夢−5− 「寝不足とはだらしない。」 「そうだな…本当に、そうだ…」 「ふむ。元気が無い…重症か」 「なぁ、シャカ… 俺に何か変な怨霊とか付いてないか?」 「とくには」 「そうか…」 教皇宮に顔を出しそんなやり取りを終えるとすぐさま問題の神官3人を捕らえて連れて来るように命じる 奴らが来る前にシャカに刑罰に付いて聞いてみる。…予想は、付くのだが一応。 「これだけ長い間聖域を謀っていたのだ。死、有るのみだろう」 「……そうか」 「左遷で済む話ではない。また、そうせぬと前の時との示しが合わなくなる。」 「前の時…?」 「前は今より酷くてな、皆で頑張った。…まあ、多少荒っぽくはなったがね」 ? ああ…そうか シャカとムウの前の日のやり取りを思い出した。 前というのは女神が戻った辺りの事だろう、きっとその時に聖域の大改革をしたに違いない。 執務にあたって分かったのだが俺の知っている聖域と微妙にイメージのズレがあった。 …微妙に風通しが良いのだ。 居心地が良い空間で無いにせよ、自分に風当たりが強いにせよ、あの理不尽さに塗れたドロドロした厭な空気が殆ど無かったのだ。 そうか、これを、こんな短期間にコイツらだけでやったのか! 凄いな、本当に…凄い。 俺はここが死ぬほど嫌いだったし、壊そうとばかり思っていた。復讐してやるとずっと恨んでいた それが、こんな変え方もあったのだな…。ああ、負けた、お前達には本当に。 「特に神官は刑罰も戒律も重い。…なのにこういう馬鹿は後を絶たん、ほら噂をすれば」 教皇の間に引っ立てられた3人の神官が鎖に繋がれて雑兵達に前へと押しやられた。 「ひいいい、何かの間違いでございます。私は何もっ」 「これは、何なのだ!詮議もせずに私達を裁くなどと…」 「お慈悲を…お慈悲を、お慈悲を〜〜〜〜ッ」 「…黙れ!」 口々に喚きだした神官にシャカが一喝をするとさすがに奴らはピタッと口を閉ざした。 「詮議をお求めか、ならばカノン 証拠を彼らに見せてやるが良い」 言われた俺は、奴らに証拠の記録を響かせてやりこれがその証拠だとおざなりにだが見せてやった。 「…分かったかね、君らも知っての通り聖域の掟は 君たちに死を望む」 そう宣言されると罪人の一人が喚き立てながら鎖をじゃらじゃらと鳴らして暴れ出した 「わ、わ、笑わせる、異教徒の教皇が私を裁くだなどと!可笑しさに片腹が痛いわぁッ!!」 はははははは!と嘲るように笑う神官、それに釣られてもう2人も喚きだした。 「…そ、そうだ!改宗をせぬそやつが教皇などと認めるものかッ!」 「そうでございますッ彼は臨時の代理!せめて本物の教皇が付かれてからお裁きをッ」 そんなもの認められるはずも、ましてや違う教皇だとて刑は変わらないだろうに。 「愚か者共、喩えこのシャカが裁きを下さなくとも君たちは地獄へ堕ちる運命だ。諦めたまえ」 シャカは余裕でそんな事を言ったが だが、気分が悪くなったのだけは良く分かった。 いや、これは悲しみなのだろうか? シャカの漏れ出てしまう色鮮やかな華々しくもあるあのコスモが。 不意に悲しい色合いになったような、そんな感じがした 『シャカ…?』 『ふん、くだらぬな…』 ついつい念話で話しかけてしまえば大丈夫だといなされる。 だがその神官達はまだまだ言い足りないとギロリと俺を睨んで喚いた 「私が何をしたぁッ!…ほれ、そこに大罪人がおるではないか!そいつは裁かんのかっ!?」 「そ、そうでございます!私達よりもその、カノンはもっと大罪人ではございませぬかっ」 …ギクリとした。 それは、受け入れたくない、認めたくないもっともな真実だから。 「おかしいだろう!私はちょっと金を弄っただけじゃないかッ!それなのに大災害を起こしたそいつは無罪放免だなんて!」 