still waters run deep 2 ふわり、と音もなく花が落ちる サガはそれを拾った。 野山に咲いていたであろう百合の花。まだ蕾が綻んだばかりの山百合 自分の教会の私室に入ったサガを迎えたのは空を緩やかに滑空する天使アイオロス 彼は天使らしい満面の笑顔で、サガにお帰りと声をかけた それにサガは慈愛に満ちた微笑みで返す。神の似姿と呼ばれるに相応しい笑みで 「アイオロス、来ていたのかい」 「ああ、ちょっと野暮用で。ん…サガ、血の匂いがしないか?」 血の匂いは多分弟の、そしてロスの野暮用はきっとあの可愛い悪魔… 「そう?…ああ、今日ね お病気の方にお祈りを捧げに行ったからその所為かな」 「そうか、サガは優しいね」 「ふふ、当然の事をしただけだよアイオロス」 何食わぬ顔でサガはアイオロスとお茶を楽しみ、緩やかな一時を過ごす。 そう、別にアイオロスが嫌いでこのような仕打ちをしたわけではない。 むしろ彼が好きだし、欲している。ドロドロと、粘着質なぐらいに恋慕している だが、それをおくびにも出さずに彼と清廉な空気を楽しむ。 腹の中では輝くこの天使をグチャグチャに犯し、汚して堕とす想像をしていても。 「あ、やば…俺、そろそろ行くな。じゃあ!」 「また来てくれよ、アイオロス…」 そう、自分は強欲だ。何もかもが欲しい…全部、全て、欲するものは手に入れる アイオロスが消えると同時に馴染みの気配、柱の影から悪魔が笑った 「アイツものんきな奴だな〜、その内サガに喰われるとも知らずに」 「ま、いいんじゃない?アイツもきっとサガに気があるんだし」 「サガ…見知った気配がする」 3人の悪魔はサガの使い魔。デスマスク、アフロディーテ、シュラだ。 彼らは慣れた手つきで茶を用意し直すと席について雑談を。サガもニコッと笑った 「今日可愛い悪魔に逢った。ミロって言ってね、カノンに取られてしまったよ」 「げ、アイツカノンに捕まったのか…可哀想にな〜」 「知っているのかい?ああ、君たちと同じ上級悪魔かな?中々の魔力だったよ」 欲しくなるぐらい、とサガがゾッとするような笑みで自慢の白皙を彩った。 それにデスとアフロは、はぁ…とため息を付く。彼の病気は良く知っていた これは近いうちにミロも喰われてしまうか、二人はカノンが守れるか賭をした この自分達が仕える面白い神の御使いは欲しくなった物は必ず手に入れる質だ。 それが悪魔だろうが、天使だろうが、手段も倫理も厭わない。 それが楽しくデスマスクは契約をしたし、その美しい容姿と魂にアフロディーテは籠絡された そしてこの2人と友であった堕天使のシュラは半ば成り行きで。 もちろんこの事を、笑顔の眩しい天使アイオロスは微塵も知らない。 きっと悪魔と契約しているなどと思いもしないし、知ってもすぐに信じはしないだろう それぐらいサガは狡猾で嘘の上手い男だった。皆、この笑顔に騙されるのだ。 「ミロか、懐かしいね。…シュラ?」 「ミロ……参ったな、こちらに来てしまったのか」 カミュが何と言うか… 渋い顔のシュラに2人はケタケタと笑った。 それを面白そうに黙って眺めるサガ。カミュとはシュラと共に堕ちた堕天使だ。 アフロディーテの入れたローズティーの深紅に弟が手に入れた悪魔を思い出す さて、面白くなったなとサガが神をもとろかす笑顔で皆に笑いかけた (END) |
さて、ミロはサガにまで食べられちゃうんでしょうか??そしてロスも喰われちゃうんですかね!?うふふv
ウチの表のアイオロス兄さんは超ドヘタレなのでこちらでぐらいはと格好良くいたしました。
やはり彼ほど天使が似合う人物はいないかとv
ワタクシ天使とか悪魔とかぜんっぜん知らんクチなので無茶苦茶やります。
ですから苦笑しながらお楽しみ下さいませ〜☆