ある日聖域に届けられた一通の手紙にサガは頭を悩ませた後デスマスクを呼んだ
蟹はせっせと動かしていた手を止めてサガの方にやって来る
サガ「…デスマスクよ」
デス「はぁ、何ですか?このクソ忙しいときに」
サガ「お前…これを書け」
デス「??」
デスマスクが覗いた紙にはミロ→カミュと書かれていた
良く見てみれば他にも細かくシチュエーションが書かれている
要約すると…カミュミロで、恋愛小説と言うことらしい…
蟹「あの、何で俺がこんな物書かなくちゃ…」
サガ「女神のお友達の、リクエストなのだ」
蟹「またあの女っ!だけど何で俺がそんなもの書かなくちゃいけないんだっPi!!」
サガ「ええい!PiっPi PiっPi煩いわ!教皇命令、書くのだデスマスク」
蟹「ま、またそれっすか!?ち、畜生…あのクソ女神、いつか煮殺してくれるわぁ!!」
サガ「デスマスクッ!!」
蟹「はいはい、書きゃ〜いいんでしょうが!やりますよ、ったく!」
ブツブツ言いながらも蟹はせっせとカミュミロ小説に取りかかった
口調とは裏腹にデスマスクは一生懸命ロマンチックなカミュミロを思い描いて文章にしていく…
サガ「ふむ、良いのではないか?」
サガのチェックの後 女神の従者タツミの手によって本にされた小説は
無事女神の友人に届けられたのだった!
と言うことでリクエスト頂いたカミュミロ小説ですv
色々アレですがお納め下さいませ☆マイマイ
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親友 |
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「おい、カミュ… おーい、何処にいる?」 久し振りにシベリアから帰ったと聞いた友人を尋ねて宝瓶宮へ だが、気配がない。…もしかして書庫だろうか? そう言えばカミュは本を読み出すと声など聞こえやしない質だったな、と思い出す 「おい、カミュ…入るからな」 私室に足を踏み入れ奥にある書斎を目指す いや、書斎などという可愛気のある代物ではないな、アレは。 一面を埋め尽くす本の海 壁一面、天井まで届く本の森 先代の水瓶座が蔵書家だったのか 宝瓶宮の一室はカミュが幼き頃より本の森だ だが、現在水瓶座のカミュも負けず劣らず本の虫であり また中々の蔵書家でもある 今では部屋から溢れ出た大きな本達がそこかしこに積まれている有様なのだ 「カミュー」 時が止まったような宝瓶宮 従者はカミュが不在でもこまめに掃除をしている様だが、それでも主が長く不在だった宮は何処か時の流れが緩やかだった カミュが置きっぱなしにした色褪せた書類 ひっそりと息づく古い家具達 文字盤がセピア色になった大きな古時計がカチコチと音を鳴らす まるで異世界に来たみたいだよな… 子供の頃も良くそう思ったな、と軽く昔を懐かしむ 西日が射し込む懐古の回廊を抜けて、宝瓶宮の図書室に 扉を開けて大きな声でカミュを呼んだ 「カミュゥいるだろっ!親友に挨拶も無しにっ…うあっ!!」 扉を思い切り開けて大きな声で飛び込んだ だが、探し人の友人は扉の近くの書庫整理用の椅子付き脚立の上で読書に没頭していたらしく その椅子にぶち当たったミロの上に抱えていた大量のハードカバーの本と一緒に降り落ちた。 ガタガタガタッ 「っ…痛ぅ」 「……ミロ、か…?」 とぼけたカミュの声に多少腹を立てながら目を開ければ一面深紅の滝で。 驚きつつ身じろげば、かなりの質量に押しつぶされていて身動きが容易では無かった 流れるような赤がすうっと引く 感情を表に出さない友人の怜悧な面がドアップに 高い鼻が触れ合うぐらいの、吐息が感じれる程の距離で。 緋色がかった瞳を縁取る鮮色 赤い睫毛が長く影を落としている。 長い綺麗なストレートの髪ががしゃらりと頬をくすぐる 音が消えてしまったこの空間で 髪がたてる微かな音が艶めいて耳をくすぐった 時が 止まる。 息を……呑む 見上げたカミュが、とても美しく見えた。 「か…」 (ミュ…) 何かを言おうとして失敗に終わる じっと自分を覗き込む無心なカミュの美しさに呑まれてしまって。 