2 ラダ「お前は歌わんのか?」 良い声をしているし上手そうだな、とカノンをおだてるラダマンティス それに気を良くしたカノンが十八番であろう番号をぴぴぴっと入れた。 「ふ、聞かせてやろうラダマンティス…」 自信満々のカノンにミーノス&アイアコスがニヤッと笑って「お手並み拝見だ」と言った。 まだざわつく部屋の中央からマイクをくるっと回したカノンはおもむろに語り出すのだった… 『聞こえる…聞こえる…』 はっ!こ、コレはもしや……!!!! この語りにめちゃビビったのはミロ すごく慌ててキョロキョロ回りに助けを求めた なんてったって、聖域の威信かかってないかコレ…!? 始まり出すイントロ…聞き覚えのある曲 そう、カノンの一番の遊び仲間であるミロはこの曲を知っているのだ! 『愛に悩む人々の叫びが…悪に苦しむ人々の嘆きが…』 や、やはりあの曲か…カノーーーン!?あの曲は無いだろう!? ちゃららちゃら〜〜と場違いっぽい音を鳴らせて、あ、来る〜〜〜!! あの名台詞が来てしまう〜〜〜〜〜! 『だって、ウサ…』ブチン! その時だった。 シャカが操作をたまたま間違えたのか、ミロの思いを感じ取って気を利かせたのか(多分前が正解) ぶっちりとカラオケを切ってくれた! ミロ(ぶはああはあああああああ!シャカナイス!!イケメンビーム回避) カノン「…シャカ、何をする!」 シャカ「フン、お前の事など知った事ではないわ」 始まりそうになる千日戦争を回避しようとミロは近くにいたリアに曲を入れろ!と無理矢理リモコンを渡す 渡してからしまったぁぁ!と慌てた。リアがカラオケなど聞いたことが無い! 空気を察したカミュとサガが青ざめるが後の祭りで。 だけれど何故かアイオリアは本も見ずにピピピッと番号を押してマイクを持った。 …は? 何が起こったか分からない黄金(カノン&シャカ除く)に向かって「何番手なんだ?」と余裕の笑みのアイオリア 「3番手だが」と答えるカミュに軽〜く笑って中央に立った。 「3番手レオのアイオリア 灯りになりたい」 小〜さな〜火を〜灯して… か細い〜手を〜握った… もしも〜 涙、止まらないの〜なら… 泣くがいい〜ただ 幼子のよ〜うに 「「「「「!!!!!!!!!!!ウマイッ!!!!!!!!!!」」」」」 お前を、解・き・放・ち・たい〜 過去の痛みから… もし、変・わ・れ・る・の〜なら 引き受ける、全て〜 いつも、灯・り・に・なり〜たい 闇を暖めて… 今、こ・の・腕の〜中 抱きしめる そっと〜〜〜〜♪ 部屋全体に拍手が鳴り響いた ((((上手い…!上手すぎるぞアイオリア〜〜〜〜!!!)))) ミーノス「プロか…?」 アイアコス「じゃなかったらセミプロか…?」 ミロ「う〜〜〜ん!?何でこんな上手いんだリア…」 ガラス窓に、映った… 影さえただ、愛しい… 人は、どんな〜に愛したと〜しても 別々の〜そう、魂だけ〜れど… お前を・守・り・抜き〜たい 鎖をほ〜どいて… あの・灼・熱・の〜火を 木枯らしの時も〜〜♪ シャカ「そういえばリアは良く雑兵達と遊びに行っていたが…その成果がコレか」 カノン「これ聞かせて落とせない女、いないんじゃないか?」 カミュ「…では魔鈴の前ではまだだな。きっとあがってしまうのだろう…」 いつも、灯・り・に・なり〜たい 闇を暖めて… 今、こ・の・腕の〜中 抱きしめる そっと〜〜〜〜♪♪ 普段からは想像できないあま〜〜〜い歌声が終わるとアイオリアは拍手喝采で迎えられた ラダ「低くて良い歌声だな、聞き惚れてしまったぞ?」 サガ「驚いたぞ!?こんな特技を隠してたのだな!」 ほくほく顔で褒め称える二人に照れたアイオリアはミロの手前にあったグラスをつかんで一気に煽った。 カミュ「あ…それは…」 ミロの飲んでいたストレートのウゾ(←つよい酒)を水と勘違いしたリアはいきなりカクンと椅子に倒れた サガ「ど、どうしたアイオリアッ!!」 ラダ「はっ!!(…まさか…ミーノスのコズミックマリオネーション!?!?)」 焦ってギッとミーノスを睨んだラダだが睨まれたミーノスは肩を竦めて首を傾げた フォローにアイアコスがちゃうちゃう!と手を振ってみせる カノン「あ"!?ああ、兄貴は知らないのか。コイツな」 ミロ「酒にめちゃくちゃ弱いんだ。」 カミュ「ちょっと飲むだけですぐに寝てしまうな…」 シャカ「フ、“漢”が、聞いて呆れるな」 その様子に“敵じゃないな”と(カノン&シャカにはこう見えた)と笑いあうミーノス&アイアコスに対抗心を燃やしたカノンがリモコンを取った (シャカはまだべらららっと本をめくって曲をさがしていた) そして先程の番号を入れようとした所を光速の動きでミロが止めた ミロ『まて〜〜〜い!