声 |
聖域出版 砂の雅 |
「ひどくして欲しいんだ」 ミロはいつものようにカノンの寝所へ行くと、抱きついたカノンにそう唐突に告げた カノンは瞬間驚いた顔をしたが、すぐに表情を取り戻すとミロから離れてタバコを咥える ベッドに腰を掛けカチリとライターを鳴らし、ふうと一息吐き出すと眉を微妙に顰めて一番好ましく思っている二吸い目を吸い込んだ。 チリチリと赤い灯火を見せるタバコをボンヤリと見つめるミロ 紫煙をくゆらせてゆっくりとミロを見た後気だるそうにカノンは聞いた 『何でだ…?』 「嫌か?」 『別に…。好きでも嫌いでもない』 「じゃあ、非道くしてくれよ」 『お前の好みに添えなくしてやるのも、酷くしているにならないか?』 「痛みが欲しい」 『Mか?』 「さぁ…人には良くSだと言われるが」 そうだな、俺もお前はSだと思った。カノンが何かを思い出しながらクツクツと笑う それから真剣な瞳で立ったままのミロを見上げる ジジ…と一瞬オレンジの火を見せたタバコが短くなって、カノンに捻りつぶされ灰皿に収まった 「どういうのがお好みだ?」 ミロの手を掴みながら立ち上がったカノンはミロのうなじを掻き上げて耳に声を吹き込む それにミロがまるで挑発でもするかのようにイヤらしく背徳的な笑みを浮かべてカノンを誘った 「好きに弄れよ、お前に支配されたい」 ぐっとミロの豊かな髪を引き掴んだカノンはミロの差し出された喉仏に歯を立てた 犬歯で甘噛みしながら頸動脈をなぞる…ミロがそれを悟ったのか小さく震えて歓んだ 「ああ、いいよ。お前が誰の物か解らせてやる…」 始まる狂態に私は顔を覆った。だがそんな事はまるで意味が無く無駄に終わる ああ、ミロ… 私はお前を、そんな風に育てたくは無かったのに… 肉体のない私は目を逸らすことも耳を塞ぐことも出来ずに、かつての愛しい幼子だったミロを見る事になった ミロを嬉々として蹂躙していくのは、私を水面に映し出したような寸分違わぬ姿をしている双子の弟 それを不思議な気持ちで眺めながら2人の狂乱を私はただ見守る事になった。 最初は私を苦しめる為だったのだろう 偽の教皇時代 もう一人の私は目隠しをしたミロを寝所に連れ込み、恐怖に震えるミロを怯えさせながら犯した。 それからは味をしめたのか何度もミロを呼び出しては幼いミロに執拗に痛みと快感を同時にすり込み続ける やがてミロは嬲られる事にエクスタシーを見い出し、それを見逃す筈のないもう一人の私はミロを屈服させ毎夜悦んだ 私が死んだ事に安堵したのも束の間の事、私は死んでいるのにもう一度死にたくなった。 ミロの心はもう取り返しが付かないまでに傷ついてしまったのだろうか 聖戦後に生き返った彼らを見守るだけの、肉体を持たぬ私にはそれを癒す術など無くてそれに絶望する 「どうされたい?」 裸になったミロが服を着たままのカノンに目で犯されながら質問をされる だけれどミロはカノンの視線を真っ直ぐに受け止めながら全てを晒す だが、隠してはいるが羞恥に興奮しているのだろう 目や耳がうっすらと色づいてミロを扇情的に彩っていた 「胸を、つねって欲しい」 に、とカノンが笑う。可愛いオネダリだな、とミロをたっぷりと見た後唐突に乳首を抓った あう、とミロが声を出し ぎゅうと抓られた乳首に鳥肌を立てる それに満足そうにカノンは笑い、手を離して抓った乳首を引っ掻くように弾いた 「…もっと」 薄いピンク色のミロの乳首が捻られて赤く腫れぼったいように立っていた ミロがその痛みにエレクトしてる Sの笑みでミロを視姦しているカノンがもう一つのミロの乳首を抓り上げる 悲鳴に、どうしようもない快感が混じっているのをカノンも私も感じ取った 「ホントに好きなんだな、まったく、どうかしている」 呆れながらカノンは反応し始めた自身の昂ぶりを取り出した ジッパーを下げて服を着たまま欲望をさらけ出すとベッドに腰を掛けタバコに火を付ける 冷たい目線でミロを汚い物でも見るかのように一瞥するとゆっくりと初めの煙を吐き出した 二口目を味わいながら目を細めると、紫煙を立ち上らせて命令を下す 「舐めろ、口だけ使え」 それに従順にミロは従った まるで酔ったような目つきでカノンを舐めしゃぶり髪にまみれながら一心不乱に顎を上下させた 「ふ、……あふ…」 「上手だぞ、ミロ… なぁ、誰に仕込まれた?」 