被さる体は細かった。触れた素肌は冷たい カミュの体温は低い だけれど、カミュと触れ合う場所から変な熱が生まれている 高い鼻に、薄い唇。 それはめったに動いたり 開かれる事はない 目が釘付けになる。その唇にキスがしたいな、とぼうっと見ていた 動かない、唇? ……いや、そうじゃない。 その唇が熱っぽく紡ぐ物語を、自分は知っている 『ミロ、ピーターパンはね…』 「……ミロ」 幼き声に被さって、低く艶めいたカミュの声が俺を呼ぶ 呼ばれて我に返ればカミュの唇が近付いていて。それに動揺した キスを?まさかまさかまさか!!そんな、馬鹿な事!! 混乱が極限まで高まった。親友同士の色のある付き合いなど聖域では最も卑下すべき行為なのだ。 狼狽えてぎゅっと目を瞑る 何を?何が起こっている??混乱の渦のまっただ中感じた唇の感触 それは触れると、ぬるりと舌が這った。――――――額に 「いっっっ!」 「久し振りだな……」 ピリッと走った感触に戸惑いながらも、どこかズレた返事を寄こす友人を見上げて今の行動を目線で問うた カミュは暫く本と共にミロの上にのし掛かったまま無表情で何かを思考すると 「…すまない。額から血が出ている、本が当たったのだな」 と無感情に告げてゆっくりと身を起こす。 舐められた額に手をやると確かに血が出ていて、触れると痛かった。 それに安堵と、そして… 「……本が、」 折れてしまった。とカミュがため息を付きながら身を起こして本を大事そうに手に取った 下敷きになった自分に手を貸すより本の心配をするような行動 それに俺はカーッと頭に血が昇る。 「カミュの大ばかっ!!」 何が馬鹿で、何に自分は動揺し、腹を立て、悲しくなっているか分からなくて気が付けば走り出していた 宝瓶宮を抜けて階段を駆け下りる。混乱に心をぐちゃぐちゃに乱して天蠍宮へと逃げ込んだ 扉に背を預け、ずるずると身を沈ませる。 髪を掻きむしって、それからカミュが触れたであろう額をそっと撫でてみた 「痛い」 指を見ればうっすらと血が付いていた。本の角にやられたのだろう ウソではなかった―――それに妙に落ち込んだ。 だけれどそれ以外で額を舐められる理由がない 親愛のキスというには獣じみた行為だし… 親愛の、キス?…自分は何を期待している? 落ち込んだのはキスでは無かったからだとでも? …馬鹿だ、それはあり得ない だって、親友同士でそんな事があろう筈がない 「痛い…」 無頓着なカミュはきっと子供の時のように傷をちょっと舐めただけ それを、なんでこんなに自分は落ち込んでいるのだろう? 落ち込む?何に?期待していた?何を?何に腹を立てている?何が悲しい? それに辿り着く答えが分かっているのに受け入れがたくて、はははと笑ってみたが無駄に終わった 上げてみた口の端はすぐに苦しさに下を向く 自分のこの気持ちは何なのだろう。 カミュとは親友 ずっと昔からの、仲の良い一番の友達 それをこんな風に意識するのはおかしい事だし、同性同士の肉体関係が多いこの聖域でも異端な事なのだ 親友に恋することは、理性のない忌むべき行為。もっとも獣じみた欲望 「痛いな」 胸の辺りをぎゅっと掴む そう、俺はあの時…カミュの唇が触れた理由が、額の傷だと知って… 「痛い…なんだ、これは!」 少しの安堵と、――――悲しみを。 この胸の痛みは何なのだろう 目から伝うこのぬるい雫はなんなのだろう カミュを思うと苦しくなった。 目蓋を閉じれば静かな友人が本を読む姿が鮮明に思い出される 馬鹿だ、なんて馬鹿なんだ。アイツは親友なのに、……どうしよう。 ベットにごろりと転がってもう何も考えるな、とふて寝を決め込んだ この不意に芽生えてしまった…恋慕の様なこの気持ち これは絶対に知られてはいけない こんな風にカミュを思っているなんて、知られてしまったら嫌われてしまうから。 *** 夢を見た。遠い昔の記憶 聖域中を駆け回って遊び回り、ふと通り過ぎた視界にでかい本を抱えた赤毛を見付けて馬鹿にしたように笑った幼い自分 「やーいやーい!本ばっか読んで何が面白いカミュ〜!」 