深夜。今日も教皇宮で執務に励むデスマスクは帳簿を見ながらう〜んと唸っていた。
そこにサガの自殺を止めてきた(聖剣で首つりロープをぶった切ってきた)シュラが唸るデスマスクに声をかける
シュラ「…デスマスク、まだ残っていたのか。ん…それはアフロディーテの仕事じゃ…」
デス「けっ!あのオカマが元々こんな仕事出来るわけねぇ〜からな。いつもアフロが爪弄ってる間に俺っPiがやっていたのよ!」
シュラ「…そうだったのか。で、そのアフロディーテの姿が見えないのだが…」
デス「アイツか?あいつ今俺っPiの所に居座って 何か文章打ち込んでがる。迷惑この上ねぇ〜たら」
シュラ「そうか…(…それにしては嬉しそうだなデスマスク)」
デス「たく、あと一時間後にアフロに夜食喰わせて寝かせなきゃなんねぇ さっさと仕事終わらせないとと思っちゃいるんだが」
シュラ「(相変わらず無駄に面倒見の良い奴だ…)…そう言えば帳簿を見て悩んでいたようだが…」
デス「ああ、予算がな〜 足りないのは分かっちゃいるんだが、もっとこう、締めるトコシメねぇとにっちもさっちもいかねぇだろ?」
シュラ「………うむ。(俺には良く分からないがとにかく返事をしておこう)…で、何が気になるんだ?」
デス「ああ。このさ、雑費が何か以上に高いんだよ ン?何だコレ、ユフインノユ?クサツノユ?何か分かるかシュラ?」
シュラ「……………、ああ!分かった。………それはきっとオンセンノモトという奴だ」
デス「オンセンノモト?なんだそりゃ」
シュラ「……………湯に入れる奴だ」
蟹「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その時首にくっきりロープの痕を付けた湯上がりのサガが上機嫌に執務室に戻ってきた
サガ「ふ〜〜〜、良い湯だった」
デス「・・・ちょっと待て(怒)おいサガ!てめぇこの数字見て見やがれ!!何が良い湯だこのやろうっっ」
サガ「どうしたデスマスク。深夜に大きな声で迷惑この上ない」
風呂で命の洗濯を終えたサガがゆったりした足取りで帳簿を覗き込む
それに苛立たしげに蟹が雑費の一部を指し示した。だがサガはああ、これか。と何の反省もない
デス「これかじゃねぇ〜だろ!?何だこの馬鹿高い湯に入れる変な粉は!!今すぐやめろっPiふざけんなッ」
サガ「な!?…貴様は温泉の尊さが分かっていないようだなデスマスク!今すぐその言葉を取り消せ」
デス「うるせぇっ!教皇宮の風呂場のでかさを考ろ!!しかも毎日毎日湯を張り替えやがって!エコって言葉を何だと思ってやがる」
サガ「う、煩い煩いっっ!!私は風呂のみが生き甲斐なのだっそれを貴様は奪うのか!?」
デス「何も奪おうって言ってないだろうがよ!それに前にもこの口論した時安いバスクリンなら入れて良いって言ったじゃねぇか!!」
サガ「…………………蛍光色は好まぬ」
デス「ああああ〜〜〜〜〜〜っっっ!!シュラッ気が狂いそうだ!!お前からも何か言ってやってくれ!!」
シュラ「…………………サガ、無駄遣いは良くない」
サガ「……………………………………………………っうう」
サガが身も世もなく泣きながらその場に崩れ落ちた。それにデスマスクは青ざめる
そう、この場合 サガのもう一人の人格(黒サガ)が出てきた方が何故か幾分か収拾が付いたりもする。
だがこのサガ(白サガ)が泣き濡れると質が一層悪かった。
サガがメソメソと泣く 私など小さくなって死んでしまえばいいのだな。お前はずっとそう思っていたのだな。とか言い出して泣いた
そんな事思ってたらここまで面倒見ねーよッ!と蟹は心の中で泣いた。
泣き濡れた。何十年もこの手にやられた蟹だった。シュラが温かい瞳で二人を見守った
蟹「あ〜〜〜〜〜〜ックソ!!分かった、わ〜ったよ!!泣くんじゃねぇっオンセンノモト?入れればいいっPi!だけど少しにしろよ?」
サガ「うううっっ〜〜〜〜〜ううっ(こくっ)」←サガ泣きながら頷く
蟹「安いのにしろよ?大手メーカーのとかじゃ無くてパチモン臭い奴で十分。値切れ、買いたたけ。中身はきっと一緒 そう信じろ」
サガ「ううううっひっく!ううう〜〜〜〜っっ(こくん)」(←サガ、ちょっと不満そうに頷いて見せる)
蟹「あ〜〜!クソっ話はそれだけだ!ちっもうこの時間か…シュラ、後頼む。アフロに飯やりにいくわ」
シュラ「…分かった。任せておけ」
もう一度風呂に入り直すサガをシュラに任せたデスマスクは巨蟹宮に戻り一心不乱に文字を打ち込むアフロディーテに夜食を作った