確かに…金を横領した人物と、大災害を引き起こした元凶。比べるまでもなく俺が死刑でヤツらが禁固刑辺りが妥当だ。 だが、それをここで肯定するわけにも行かない。 でないと俺だけでなく、聖域の面子が立たなくなる。 聖域の掟とやらに縛られてまとまっているこの集団が、瓦解する。 「そいつを、そいつを引っ立てろ!何万人と殺した大罪人がそこに我が物顔で立っているぞ!」 「…黙れ、カノンは君たちとは違う」 「何が違うか!そちらの方が罪が重いに決まっているのは明らかだ!!」 ああ、そうだ。お前の言う通りだよ…。だが、どう黙らせる? 当事者の俺にさえ答えられない質問なのだ。なぜ俺は無罪放免なんだろう 「もう良いッ 連れて行きたまえ」 シャカが苛立たしげに吐き捨てた。 だが神官共は足掻きながら鎖をじゃらじゃらと鳴らし雑兵に抵抗しながら叫びだした。 …最悪だ。なぜ神官とはいえ罪人3人に対し2人で当たる? 俺はもう何人か雑兵に当たらせようとしたが場が飲み込まれてしまって合図を見落とされた 死が決まっている彼らにもうに怖い者などない。彼らは引き摺られながら喚き立てた。一種の混乱状態 取り押さえていた雑兵も戸惑いながら黙れといなすが、そいつらは暴れながら言葉を続ける 最悪の空気が辺りに充満していく。ああ、すごく不味い… 「私が処刑でそいつが無罪!馬鹿らしいっ!異教徒が教皇!!聖域は潰れるな、ははは!あははははは!!」 「ほうれ、この聖域は無法者どもの巣窟と化したわっ!私らを裁く権利など微塵も無いッ!」 「そうですッ今の聖域はおかしいのです!こんなの、こんな不公平は長く続かないっ!!」 …バン! その時、教皇の間のでかい扉が開かれた。 はためく黒衣に紅い縁取り、その長衣の裾を乱暴に蹴り上げてツカツカと中央まで歩くと ふわっと深紅の淵を綺麗に閃かせ恭しく片膝を付いて見せた。 入ってきたのはミロだった 「失礼いたします。無礼とは思いましたが、聞き捨てならぬ言葉を耳にいたしましたので」 玉座のシャカへ跪くミロに場の空気が一気に飲まれた それに、良い と完結に返事を返すシャカ。 するとミロは後ろを振り向き良く通る声で奴らに尋ね始めた 不遜な笑みで見下ろしながら。 「おや?続けぬのか、罪人。喚けるのも今の内だぞ…存分に喚くがいい」 「み、み、ミロ様!わ、私は納得出来ないッ!何故私が死で償い、そやつが…」 「そうでございますっ!もう一度詮議の場をっお慈悲を貰えても良いはずです」 「あ、あああ…蠍座様、私は悪くない、ちょ、ちょっとした出来心で…」 ミロを見たそいつらはガタガタ震え出していた 何故?…あんなに俺達には不遜な態度を取っていたのに、何故、今更怯える? にぃっと口元を吊り上げたミロ、それにこの場にいた者達の息を飲む音が聞こえた。 ミロがそいつにら近寄って、「当たり前だろう?」と良く通る声で言った。 「女神が決められた事だ。お前は神の采配に逆らうか? ドラコンを知らぬ訳ではなかろう、神官のクセに。さすが罪人…考えまで俗に墜ちたか。」 「ですがですが!ならば私も女神にお目通りをッ!私に慈悲があったって…」 一人の女々しい神官がミロに縋ろうと手を差し伸べた。だが、 「…この、阿呆がッ!」 ミロがそいつの胸を容赦なく蹴り降ろす。 繋がれていた罪人2人もとばっちりを食って後ろに転げた 「何を抜かす!貴様ら、先程までカノンを、教皇を、愚弄していたでは無いかッ」 「ですがそやつは異教徒でっ…」 「そ、そうです!カノンは私達など及びもしない…」 「まだ言うかッ!お前らは女神の決められた代理を面前で愚弄しただけでは収まらず、そのお慈悲にもケチを付けたのだぞッ!?」 ミロが苛立たしげに一人の顎を蹴り飛ばした。 「うぎゃぴぃッ!」 先程胸を蹴られた神官は咳き込みながら口から血を吐き出している 「カノンは聖戦で名誉を挽回した功績がある!