それを無視するカミュ 涼しい顔でページをめくる そんな態度に腹は立ったが、そんなに面白いのかな?と興味を引かれた 「なぁ、それってそんなに面白いの?」 覗き込んだ俺にその時初めてカミュはチラリと目線をくれた …が、本をパタンと閉じるとスタスタと歩いていってしまう。 それに呆然と立ちすくんだ俺にカミュが振り返って言った 「…付いて来い、これはお前向きじゃないけど宮に行けばお前向きの面白いのがあるから」 パッと笑顔を散らせてカミュに続いた 宝瓶宮の長い通路を抜けて大きな木製の扉を開けるとそこは一面の本本本… カミュは持っていた本をその辺に置くと、何かを探し出して俺の所へ持ってきた 部屋の隅にある小さなスペース 高い場所に窓がはめ込まれてる 日が差すから、そこの近くには本が無い。ぽっかりと空いた空間 そこに陣取ってカミュを待てばカミュが本を下に置いて寝っ転がる 自分も寝っ転がって、カミュと一緒に本を見てみた 「ぴーたー…ぱん」 「読んだことは?」 「無い。ん〜でもコレ英語?無理、読めない。どんな話?」 「……ミロ、ピーターパンは親からはぐれてしまった子供。私達と、いや…お前に似ているかもな」 「ふ〜ん、で?」 「…異世界で冒険の日々だ。ミロ、ピーターパンは年を取らないらしい」 「へぇ〜何か似てるね。俺達も年を取らないのかなぁ」 カミュがふわりと笑った そうかもな、と。 へぇ、こいつってこういう風に笑うんだ 俺も嬉しくなってニッコリと笑う 『ずっとこうして俺達も子供だったらいいね』 『…そうか?』 『ウン!リアと、サガと、ロスと、ムウと、みんなみんな一緒!モチロンカミュともっ』 『そうか…』 『ん〜カミュはもしかして大人になりたいの?』 『どちらかといえば……だけれど、ミロ』 『ん?』 『お前はこのままでいいんじゃないか?』 そっと髪を撫でられた。 遠い昔の記憶に微睡む、うっすらと目を開けたが余韻が覚めない 「ここは、ネバーランドじゃ無い」 最近では、取り巻く空気が著しく悪い聖域 虐げられたアイオリア 勅命に飛び回る同僚 聖域に寄り付かない黄金聖闘士 修行という名目で遠い地に行っている守人 欠けてしまった宮の戦士 そして、弟子の育成に遠い氷原に居を構えた親友… 「ずっと子供のままでもいられない」 呟いて天井を見上げた。 身支度をし、聖衣を纏って教皇宮へ 勅命を賜り、血に濡れる。血を落として謁見を終えて階段を下った 『お前はこのままでいいんじゃないか?』 不意にカミュの言葉が甦った それに俺は呟いていた 「俺は大人になってしまったよ、カミュ」 宝瓶宮を抜けるときに、そんな感傷が高まって何となくあそこにいってみたくなった 宝瓶宮の私室に入る。古き蔵書が眠るあの場所へ *** 「ミロ…」 呼ばれて目を見開くとカミュが覗き込んでいて! それに慌てた。近い、近すぎるのだ!カミュの白皙が、流れるような赤い髪が、緋色がかった大きな瞳が。 気が付けば宝瓶宮の図書室のあのスペースで聖衣のまま壁により掛かって寝こけていたようだ 「聖衣のままか…」 カミュがクスッと笑った。俺に膝立ちで覗き込んだ体勢のまま視線を下に走らせる 「ピーターパン、懐かしいな…」 カミュの横顔が綺麗だった。めったに見せない微笑が堪らなく素敵だった。 胸がドキッと高鳴る。…カミュのうなじや、チラリと見えた鎖骨に目がどうしてもいってしまう ああ、不味い、不味い。 カミュ、いいからそこを退いてくれ。 耳が熱い、目が潤む。鼓動が煩い。収まれ、収まれ!口が一気に渇いた 「ミロ…?」 カミュにじっと見られて泣きそうになった。どうしよう、何て言い訳しよう きっと顔は赤くなってる。耳まで。 その言い訳を何か考えなくては でも口はパクパク酸欠の魚みたいに開くばかりで言葉が出ない 「ミロ」 もう一度名を呼ばれた。 だけれど俺はカミュを見れなかった。 恐かった。コントロール出来ない自分の心も、カミュがきっと嫌悪の表情を浮かべて自分を見ているのも。 気持ち悪いと罵られたら立ち直れない 友情が壊れてしまったら凹むだろう きっとカミュは距離を取るだろう そうなったら寂しくて自分は死んでしまうかも知れない ちゅぅ 何かが触れた ぎゅっと瞑った目蓋に チュ… 今度は額に ちゅ。 