カノン、うさみみ仮面は絶対にいかん!!頼むっ!お前の為なんだぞ!?』←小声 カノン『は?何でだよ!?お前この前喜んでいただろうが』 ミロ『空気を読め…空気を!ほら隣を見てみろ…、あのラダマンティスの期待に満ちた目!』 そう言われてカノンは隣に座るラダマンティスを見てみる 恥ずかしそうにチラチラこちらに視線を送っては…見ている! つまりこれは…俺に憧れを抱いていると…!? ふ、仕方がない。と、カノンは次に歌うかと考えていた曲のナンバーを淀みなく押した 「四番手 “ジェミニ”(←強調してみる)のカノンが歌う …星屑の戦士たち」 たららんたららんたららん…とちょっと古めの出だしで始まる曲にとりあえず拍手が送られる シャカがこれまたタイミング良く何かをいじった所、照明が落ちてミラーボールがキラキラッと回り出した。 やはり第8感を極めに極めた男はとってもすごいのだ! 言葉に〜出さ〜ないお〜も〜い〜♪ 消えて〜ゆく星だけ〜に、話そうか〜♪ 自分の信じた〜道〜を〜♪ ただ一人〜〜歩こう〜〜♪ ラダ「はう…!甘い声なのだなカノン!」←大喜び ミロ「…ほっ。」 カミュ「…どうしたのだ?ミロ」 夢〜と 呼べ〜る ほどの〜 あまい〜もの〜じゃない〜〜〜♪ 命〜を〜無くして〜も〜♪ 悔やむ〜事はし〜な〜い〜〜♪ 風〜の歌〜が 心を〜震〜わせる〜〜〜♪ 今〜は 目を〜閉じて〜 時を〜忘れ〜て〜みる〜〜〜♪ 暗〜い 空〜を〜 炎が〜染めて〜ゆ〜く〜♪ 全〜て 焼き尽く〜し〜て〜♪ やす〜らぎに〜帰〜す〜〜♪ シャカ「つまらん歌だ」 アイアコス「まあ、上手いがな…少し女々しい感じか?」 ミーノス「確かに何か湿っぽいような…女受けするかは…2分するな、きっと」 いつで〜も 正義はひ〜と〜つ〜〜♪ 勝利者〜の〜手の中〜〜♪ そういう意見もあるかもな〜などと苦笑して酒を煽っていたミロだが、 ふと、カノンの歌に ? と思い、良く歌詞を思い出して聴いてみた 未来を〜探すような〜 きれい〜ごと〜じゃない〜〜♪ 誰か〜を〜泣かせても〜 迷う〜事はし〜な〜い〜〜♪ 風〜の歌〜が 心〜を〜慰める〜〜♪ いつ〜か微笑み〜を〜 思い〜出せ〜れば〜いい〜♪ ミロ「こ、これは…!!」 ばっと振り返ってサガを見るが何も気付いてないらしくニコニコっとわらって歌を聴いている 感情を入れて歌うカノンを見て痛ましくなってしまったミロはぐっと酒を煽って涙を飲み込んだ。 それに淀みなく酒をそそぐカミュ もちろん自分につぐことも忘れない。 くら〜い 空〜に 輝〜〜く 星屑は〜〜♪ いつ〜か 消えて〜いった〜〜♪ 伝説の〜戦〜〜士〜〜〜♪ どばっとミロの涙腺が壊れた そう、カノンは自分を歌に重ねて半ばサガに当てつけて歌っているのだ。 だがそれすらも気づかれないカノンに、ミロは涙を止めることが出来なくなった。 『今日は飲もうカノン』 心で呟いてぐっともういっぱい酒を煽った それにまた酒を注ぐカミュは「ミロ、熱くなるな…」とミロにしか分からない表情の変化で熱っぽく見つめた。 やす〜らぎに〜〜〜か〜え〜す〜〜〜♪ 拍手に見送られて帰ってきたカノンにミロは酒をすっと差し出した。 照明が付けられる直前にカノンの頬を一筋の涙がすべったのを見たのは多分ミロだけ カノンは酒をぐっと煽り何事もなかったようにラダとミロの間に腰を降ろした サガの「私ほどではないが、上手いぞカノン」の言葉にまたう!とキてしまったミロが酒を一気に煽ったので手元の酒が品切れ状態になった。 カミュが潰れたアイオリアを背負い空の酒瓶を持って追加してくると席を立つ まだ目をキラキラさせていたラダはリモコンを掴むとピピッと押して立ち上がった |
アイオリア、歌上手いですよね☆(正確には中の人)カノンの歌はどーしても湿っぽい感じが。今回はカノンがジメジメしましたね☆
そして何とな〜く…サガに当てつけて歌ってるような気がしました…気のせいかしら?
カノンが歌おうとしたウサミミカノン…じゃなくてウサミミ仮面、知らない方はぜひ動画サイトなどでお探し下さい
はまりますから☆サガ&カノンの声であれはやられます…マジに。
次はラダ!来ますよ子安さん!!声はすごい好き☆スナフキンは惚れたよマジで。
でも、ウチのサイトのラダは虐められ役(いじられ役?)なのであんまり期待しねぇでくだせぇ…
そしてその次はついに!彼が歌います☆