他の殉死した者達もだッ!忘れるなよ、この…クズがッ!!」 「ひいいいっ…ひいいいい!」 「今、こうしていられるのは女神と幾多の聖闘士のお陰だと言う事を忘れた、この大馬鹿者がッ!」 「ぐぎゃッッッッッッッッッッ!!!」 もう一人も度蹴り上げて今度は罪人に付いていた雑兵達をミロは睨み付けた それに一気に青ざめた彼らは地に頭を擦り付けてひぃひぃと情けなく悲鳴を上げる 入り口に立っていた雑兵にも凄みを利かせて睨み付ければ彼らも一気に身を竦ませて跪いた 「貴様らも貴様らだ!神聖なる女神の膝元で罪人の世迷い言を響かせるなどなんたる事か!」 「は、は!ひ、ヒィッ…」 「…お、お、お許しを!」 ミロが雑兵に怒鳴り散らすと、平服しながら震えまくる彼ら 罪人の神官共はただただ震えて縮こまった ミロはその一人の威勢の良かった奴を引き摺って無理矢理顔を合わせると 「貴様のような逆賊が女神に拝謁だと?許しをだと?笑わせるなよ…?」 「ひ、ひいいいいいいいいいいいいいい!!」 ミロが酷薄に笑った。 そいつの顎をつかんだまま片手で軽々と持ち上げていく。繋がれた2人もそれに引き寄せられた 持ち上げられた神官が体が哀れなぐらいに痙攣を始める 「お前達は神官、我らは戦士、分を超えた行いは等しく裁かれる。立場の違いを思い出せ…」 「ひ、ひぃひぃひいいい〜〜〜〜お慈悲を!ど、ど、どうかお慈悲をぉぉ〜〜〜!!!」 「…無理だ。友を愚弄した事を俺は許さぬ、その事を貴様らは存分に味わうだろう」 …嬉しいか?とミロがひとりに顔をよせて残酷に笑った。 それに白目を剥いて失神したなよっとした男。蹴り上げられて呻きながら気絶した者 そして掴まれていた奴は泡を吹いて動かなくなった。死んだか生きているかは不明。 ミロはそいつを放り投げて教皇の間にいた全てに対して怒鳴り散らした 「…良いか!二度と女神の膝元でこのような行いを許すなッ!二度とだッ!! 貴様らも嘲るような言の葉がそのお喋りな口に少しでも昇らぬように気を付けろッ!耳に入れば、俺は容赦などはせぬッ!」 「…ミロ、それくらいにしたまえ」 言い終わると同時にシャカが諫める感じで静かに声をかけた。 見事なタイミングだった。これは示し合わせでもしていたのか?…いや、そんな時間、無かった筈だ ミロは裾をばさりと振り払って怒気をかき消し、シャカの前に静かに跪く どこか優雅な、先程までの荒々しさがふわりとかき消えた見事な仕草 それはまるで作られた劇でも見ているかのような一場面で。 俺は呆気にとられながら、ただミロを呆然と見た 「出過ぎた真似をいたしました。お咎めはいくらでも」 「…よい。きりがない」 「は…私も気を荒げぬよう今後努力いたします。…で、こやつらの処罰は?」 ふう、とシャカはため息をついて 物憂げに頬杖をついてミロに顔を向けた。 「決まっている。…が、君の意見を聞こう」 その言葉にさらに酷薄な笑みを見せたミロ 「俗物は聖域には似合いませぬ。即刻に追い出した後、帰還させれば良いかと。」 一瞬静寂がざわりと高鳴る。 俺には分からない、重いであろう処罰が下されたようだ。 俺以外の意味が通じているらしい従者や神官達がぴりぴりと緊張し息を飲んだのが分かったのだ シャカが重く息を吐いて、じっと何かを考え込んだ後 「そうするか。馬鹿には似合いだな …連れて行け」 と罪人を捕まえている雑兵達に下がれと軽く合図を送った。 ミロが実に嬉しそうに笑う。それを見て、俺は本当に参ってしまった。 (……ああ、クソ… お前、ちょっとかっこ良かった。) 俺はミロの場を収集した鮮やかな手腕に見惚れていた 俺やシャカが場を収めても、不穏な空気やら、色々な物が後を引いただろう それをミロが悪役を買って出て収めてくれたのに胸が熱くなっていた。 