頬に チュゥ… 唇に。 え? 思わず目を開けばカミュが俺に微笑んでいた 「やっと目を開けたな…」 「カ、ミュゥ?」 「…ミロ、知っているか?キスは場所によって意味が違ってくるという話がある」 「な、にを」 カミュのひんやりとした口づけが降る 額に―――― 「…これは友情」 頬に―――― 「親切、温かい心」 瞼へ―――― 「憧憬」 手の甲―――― 「尊敬」 額―――― 「友情…」 カミュが俺の手をそっと握らせる 「これは懇願…」キスをして俺を見つめて… 唇にキスを。 そっと触れて、見つめられる 目を見開いたまま また唇がそっと重なる。 驚いて俺はただ無心でカミュを眺めていた これは夢なのだろうか? 「ミロ…」 ならば覚めなければいい 唇が、そっとカミュの舌で濡らされた。 覚めないで、欲しい 「…そしてこれは欲望」 首にゆっくりと吸い付かれて――――… 「ぁ、う」 軽く歯を立てられた。 強く吸われて、唇を離される 「嫌か…」 真摯な瞳で真っ直ぐに見据えられる 目が離せない。首を少し横に振れば俺を見つめたままカミュがそっと口の端を上げた ゆっくりと聖衣が取り払われる。髪を掻き上げられて耳朶を口や鼻で撫で上げられた 「は…」 変な声がでた。息が勝手に上がっていく 耳にちゅ、とキスを。そしてカミュの涼しげな声が囁かれて… 「後は、皆狂気の沙汰らしい…」 耳から首筋へゆっくりと唇が伝い落ちた カミュの冷たい唇が触れる するとそこからじん、と熱が湧き上がって体が痺れた 息が上がる 甘ったるい微かな喘ぎ… これが自分が出しているとはとても信じられなくて 「ミロ…」 カミュの凛とした声が俺を呼ぶ その涼やかな声が耳の奥をくすぐって頭の中まで溶かして行くようだった 繊細な指が肌をなぞると 官能が沸き立つ カミュにされている… そう考えると尚更に。 体が細かく震えて、身がピクピクと跳ねる カミュのさらりとした髪が腰に当たる 腹筋が震えた 「ヵ…ミュ!」 驚きに息を呑む 背が反った 絨毯を掻きむしる 目が潤む 何をされているか確認したくて下を見た だけれどカミュのサラサラとした髪で見えなくて。 くちゅくちゅと音が鳴る それが信じられなくて、でも体も頭もどうしようもないくらい悦くなって変な声が出る 奥歯を噛みしめながら頭のてっぺんを絨毯に擦りつけた 涙が目尻から零れる これは歓喜の涙? 分からない… 「ゃめっ……カミュ、カミュッ!ダメ、離、せぇ…」 じゅうっと強く啜られる はぁはぁ息が弾む 汗が肌からこぼれ落ちる 「ミロ…このままでいい……気にするな……」 濡れた口を舌で拭ったカミュが情事を感じさせない声のまま俺に告げる 気持ちが良いだろう、と。 俺は気にする!と言いたかったが口を開く前に自分の素直な起立はカミュに飲み込まれた それを目にして一層興奮が高まってしまい 堪えていた物が俄に崩され出して… 舌の感触に酔った ああ、と声が出る。 粗相をしてしまったような後ろめたさにやるせなくて涙を零す 恥ずかしくて死んでしまいたかった 「ミロ…」 コクリと音が鳴った後にカミュが俺を呼んだみたいだった だけれど自分は顔を覆ったまま涙が止まらなくて。 親友にこんな事をさせてしまった背徳感に 我慢しきれなくて零してしまった劣情に落胆とどうしようもない羞恥を 融けて言うことを聞かない体 快感にまだうち震えている とても浅ましく恥ずかしかった この行為に、その感情に、味わった事などないエクスタシーを感じてしまった自分が。 ぐちゃぐちゃになった思考の波に揉まれながら快楽にたゆたう 瞼を閉じれば溢れていた雫がまた頬を流れた まだ痺れる体にカミュが新たな快感の火種を灯す 自分のこぼれ落ちた飛沫に濡らされた指がそっと新たな快感の扉に射し込まれた (…俺が そっち?) ぼやけた意識でカミュのされるがままになった だけれど途中でされていることの現実に思考が一層混乱する 男同士の性行の仕方を知らないわけでは無かったけれど、それを現実にする事(しかもされる側で!)など全くの想定外で。 