咥えさせたものをいきり立たせてカノンが問う だがミロは無心に舐め続けカノンの問いには答えない 苛立ったのかカノンはミロの髪を引き掴んで喉を反らせると、ぐ…と喉の奥を突き込んで愛撫した 「まぁ、いいさ… なぁ、お前勃ってるぞ?」 喉を犯されながらもキツイ瞳でカノンを見返すミロ それにカノンは嬉しそうに笑んだ。 Mっぽく見えないのにな、お前。短くなったタバコを灰皿に押しつけるとミロの髪を一層引き掴んで痛みを与える 「ご褒美、欲しいか?」 ぐ、ぐ、と喉に突き込むとミロが眉を顰めてカノンを睨んだ 可愛げが無いな でも、そんな所がそそる… カノンが甘く囁いて、態度とは裏腹に立ち上がったミロの性器を足でつつき嬲る カノンを睨んでいたミロが瞬間目を見開いて喉の奥で呻いた ずるりと怒張を口から引き抜くカノンは涼しい顔でミロをベッドに突き倒し 「良くしてやるよ…すごーくな」 新しいタバコに火を付けて、ベッドに転がるミロを見下ろした。 苦しそうにむせるミロが、その言葉を聞いてにぃ…と笑う 挑発的に足を開いてカノンを誘った ミロの片足をまるで蛙でも持つかのように持ち上げたカノンはタバコをひと吸いして指に挟んだ そしてミロの肛門にツバを吐きかけるとまたタバコを咥えて深く吸い込む 「痛いのがいいんだろ?」 ミロのツバで濡れた肛門に指を容赦なく二本突き立てる ぐりぐりと押し込み引き抜くとその指をミロの口元に持って行った 「舐めろ」 咥えタバコのくぐもった声は冷たい響きでミロに拒絶を与えない 無言でミロはカノンの指を口に含んだ。 目元が快感で染まってる、それをカノンが嘲笑うように見た 咥えていたカノンのタバコの灰が、赤い灯りを残したままミロの肌に落ちる 「ン、うう〜〜〜〜!」 指を2本も突っ込んでぐちゃぐちゃと掻き回せば、とうとうミロが呻きながらも喉を反らせた とろとろとミロの性器が先走りを零す そのだらしない様を揶揄しながらもカノンの性器が青筋を立てて、硬く勃起していた ぽってりとふくらんで充血し、カノンの指を受け入れるミロの肛門 それにカノンは喉を鳴らして指を引き抜きタバコを灰皿に押しつけると3本一気に押し込んだ ミロが衝撃に泣いた。ああ、と呻いてよがったような泣き声を零す 「ほら、舐めろ」 引き抜いた指をまたミロの口に。ミロは子猫のように涙を流しながら節だったカノンの指を丁寧に舐めた 「不味いか?」 頷くミロにニィ、と嗤うと指を口に突っ込んで舌を嬲り始める ミロが嫌そうに眉を顰めたのを確かめてから、その指をミロの肛門に突き込んだ ミロが喘ぐ。快感が苦しさを凌駕した瞬間 ミロの声は愉悦にはしたなく濡れていた 「入れるぞ」 今までの暴行が嘘のような優しいカノンの声はぽつりと小さかった だが、その凶悪なサイズの昂ぶりはミロを苦しめるには十分でミロの肢体が意志とは裏腹に暴れて拒絶を示した カノンはそれを押さえつけながら無理矢理ミロに押し込みねじ込む ミロの苦しそうな絶叫が耳を打った。恐怖映画で聞くような断末魔の叫び声 それを全て無視したカノンが無茶苦茶とも言えるぐらいに根本まで突っ込みギリギリまで引き抜いて激しくミロを犯す カノンも相当痛いだろうがそれをおくびにも出さず激しくミロを揺さぶった。 喰い付き締め付ける肛門をまるで痛めつけるかのように犯すカノン 堪らずミロがカノン腕に爪を立てたが、それを引き掴んでシーツに縫い止めると まるで仕置きだとばかりにミロの腰により強く自分を叩き付ける 響く、鈍い骨の音。ミロがまた絶叫した 卑猥な肉の音が続く部屋に、やがて変化が現れる ミロが泣き声を上げだした。呻き声に泣きが混じるものとは違う、純粋な嗚咽混じりの泣き声。 微かに、う、う、と泣きながらもそれには非道く愉悦が混じっていて。 「気持ちいいのか?」 こくんと頷くミロ、滑らかに腰をグラインドさせるカノン 「変態」 浅い場所でミロを嬲る。