「ムウ、ムウ!ちょっと、読んでみてくれないか?」
白羊宮に現れた大男の願いを、ムウはその手に持たれていた物を見て了承した
「今、お茶を入れますね」
弟子の貴鬼はゴクリと喉を鳴らす
透視能力でのぞき見た箱の中身は、イチジクのタルトだった!!
「カミュ、……時間だよ、………教皇様が呼んでる」
「…………いやだ…」
まだ幼さを残す魚座のセイントが、遠慮がちに だがはっきりと更に幼い水瓶座の子供に呼びかけた
それに水瓶座のカミュはシーツにくるまってじぃっとアフロディーテを見上げた
白いシーツから覗く真っ直ぐな水色の髪をぱさぱさと鳴らして首も振る
だけれどそんな拒絶は無視された
ぎゅっと小さな小さな手に掴まれたシーツが皺を深く残した
「……………いやだぁ…」
お日様が傾き 雲を黄色く輝かせて沈む頃 カミュは教皇宮で沐浴を
その幼い姿態を 無垢な心を 教皇シオンの寝所で幾度も幾度も散らす為に
「アイオロス…な、何て事を!!」
サガが狼狽えて、ぐったりしながら泣きじゃくるミロを守るように抱えた。
信じられないと睨み付けるサガの視線の先には 肩を竦めるアイオロス
「いずれ誰かに犯られるんだ 俺が先に頂いてコイツは俺の物だって皆に分からせた方がさ…」
「ロス!お前…この子が幾つだかッ」
「おいおい、だからだろ?ミロだってこんな容姿なんだし、ヤリ殺されるような経験するよりいいじゃないか」
「だからと言って!もっと他にやりようが…」
「お前だってシャカを弟分にしてるじゃないか。あ、シャカは犯り殺されそうになった後だっけ?」
苦い顔のサガにアイオロスは笑った ミロが身じろぎ青味の強いクセのある髪がサガからこぼれ落ちてしまう
サガの抱いた幼いミロの体には白い飛沫と無数の鬱血の華 局部からは鮮血と白濁がこぼれ落ちていて
サガは震えながらミロを抱きしめた。それは悲しみなのか怒りなのか、そして誰に、何に対するものなのか。
アイオロスが嘲笑する それは本当はサガに向けられたものなのだろうか?
「お前も大変だったよな、夜な夜な変態共のオモチャにされてさ 生きてるのが不思議なくらい」
俺もな、との声はサガには届かない
まだ怒り震えながら人馬宮を後にするサガにアイオロスは大きな声で叫んだ
「また明日もミロを呼ぶから。隣宮だし、俺のだと知らしめなきゃ意味がない」
ギリシャのたいようが低くなってあかく燃え落ちる頃 ミロは必ず人馬宮に連れ込まれた
幼い幼い体にくり返される 大きな杭を打ち込まれる行為 それは何度も何度もくり返された
そんな時に出会った 同じ目をした子供がふたり
「かみゅ?」
「みろ?」
二人はちっちゃい手を合わせて 微笑みながら 小さな舌で慰め合った
はなのみつ 聖域出版
或出 庭蘭 作
「かみゅぅ」
「みろぉ」
手を取り合って二人は飛び回る 聖域を駆け回って楽しいことを探す 二人は自由なただの子供を満喫した
ミロはアイオロスの蹂躙から解放され、カミュは教皇からのお戯れにお呼びがかからなくなった
それはサガの乱の所為なのだけど 二人は幼く何にも知らなかった。
自由になった二人は手を取り合っていっそう強く寄り添い 何処へ行くのも何をするのも一緒
その仲睦まじさに 大人達は温かく見守った アイオリアは、逆賊の弟と蔑むクセに
「みてぇ、かみゅぅ お花 お花」
「?」
ミロは幼い朱の灯る指先で花を摘み取るとその小さなお口に含んだ
ちゅう、とひと吸いしては次の花を 何をしているの?とカミュが聞く
そんなカミュにミロは花を摘んでカミュの口に射し込んだ
「蜂さんみたいに ちょうちょみたいに ちゅうって吸うの、かみゅ」
ミロの言葉に頷いて、水瓶座のカミュはちゅう〜と花の根本を吸い上げた
あんまり強く吸ったから おしべを吸い込んでしまっていて
ミロがカミュの口をついばんで そのおしべを取ってあげた
しばし二人は花を散らして 甘い蜜を楽しんだ
「今日はロスの所にでも 探検に行く?みろ」
何気ないカミュの言葉にミロがぴくんと強ばり俯いた
「やン てんびんきゅーにしよぉ?かみゅ」
ぎゅっと手を握り合う ミロの変化に気が付いたカミュは素敵な笑顔で大丈夫とミロに微笑む
確か天秤宮には書物も沢山あるっけ、と難解な古文書の題名を諳んじてミロの手を引いた
じゃあ探検、とミロも跳ねるようにカミュに続いた 二人は素敵な友達だった
不思議な天秤宮 沢山の書物 妖しい道具 秘密のお部屋
二人は隠し部屋を見付けると その物珍しい品や本を手に取って楽しむ
その中のミロにも分かるような絵のいっぱい付いた本をカミュは開いて二人で読んだ
古ぼけた本は 悪魔のような儀式 だけれど二人には魅力的に映ったお遊戯
「ちょっと試してみる?」
「かみゅなら、いいよ?」
クスクス笑いながらミロは絵の通りに目に布を巻かれた
大きな鏡の前にちょこんと座ったミロにカミュは楽しそうに笑った