「それで蠍座のミロよ、私に何の用だったのだね?」 「…は。12宮の修復状況の書類をお届けにと。工事は補佐官殿の妙案が功を奏し、着々と進んでおります」 「ほう」 それに出来すぎたフォローまで入れてくる。それはちょっとやり過ぎだろ、お前… ミロはそんな俺と目が合うと、小さな動作で悪戯っぽく にっと笑って肩を竦めた。 やばいな、お前に惚れちまいそうだ… いや、違う。 もうとっくに惚れていたのだ。 「では、謁見はもう無いな…皆の者、下がるが良い」 シャカがミロと俺を残して人払いをさせた。 ミロがさっきの態度は何処へやらフランクに ほい、書類 などと言って数枚の紙を手渡してくる ああ、クソ… 好きになったのを認めたくなくて、悪あがきしていたんだ だから変な夢を見た? 分からない。だが… 「何だ、シャカ お前が言われっぱなしなんて珍しい。聖戦が終わって丸くでもなったのか?」 「フン、立場が変われば対応も変わるもの」 「お、毒舌大王の座をついにムウに譲るか。ふふふ、カノン茶番劇少しは楽しめたか?」 ふん、と偉そうに鼻を鳴らしたシャカに、きょろりと目を悪戯っぽく動かしたミロ ああ、そうか。前の時もこんな感じで仕事をこなしていた訳か。 「少々肝が冷えたがな」 そんなふうに返して、楽しませて貰ったよと俺は笑って見せた。 ああ、本当に大した奴らだよお前達は。 「では、ちょっとミロと二人だけの話がある。カノンよ 先に食堂へ行っててくれたまえ」 「何だ、俺抜きで悪巧みの相談か?」 「ん、まあ、そんな所だ…」 じゃあ手早くな、と其処を後にしようとしたとき、 ミロがすれ違い様に こんな事いちいち気にするな? と俺の耳元にほんの小さく囁いた それに甦る、前に砂浜で言われた絶対助けるという言葉。 なんだか胸が熱い…なんなんだ、この感情は 気にしていないと態度で虚勢を張って、教皇の間の扉をそっと閉じた。 ……ああ、そうだ。 認めてしまおう… 俺の心は お前に捕まってしまった。 今、この瞬間 はっきりと分かった ミロ、お前に 俺の心は 捕らわれてしまったんだ。 執務室の壁にごん、と頭をぶつけながら身体を持たせ掛けてずるずるとそのまま座り込む ミロに心を鷲掴みにされていた。 ぎゅっと掴まれて、もうこれは逃れられそうにない でも、それがこんなにも嬉しいなんて ああ、俺…がんばれる お前に会えて良かった、道を示してもらって、信じてきて良かった。 なじられようが、責められようが、辛くないことは無いけれど でもお前が居いるから、辛くも孤独でも無い。 やがて3人で食事を取っている所にムウがやって来てポンポン飛び交う応酬を楽しむ。 ミロが本来の仕事に戻る前に外出届けを出していた。…もう、避けることはしない 自ら近寄り、ミロの声を、その存在を甘く感じながら過ごす事に決めたから。 「? ミロ 3日も外に何をしに行く」 「あ、ミロス島にちと修行しにな… 内緒だが、休暇も兼ねてる」 成る程な、だから行き先が未記入なのか。そう言えばミロはミロス島出身だった お前痩せたらしいし、良い機会だから身体戻して来い 「土産期待しているぞ?」 「あ〜〜無いから。そういうのは無い」 それは残念だと大げさに言えば、ミロがその辺のリンゴぐらいなら買った来てやるよと笑った。 でも、あそこに身内でもいる…のか? …、それは…、どうだろうか。あり得ない でも、実家に帰るのか。それだけで休まる事も有るのだろう それから、午後の執務はムウも交えての仕事の洗い直しを続けた。 また一悶着有るだろうが、今度は俺もやられっぱなしでは済まさない そう考えると少し楽しくて、仕事も一段とはかどった。 そして夜 その日もまた夢を見る シーツの海に ミロと2人 裸でじゃれ合いながら、笑っていた。 