ミロの体がぶるっと震えた そして綺麗に涙を流す している行為を忘れてしまうような、美しい泣き顔 「もっと泣けよ」 ぐずぐずに溶けてしまったミロを揺さぶりながら、その泣き顔にカノンも魅入っていた カノンの命令を聞いたミロはよけいに涙を流し カノンの律動がまた、早くなる カノンが体勢を替えミロに座位を取らせると、腰を引き掴んで乱暴とも言える程の激しいピストンを開始 それにミロが獣じみた声で喘ぎを洩らす 快感が爛熟し、狂喜した喘ぎ声 「激しいのが好きか、ミロッ……この、淫乱!」 カノンが容赦なくミロに突き立てればミロが泣いて悦んだ 触れられてもいないミロの性器が張り詰めてカノンの服に擦られる まるでオモチャのように揺すられるミロ クセのある長い髪が狂ったように跳ね上がった 涙でぐちゃぐちゃに濡れたミロはとうとう腰を使ってカノンを求める 後はもう絶頂に墜ちていくだけだ 二人はまるで電流に打たれたように体を激しく痙攣させた。 だが、 その時… 『サガァ!』 その時、ミロが声なき声で私の名を呼んで果てた 全身でカノンにしがみついてまるで子供が親を呼ぶように、力一杯泣き叫ぶ声なき声を私は聞いた しがみつかれたカノンは気が付いていない 何故、吐精の瞬間に私を呼んだのかは分からないけれど それにどちらの私を欲して呼んでいるのかは分からなかったけれど 私は、私の肉体があったなら間違いなく涙を流しているだろうと思った。 いや、肉体があったのならば間違いなくミロをぎゅっとだきしめたろう… 惚けて弛緩するミロを押し倒してカノンは律動を再開した。 ミロの性器からは精液がトロトロと零れていて、カノンも放ったのかミロの肛門からはカノンの精液が揺さぶる度につう、と伝った だけれどカノンは動くのを止めない まるで今度は自分の番だとミロをゆっくりと貪りだす 力を無くしたミロの手のひら 投げ出されたそれに私はそっと手を合わせるように重ねる ミロはもちろん気が付かないし、やがてカノンの劣情に引き摺られるように喘ぎを洩らし始めた 私はミロと手を合わせたように重ねたままミロの綺麗な指に口付けを落とす ミロが何かを感じたのか睫毛を震わせて、口づけを落とした指をピクリと蠢かせた 『「愛している」よ』 囁いた声は、瞬間カノンと重なっていた |
読者からの感想 ユニコジョッキー:良いです!随所に鬼畜要素が散りばめられていて大変満足いたしました。 人馬:また愚弟攻めか!興味無い。せめて愚弟受けだったら多少はムラッとしたかも… スニオン:↑( ゚д゚)ヴォケ!! 人馬死んどけ! 二人は恋人同士なんだよな?それが良い感じだが、何か最後のがムカッとする。 元羊:何というか…サガの悪事を黒の所為にしているような感が否めんな。 修復師:確かに。全ての罪を黒サガに押しつけてますね。 聖衣に逃げられたっPi:ん〜〜だな、俺はもっと明るいエロの方が好きだ 亀の首:幼いミロを犯す黒サガのシーンが読みたいです!先生の次の作品に期待 聖剣:うおお!好みだ!!次は黒いサガがロスリア兄弟を調教しているのを頼む!! 猫っていうな:聖剣死んでおけ。う〜ん、俺はあまりこういうのは好きではない。もっと甘い雰囲気のものが読みたいな 眉毛が誇りの冥闘士:な、なんと!聖域の本は凄いな!!次はこのカノンがライバルのラダマンティスを嬲っているのを頼む!! 歩く武器聖衣:ほう、遂に冥界にまで読者が出来たか。感想だが悪くは無いぞ?だがワシももっと明るいのが良いな アルバフィカの次:はう!ロマンチックでキュンキュンした。次も切ないサガミロが読みたい 印度の神:これはサガミロなのか?だが、サガが霊になっているのに満足した。 水とか氷とかの魔術師:……そうだな、嫌いではないが相手がな。今度はMなミロがカミュと絡んでいるのが読みたい…… 深紅の毒針:カミュ、何読んでるんだ? ウ、日本語か。ひらがなはいけるんだけどカンジがな〜ひどくして…これ何て読むんだ? 強制終了!――――――次回作を待て。(←マジすか?) |
うへへへ、蛇にピアスの金原ひとみ氏に影響されてやった。アレは良いモノだ(←マ・クベ風)
カノミロと見せかけて実はサガミロだった?(笑)なラスト。BL風なカッコイイ感じのカノンが書けましたでしょうか?
何故サガが相手をカノンにしたかというと、やはり姿がそっくりという理由。
そして似ている鏡像をヘタレには出来ない理由から愚弟の美化が6割増しで書かれております(大笑)