるのだけど…二人も流石に飽きていた
そう、あの後シベリアでは毎日毎日ボルシチだった。カミュの一途な思いは何処までも深く。
そしてボルシチは遠く聖域までミロに届けられた。毎日毎日。冷凍されたボルシチが律儀に届けられる
これに流石のミロも根をあげたらしい

ミロ「お、おいしいぞ、カミュ」
氷河「おいしいです、我が師…」

その言葉を耳にしたカミュは一般的にはいつもと変わらぬ鉄面皮だったが、喜色満面であったことは言うまでもない。
その言葉が聞きたくてカミュは今日も今日とてボルシチを煮込む



※そして困ったときの第二弾・ボルシチネタ(笑)
っていうか。お母さんとか子供の時言った「おいしい!」っていうのずっと覚えてて、
ずっと作ってくれたりしませんか?もうイイヨ〜とか思ってる子の気持ち親知らず。
でも、その気持ちを裏切れなくて言えないんですよね。シベリア一家+αもそんな感じかと。






19 聞きたくない



※サガの乱の前です。※注意!太ったムウ様がいます。


「ムウ、太った、かい?」

サガは年少組達を一瞥し、一回り横に膨らんだムウにちょっと聞いてみた。
それにムウがぷりぷりと怒る。怒った様がまた…一段と…その。体型を引き立たせた
しかもその勢いか、ムウの袖がばりっと裂けた。ミロが屈託なくにゃははと笑う

ミロ「ムウ太ったよな〜むちむちしてる〜」(むにっむにっ)
←ムウを摘んでる音
ムウ「や、止めて下さい!失礼な。この私が太っている?気のせいですよ貴方たち」
カミュ「……いや、でも太っている。…何故かな…私達と一緒に鍛錬しているのに…」
ムウ「!!カミュまで…シャカ、貴方は真実を見抜くはず!皆に言ってやって下さい」
リア「おい、シャカは目〜つぶってるじゃないか」
シャカ「問題ない ふむ。太っているな」
ムウ「!!!アルデバランッ!!!」
←ギラッと目線でアルデバランに否定を求めるムウ
アルデバラン「うう、すまんムウ。お前ちょっとぽ、ぽっちゃりした、かも」
ムウ「あ〜聞きたくない!!貴方たちの目は皆濁りきっています!!」

怒ったムウは堪らずテレポートでその場を逃げた。サガが首を捻る

サガ「どうしてムウだけ太ってしまったのかな?皆同じ食事におやつなのに…」

サガが困ったように微笑む。そしてムウだけ太りやすい体質なのかなと結論づけた

サガ「皆、明日からおやつを減らそうね。ムウだけじゃ可哀想だから」

これに一同大ブーイング そりゃそうだ。皆食べ盛りの子供 おやつは至上の楽しみ
まぁおやつと言ったって煮干しとか酢昆布とかが多い聖域のおやつはろくなモンじゃ無いのだが
それでもおやつはおやつなのだ!そんな少ない楽しみさえ減らされたらと思うと気が気でない。
食いしん坊なミロは特にブーブー言った。
意外な事に最近羊羹の味を覚えたシャカもかなり憤った。

シャカ「サガよ!ムウが太ったのはおやつの所為では無いと仏が言っている!!」
サガ「………う〜〜〜ん」
シャカ「む!疑っているな!?…よかろう、真実をその目で見るがよい」


−その日の夜・教皇宮給仕準備室・大型冷蔵庫前−


ムウ(ほう…これが噂に聞く“もんぶらん”とやらですか…)

誰もいない教皇宮の大型冷蔵庫の扉の前で一人の少年が唾を飲む
もちろんムウ 中に入っているのは聖域に頻繁に贈られてくる菓子折で。
彼はその生菓子をこよなく愛していたのだ。特にケーキ!
砂糖と生クリームのコラボに、チベットの山奥で生まれたムウは大感激なのである。

ムウ(ではさっそく……むぐむぐむぐ…ンマイッ!!こ、このなまくーりむとやらが何とも!スポンジがまたっ)

シャカ「そこまでだ!君は下界の餓鬼かね??…?クンクン…ムウ、それをちょっと私に寄こしたまえ」
サガ「こら!シャカまでダメだろう?ムウ、何を食べているのかな?ちょっとこっちにおいで…」
↑口調は柔らかいが毛先が少し黒くなっている
ミロ「ムウずりーーーっあ〜良い匂いーっ俺も食べたいっ食べたいっ食べたいよ〜〜っ」
カミュ「…ミロ、それぐらいにしておけ。サガにアケローン川までとばされる…」
リア「それでも食べたいかも。あれってケーキってやつだよな〜」
アルデバラン「う〜ん、いい匂いだね」

その後ムウは教皇シオンにこーってりとしぼられた

シオン「ほれ、ムウ欲しかろう?…だが子供には毒なのじゃ〜っ」
ムウ「ぴぎゃーーーーーっ!!シオン様の極悪っ意地悪!ひひジジイ!!!」
シオン「お前は…どこでそのような言葉覚えてきおったか…馬鹿者め」

木にくくりつけられてシオンに目の前で菓子を食べられるという仕置きは暫く続いた

−因みにその頃双児宮−

サガ「疲れた…カノン、アールグレイといつものショートケーキを用意してくれ」
カノン「へーいへい。にしてもその餓鬼、要領が悪いよな〜」

双児宮には常に従者によって菓子折が用意されていた
つまり…ばれない程度に横流しをさせているサガとカノンであった。



※皆聖闘士なので微量な生クリームの匂いを嗅ぎとれるようです。
双子は流石に年の功。従者をたらし込んで横流しですv










ばっくばっく