NOVEMBER RAIN 3














「あっ あああ、あうんっ シ シャア!」

腰を揺らめかせて、声が高くあがる場所を数度軽く突く
すると、彼が堪らないと鳴き声を上げた。
甘いすすり泣きに呼応したかのように 中がさざめくような収縮を繰り返す。

ひどく気持ちがいい・・・

シャアは夢中で腰を動かした。
もう何度極めたかも分からないほど、ずっとアムロと繋がっている。
強く腰を打ち付けて、アムロの心地よい鳴き声を堪能しながら熱い肉の感触を楽しんだ。
・・・いや、もう感触なぞ無いのかもしれない。
打ち付ける度快感は背を這って、シャアに何も解らなくさせた。
下半身のどこから自分か、どこからアムロかさえ分からなくなる。

アムロの瞳から、過ぎた快感の所為か涙がポロポロとこぼれた

胸の方へと押しやっていた足が細やかな痙攣をくり返して、シャアに絶頂が近いと告げる
シャアはそれに気付くと、わざと殊更ゆっくりに腰を揺らめかせた。
もっともっとと忙しなくくり返す収縮に、ムチャクチャに突き回したい衝動に駆られたが、
この辺でゆっくりと、アムロを眺めながら味わいたいという欲望が生まれたのだ。

琥珀色の瞳が呆然と自分を焦点の合わぬまま見つめて大粒の涙を零し続ける。
もう、嬌声しか発しなかった唇がわなないて 何かを訴えるように赤い舌がちろりと覗いた

誘われるように、緩やかに腰を動かしながら唇を重ねる。
すると、腕を肩にまわして 手がもどかしいのだと伝えるように背中を引っ掻いた。

痛くはない
きっと爪が無いのだろう、

快感によって震えた体は力を失っていて、背中を引っ掻こうとする動きはまるで子猫だ。
その甘えるような仕草にシャアはとても嬉しくなった

「アムロ、気持ち良いかい?」

快感に飲まれてしまったアムロはもう言葉を理解するのは無理のようだ
恍惚の表情でただ自分を見つめながら涙を流し、切なげな甘い声をくり返すだけ
シャアはそんなアムロをずっと見ていたくて、少し動きを止めて上から眺めた。
流れる汗がポタポタと彼の上に降り注ぐ



欲しくて欲しくて焦れたのかアムロの腰が揺らめきだした
とたんに湧き上がる射精感にシャアは呻いて、強くアムロの腰を押さえる

「クッ、アムロッ・・・まだ、ダメだ。 フ、 ウッ、 ・・・もっと君と こうしていたい・・・」

シャアは持って行かれそうになるのを何とか堪えると、再びゆっくりと中を探った。
アムロの中はスバラシク良くて、もう何度彼の内に吐き出したか知れない。
違ったのは最初のゴムを付けた時だけだろう
後は半ば強制的に許しを得て、直に彼を味わっている

「あっ も、 ・・許して!! はっ あんっ アッ・・・ン 」

シャアは泣きじゃくる彼をとても愛しく思った。
体を繋ぐことが、こんなに気持ち良いとは知らなかった。
何故、こんなに心が惹かれるのか不思議だったが 解るのはこれを知ったら手放せないと言う事。
シャアは耳を甘噛みしながら低く良く通る声で彼に囁いた

「もっと、奥に欲しいかい?」

アムロからの答えは無い。
シャアは優しく中をさするように腰を動かしてアムロを見ながらふと思った。


(アムロは誰にでもこうなのだろうか?)


それは生まれて初めてのジェラシーだった。
彼が言った、”年配の客”の事が気になった。


・・・ 彼を、こんな風になるまで抱くのだろうか?
・・・ 彼に、優しい言葉でSEXを教え込むのだろうか?


悔しかった。
もっと早く出会いたかった。
自分だけを見て欲しいと思った。


激情のまま腰を突き上げる
激しく中をこねくり回すように動かして彼を鳴かせた

「ひぃっ!いっ あっ アッ アアッ あああ〜〜!!」
「アムロッ 私の名を呼べ、 シャアだ!! 呼ぶまで、イカせんぞっ!!」

焦らされすぎた体に、やっと欲しい快感を得られたにもかかわらず解放は許されない
根本を強くせき止めて、硬さを増した灼熱の棒で激しく中を掻き回される。

「フッ ウンッ あっ あっ、 イキたい!! い、 いかせてぇっ!」

ぼろぼろと涙を流してゆるく頭を振った。
もう何も考えられない

「アンッ アンッ アッ ・・シャア! あっ シャ・・」

瞬間、中へ出入りをしていたものの質量が増した
シャアの手によって前と後ろへの刺激が同時に奔る

アムロは自身の雄を痙攣させた。
くり返された行為でもう何も出なかった。

アムロは自分の中に新たなものを注がれるのをかすかに感じながら、意識をゆっくりと手放した。







しとしとと、早朝の街を霧雨が包む。
窓からは弱々しい光が差し込んで、部屋の中をうっすらと淋しげに染め上げている。
外は寒そうだが、暖房の効いたホテルの部屋は情事の間中すこし暑く感じた

シャアは気を失ったアムロの、濡れた睫毛に唇を落としてゆっくりと自身を引き抜く
アムロは深く意識を沈ませてるようで、もうピクリとも動く様子は無かったが、
まるで、シャアを咥えていた場所だけ生きているかのように収縮をくり返して
くぷりくぷりとシャアの注いだ白い液を零し出している。