夢でも、お前を目にするとなんだか切ない ぎゅうと締められるような心臓の辺り こんな気持ちは初めてで。 『ミロ…』おれは夢の中で優しくミロの髪を撫でる。そして捧げるようなキスの雨を うっとりと微笑んで目を閉じる彼 俺も微笑んで唇を重ねた。ただそっと触れるように。 ああ…そうだ もうこれは逆らっても無駄なのだ… 『カノン…』低く、耳に残る声。 もっと聞きたくてそっとそっと触れていく 髪をかき分けて耳に 頬に 顎に 喉に… ミロはくすぐったそうに笑って 俺がしたようにキスを真似する 逆らっても無駄ならば、受け入れてしまえばいい… 流れに身を任せて… 子供のような戯れをして 額を合わせてまた微笑み合って こんなに満たされた事なんてない こんなに好きになった事も ミロ、ミロ、ミロ… 好きだと繰り返し 体を重ねて体温を感じ合う 夢の中… だけならば… だけだから… 許してくれるか? 『お前の幸せを祈っているよ』ミロが俺の髪に手を絡ませてそんな事を言ってくる 夢でまでそんな事を言う… どれだけ俺はお前に夢を見ているのだろう… 俺はどれだけ、お前の事が好きなんだろう… 縋るように指を絡める 好きだとバカみたいにくり返して、甘い声を上げさせる… …そう。俺はお前が好きなんだ…こういう好きかは、……分からないけれど。 『ああ…カノン…』ため息のような声を出して、ミロが誘う 俺はそれに抗えない… 月を目印に飛ぶ蛾のように 蜜に誘われる蝶のように だって、もう捕らわれている。 あの時に、あの時から、これからも、ずっと…… 果てそうになって目を瞑る 目の裏には真っ赤な世界 お前の色、お前の世界 ああ…俺はなんて幸せなんだろう… 『あの時から、俺の命はお前の物だ…』 夢なのだから… 夢なのだし… 夢、だけでも。 ミロ お前を愛してもいいか? 愛おしさが高まった瞬間 ミロがぱちゃりと溶けて無くなった。 世界が薄桃色をしたミルクの世界 俺は幸せに満たされてゆっくりと海に体を浸す ミロが世界に溶けて、俺にゆっくりと染みこんでいく… ざあっと飛び立つ大きな朱鷺の群れ ミルクの海から一斉に飛び立って羽根を散らす 甘い桃色の羽根が海に沈んで甘い砂糖菓子になっていく… 気が付けば俺の体も甘い砂糖菓子になっていて これでいっしょに溶け合えたと幸せに包まれた。 目が覚めると満たされた感触がした。 下半身は無事。そう、みたされたのは心 もう、認めるしかないな とため息をついてちょっと笑った。 男が男に思われてきっと迷惑極まりないだろうが。 「ミロ、悪いな… ちょっと手違いだ。 お前が好きかも…」 こっそりの告白にも赤面 耳まで熱い。 俺は年甲斐もなく何をしてるんだか、と苦笑い。 でも、偽れぬこれを認める事にした。 知られぬように 慎重に胸に秘めて こっそりと彼を思って… 幸せに浸ろうかと、もう一度眠った。 それからはゆっくりと眠れるようになり睡眠不足は解消する。 時たま夢にミロが夢に現れていちゃつく時もあるのだが… それはそれで、美味しく楽しむ事にした。 END |
やっと夢が終わりましたね、この話はカノンがミロへの思いを自覚するまでのお話でした。
でも自覚しても茨道(笑)だって顛末がアレですからね!はい、ワタクシひぐらしファンなもんですから!!
ドラコンは等しく『罪には死を』という古代ギリシャの法律だとか。生かじりなので断言は出来ません(汗)でもそんなニュアンスだったような??
さて彼らの日常はどうなっていくのか!?もうすぐクエスチョン突入近しですっ!
(あ、でも独りよがりなQなのでそこの所申し訳無いです)あまり期待されると痛いかもです(苦笑)
ミロを見て怯えた罪人達の態度とその末路。
シャカとミロのやり取り 重い刑罰とは?