慌てて身を強ばらせ、カミュに上手く回らない口で伝えようと足掻く カミュの繊細な指が、射し込まれてゆっくりと掻き回されて… 「〜〜〜カミュゥッ!嫌だぁ、き、たなぃ」 語尾は泣き声が混じった。だけれどカミュは視線を合わせただけで取り合わなかった 「ミロ、力を抜け……」 もう一度言葉を紡ごうとしたらカミュの唇が重なった 舌が口腔をさ迷って縮こまった舌をノックする 射し込まれた指がゆっくりと肉体を探って官能の泉を掘り当てようとしていた カミュの雄の象徴が蜜を零してその熱い体温を俺に伝えた 正直 ――――――苦しい。 内臓を弄られる感触は悪寒が走り、圧迫感はただ不快だった。 そしていつも涼しい態度のカミュからは想像が出来なかった彼の肉欲の象は想像以上にしっかりとしていて。 これが射し込まれるのは恐い。こんなので快感が得られるなんて想像が付かない でも… カミュならばいいと思った。 カミュとひとつに繋がれるという想像は、頭の中を甘く溶かした 「あ…カミュ……」 秘密の鍵は三本に増やされた頃、息は上がり肉体に快感の予感が灯される カミュはそれに気が付いたのか、そっと身を重ねて俺の手を握った 開かされた足にもう羞恥など感じる余裕は無くなっていて ただ彼に答えようと必死にしがみついた 「ミロ……好きだ」 その言葉に感極まった瞬間、カミュがミロと唯一繋がれる場所に埋没した 甘美な律動は甘ったるいまでにゆったりと始まり、ゆっくりとかき混ぜたりをくり返した 柔らかな肢体を揺さ振って、官能のさえずりを引き出すカミュ 最初は出すまいと抵抗していた小さなミロの鳴き声は やがて艶やかな彩りが添えられて囀った 「ミロ…ミロ……愛している…」 互いに高みへと昇りつめて、甘い余韻を与え合う 匂い立つような恍惚に身を委ねながら、二人はしばし精神と肉体の充足に酔いしれる 弛緩した躯は気だるく甘い 苦痛を味わう分だけ快感が強かったミロは、深い海色の瞳を熱情に潤ませながら微睡んだ そして譫言のようにカミュに囁く 「カミュ ぉれも… 愛してる、から」 たどたどしく伝えられた言の葉にカミュは綺麗に微笑んだ だけれどその涼しげな笑みとは裏腹に、肉体の繋がる器官は熱く滾ってミロに芽生えはじめたばかりの官能を刺激する 「あうぅ…カミュ、もっと欲しい」 「ミロ…」 けして綺麗なだけでは無い行為 ミロにとっては痛みも存分に伴う筈なのに、カミュの欲望を悟って告げるその言葉はとてもいじらしくて 鉄面皮と名高い、絶対零度の氷の聖闘士は その日初めて顔を苦しそうに歪めて熱っぽく想い人を抱きしめた 「カミュ?」 気が付くとそこはベッドの上で、柔らかな上掛けが掛けられていて。 見慣れぬ天井、ここは宝瓶宮。そして裸の自分 胸に吸い付かれた場所が赤く痕を残していた ――――――あれは夢では無かった。 だけれど…カミュはいない。 シーツの温もりなどは全く感じられなかった。それに心が冷たくなっていく (気まぐれ…だったのだろうか) 寂しさに苛まれながら身を起こす だが、ベッドの横に置かれたライトスタンドの上に流麗な文字で綴られたメモ 手にとって読むとミロは顔を優しげに綻ばせた 実にカミュらしい、簡潔な内容と―――――― ミロへ 不本意だがよく眠っているので起こさずに立つ。 今度こちらに戻れるのは丁度一ヶ月後の予定だ 今こちらの弟子は2人いる お前もたまには遊びに来い 待っている。 ――――――不器用な愛に微笑んだ。 (END) |
親友云々は余所様のサイトで知りました。
古代ギリシャの風習では同年代の親友と恋に落ちるのはケダモノと蔑まされたそうです。
コレ書いてるちょっと前に水瓶前世が本を持ち歩いているというネタに触れ触発されて書きました!
本のいっぱいあるところで、不意に恋に落ちてしまう話が書きたかったんでしたが…どうやら力足らずって所です。
ピーターパンとか、全然しらんのに書く自分。やめよう、あとで後悔するからっっ
もっと良くこういう知識があったら話にくみこめたんだろうな〜と後悔しっぱなしです。
こんなんいきなり送り付けて、佐東様本当にスミマセンでした。