・・・それを見たシャアは、また欲望に火が灯りそうになるのを感じた。

(まずいな、・・・一体、どうしたというのだ、私は・・・。)

これでは獣じゃないか、と独りごちて もたげ始めた熱を鎮めようとアムロの髪へ口づけをくり返す。
自分はこんな人間だったか?と疑問を心に問いかければ 記憶にあるかぎりこんな事は初めてだった。
・・・こんなに肉欲に溺れたことも、
・・・こんなにヒトを、愛しいと感じる事も。

シャアは軽く、乱れたベットを整えてからアムロを抱きしめて微睡んだ。
雨の所為で暗くはあるが、もう朝なのだ。
・・・・・もうすぐ彼は帰ってしまう。

(どうしようか、 ・・・私は君を、好きになってしまったようだ。)

少し冷えてしまった彼の体を強く抱きしめる
切なかった
・・・彼は仕事だったのだから。
甘い一夜の夢が覚めてしまう前に 祈りを込めて彼の額に口づける
(愛しているよ・・) そう、囁いて。
やがて泥のように疲れた体を睡魔が優しく包み込み シャアはアムロを抱きしめて眠った。








ザアァアアアアァアアァァアアア・・・・・・・・







・・・雨の音が  ・・聞こえる・・・?

目が覚めると、抱きしめていたはずの彼が消えていた。
悲しい喪失感に呆然としていると 目の前にローブを羽織ったアムロが現れる

「おはよう」

彼は私を見ると微笑んで、ミネラルウォーターのボトルを手渡す
もう一本ボトルを取りに行きながら、頭に被せたままのタオルで髪を乱暴に拭っていた。

先程の雨音は、シャワーの音だったようだ。
外の雨は、静かに街を濡らしている。


アムロの顔は疲れがにじみ、足を少し引きずって歩いた。
湧き上がる罪悪感に顔をしかめる。

「君に、酷いことをしてしまった。・・・許してもらえるだろうか・・・」

弱々しく呟いた私に、アムロはクスリと笑ってからおでこにキスをくれた。
グレイの柔らかなローブから覗くしなやかな手足が、シャアには目の毒だった。
慌てて目をそらす

「楽しかったよ、シャア。 良く、眠れたかい?」

と言ってもちょっとだね。 と彼は笑って許してくれた。
時刻は丁度、7時を回る所
アムロは服を身に付けるとシャアの顔を覗いて言った。

「じゃあ、俺 行くね。 貴方はもう少し眠れば?目に隈が出来てる。」

そう言って部屋を後にしようとしたアムロの手を、シャアはとっさに掴んでいた。
アムロは不思議な顔でシャアを見る。

「待って、欲しい。・・・君に逢うには何処に連絡を?」

シャアはこの言葉を絞り出すので精一杯だった。
思いを伝えるのに、まだ、時間も勇気も全然足りない。
好きだ、愛してる などと、この場で言うのは自分の思いよりも随分軽々しく感じるし、そう伝わるだろう。
だからもう少し時間が欲しい。
それにはまず、もう一度会う約束が。

アムロは少し考え込んでから、コートのポケットから名刺を出してシャアに渡した。
「お得意さんって、あまり好ましく無いんだけどね、」貴方は特別かな、そう言って笑った。

シャアは何故かな、と不思議に思った。
普通こういった仕事はお得意がいた方が好ましいのでは無いのかな?と
・・もしかして彼は行きずりの男が好みなのだろうか?とそこまで考えて
彼が金の為に仕事をしていると言うことを思い出した。
はっ!とある事に気づいて慌ててシャアは部屋に戻った。

「へ?お金ならいただいてるよ?」

シャアに握らされた紙幣の多さに、明らかにチップでは無いなと思い聞いてみる。
この100ドル札の厚さからすると、普段自分がいただいてるぐらいか、それ以上だろう。

「いや、君に無理を強いたのだし貰って欲しい。他人の世話で君を自由にしたなどと、
心苦しいにも程がある。何せ彼らはジョークで君を連れてきてくれたのだし、
それは君の正当な報酬だ、貰ってくれないか?」

ん、ありがとう アムロは一瞬寂しげな表情をしたが、すぐにシャアにニコリと笑って見せた。


「じゃあ、金髪さん 良い夢を見てね」


アムロはシャアに口付けをした
少し舌を絡ませる程度の。

それからするりと体を離すとドアの外へと消えた。 バラの花束を持って。


「君に、益々惚れそうだ・・・」


シャアはぽつりとそう呟いて、しばらく余韻を堪能していた。
ふと、テーブルを見れば そこに置かれた一輪のバラが目に入る
シャアは先程まで熱を分け合った彼を思って、バラを手に取り口付けて
それを手にしたままベットへ潜り、少し睡眠を取ることにした。


(良い夢が見られそうだよ、 アムロ)


ベッドから、ほのかに香る彼の残り香が シャアをますます幸せな気持ちにさせた。







11月04日     END







801が好きなのか?と聞かれたら
 はい、大好きです!とナチュラルに答えられるぐらいすきです。
・・・はい。わたしゃダメダメ人間にございます。
この話はですねぇ、大大大好きなサイトさんに掲載されていた、
【モデルシャアと大学生アムロ】に影響されまくって書きました。
その小説はほのぼのしててとっても素敵なのに、何故自分が書くとこうなるのか・・・
何がなにやら・・といったかんじです。(猛省)
苦情ご意見受け付けます。色々嘘も多い文章なので、皆さん、眉につばつけてお楽しみ下さいね。



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