「みろ、はだかにしちゃうよ」
「ええー?やン、かみゅぅ」
ゆっくりと服をはだける それから絵の通りに鳥の羽を探しに外へ
それと籠を手に色々なお花も
「かみゅ?どこぉ?? あ、…やあ〜んくしゅぐったい!」
「ほら、このご本みたいに くすぐってあげるね、みろ」
少し冷えてしまったミロの体をゆっくりと羽根が撫でていく
踊るように踝を 跳ねるように首筋を
「くすぐったいよ!なにぃ…それ?」
「なんだろうね、当ててみて?」
カミュは楽しそうにミロの小さな体に満遍なく羽根を滑らせる
『ちょうちょの、お羽根かな』
違うよぉ
『椿の、葉っぱかな』
ちがうよー
ミロのお口に花を咥えさせる
『何のお花か、分かる?ミロ』
ミロが花の蜜をちゅう、と吸った 赤い尖りを羽根が優しく撫でる
「あーー…ン」
その時、カミュの滑らせた羽根がミロの幼い性感を刺激する
ミロが仰け反って、ポロリと咥えた花を落とした。
「やだよぉ…かみゅぅ」
ミロがイヤイヤと手で払う だけどカミュは何だか面白かったから
「ダメだよ、みろ じっとして?」
本の通りに、置いてあった拘束具でミロの両腕を後ろに戒めた
「当てるまで、ダメだよ」
次の花を、ミロのお口に咥えさせた
「さざんかぁ」
はずれ こしょこしょこしょ ぴくぴく跳ねる ミロのからだ
「すみれぇ…ひゃぁぁん」
すみれはもっと小さなお花だよみろ こしょこしょこしょ だんだんミロが朱く染まってく
それは、お花の蜜を吸っている所為?
何だか甘いような気がして ミロの体を舐めるカミュ ピンクの胸の先をぺろり、ぺろり
「アンッ… アン!やだぁ…変!!」
ミロはこんな感覚は知らなかった
いつもロスにされていた行為は、息が詰まるような痛みと死ぬかも知れないという恐怖だったから
だから今初めてミロは、カミュによって快感を知り 初めての雄の歓びを感じていた
「みろ …みつが 出てる」
生まれて初めての官能を カミュの小さな舌が
「…!や、やぁぁッ かみゅ、 かみゅぅ」
ぬるりと這って ちゅう〜〜と吸った
「でちゃう!でちゃうぅ〜〜〜やだァ!!」
それはまるで花の蜜を吸うように
カミュの口に吸い込まれた小さな蕾 ぱちんとはじけて 白い白蜜がとろりと溢れる
こくん…
ミロの目は 皮の目隠しをじっとりと濡らした
仰け反ったままのからだは 汗に濡れ 端端をうす桃色に染め上げていた
そこに散らばる花とミロの散らばった青い髪がとても美しくてカミュはとても幸せになった
「みろの蜜、ちょこっと苦いねぇ」
優しく髪に触れて ミロの匂いを楽しんだ 何だか甘くてほわりと心が温かい
目隠しを解いて ミロと口づけを 甘い味に くらくらと心が酩酊をする
「でも、また飲ませてね?」
手を合わせて微笑むと ミロもカミュに微笑んだ
花は性器の象徴
甘い匂いと 花粉をふりまき
虫を誘う はなのみつ
牛「ど、どうだろうか?これをあるお人の所に持って行こうと思っているのだが…」
羊「……この、話に 何度“小さい”という言葉が出てきたでしょうねぇ。モグモグモグ」
牛「(汗)良いではないか、小さいものは愛らしいじゃないか」
羊「ま、別にいいですけどね。あ、そのタルト食べないなら私が頂きますね」
ムウはアルデバランのタルトを光速で口の中にかっ込んだ
牛「!!」
貴鬼「!!!!!」
羊「でも、はっきり言ってエロが足り無いんじゃありませんか?」
牛「うむ…そうか。」
羊「それにしても、我が師シオンとアイオロスが鬼畜で笑っちゃいました。この設定は良いと思いますよ?」
牛「そ、そうか!」
羊「その路線でもっとエロく行けば良いのでは?あ、その余ったタルトも良いですか?」
牛「あ!それは貴鬼の…」
貴鬼「む、ムウ様!?」
羊「……貴鬼に、ですか。まだ一人前にもなってない彼には過ぎた物です」
と言ってムウは貴鬼のタルトを光速で口の中にかっ込んだ!
貴鬼「う…ううう!」
牛「さ、参考になったムウ 貴鬼、良かったら金牛宮に遊びにおいで」(ケーキを用意しておいてやる)←小声
貴鬼(ウン!!牛のオジチャン)←貴鬼、感涙
だが、牛が帰った後の白羊宮
ムウ「貴鬼、不用意に金牛宮に遊びに行ってはなりませんよ」
貴鬼「ええ??どうしてですかムウ様」
ムウ「何されるか分かったもんじゃありませんからね、さっきの貴方の分のタルトも 私はあえて口にしたのですよ?」
貴鬼「ええ?何でですか?」
ムウ「何が入っているか分かりませんからね 毒味です。私は貴方の師ですからね身を挺して庇ったのですよ」
貴鬼「む、ムウ様〜〜〜っっ」←貴鬼感涙
果たして真実はそうなのか
ただ、貴鬼がケーキを口にする日はまだまだ遠そうだった。
(END)
こんなん送り付けて申し訳ありませんでした祥子様
またまた改めて相互リンク感謝ですvこれからも素敵な小説お待ちしていますね