それから目をギンギンにさせつつ燃え尽きたアフロを風呂に入れて寝かしつける。
それらの作業を終え後片付けを終えたデスマスクは経費の洗い直し、そしてやはり避けては通れぬ新たな予算の獲得を考えた
そう言えば昔もこうだったなァ〜と偽教皇時代の暗躍を思い出したデスマスクははぁ〜とため息を吐いた
サガの(偽教皇の)正体をうっかり知ってしまった後、あんまりにも泣きまくるサガが哀れで荷担して。
で、蓋を開いてみた聖域台所事情。借金だらけの火の車。
それはどうやらサガの所為だけじゃなく、教皇生存時代からの負の遺産だったようで。
ずっと踏み倒していた記録も発見。その記録は260年前にも及んでいた
デスは目眩がした… 自分達は何と質の悪い集団にいたのかと。
で、一念発起。一人では無理だとシュラやアフロに泣きついて…
デスマスクは微笑んでいた。自分の寝室からアフロディーテの歯ぎしりが聞こえた。はだけた布団をかけ直してやるデスマスク
そう。皆予算の獲得に奔走した だから今の聖域があるのだとデスマスクは胸を張っている。それが誰にも知られなくとも。
まずアフロディーテは『ダイヤモンド!ダイヤモンド掘っちゃえばいいよ!』とか抜かした。本当に掘り出してきた時には度肝を抜かれた
シュラ『油田…油田を手に入れれば良いのでは…』とか抜かした。本当に聖剣で掘り当てて来るとは思いもしなかった
白サガはただ泣いてばかりいた。ただ、慈善活動はまめにしていたので寄付金を結構集めてきた
黒サガは『金など天から降ってくるわ!』と抜かした。だが女を侍らせ本当に降らせた。女共は世界的な資産家ばかりだった
で、デスマスクはと言うと。良く勘違いされがちで誰かを殺して奪った等と思われがちなのだが実は。
『この予算いらねぇ〜だろ!雑兵は雑魚寝だ雑魚寝!風呂だぁ?井戸水浴びてやがれっ!』予算の削減 備品の節制
『お!核爆発?世界的危機?おー、行け行け!アイオリア行かせてたんまり報酬頂いて来い!!』予算の獲得
『何!?金持ちジジィがトチ狂って子供100人聖闘士に?おし、引き受ける代わりにたんまり謝礼頂くぞ!』予算の獲得。
そう、地味だが現実的に着実確実に聖域を潤そうと努力を怠らなかった蟹だった。
そして今彼が考える地道な予算獲得は…
次の日ー教皇宮ー
蟹「なぁ〜女神、アンタが読みたいカップリングとかってあるか?あ、ミロ受けでな、今流行りだから。で、どんな奴が好みだ?」
女神「…なんですか急に。そうですね、ミロですか。サガミロかしら?鬼畜な感じのが読みたいですけれど?」
蟹「あ〜鬼畜なぁ〜。あんま鬼畜だと雑兵受けわるいしなァ 因みにお前はどんな受けが好きなんだっPi?」
女神「言葉を慎みなさいね蟹。そうですね、お決まりですが眼鏡を外すと美少年。とかが好みですね、あと今はまってる漫画が…」
蟹「ふ〜ん、ちょっと見せて貰っていいか?“ヨシナガ○ミ”“西洋骨董洋○子店”…のドウジンボン?お、こいつすげーでかいのか」
女神「うふっ☆エロが沢山で良いのですvやはりこの辺濃厚でないといけませんね。ねちっこさって大切じゃありません?」
蟹「う〜ん、ねちっこさねぇ…(メモメモ)で、あと何かあるか?」
女神「あ!コレも結構いいんですvあまりエロじゃありませんが…」
蟹「“君○ペット”モモ…ふ〜ん、ま、ピッタリっちゃピッタリかぁ〜。サンキューな!」
女神「????」
リサーチを粗方終えた蟹は、今日も帳簿を睨み、備品をこまめにチェック&手入れ。チラシでメモ帳を作りつつネームをひねり出した
教皇宮の掃除を終わらせ、粗筋を仕事場のパソに打ち込む。そして風呂上がりのサガにこう告げた
蟹「サガ、今回の赤字予算にはアンタも関係しているからな。悪いが犠牲になってもらうぞ?」
サガ「????」
それからは夜なべして本作り。いつもの執務、オーバーワークに加え廃人(笑)アフロの世話。ミロの世話(←飯をたかりに来る)
俄にやつれていく蟹をシュラは首つり用ロープを切りながらそっと影で見守った。
さて、蟹の本は出来上がり中々に売れ聖域台所事情を僅かに潤わせた。だが…
サガ「♪〜〜♪〜〜」
今日、教皇充てに段ボールの山が届けられる
段ボールには『登別カルルス』とか書かれてあった。それをまだ蟹は知らない
※割れたお鍋にお湯を注いでも味噌汁作れんよという話。…か?我が家の蟹は悲しいくらいに良いひとになってます。
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