 ミロ？ 何やら机の下でゴソゴソやり出した友人に声をかけると足の指にマニキュアを塗っていた それに呆れかえりながら覗き込む。先程手を塗ったばかりだというのに… 「足にも塗るのか」 「キレイだし、いいだろ？」 ミロは意外にも器用だ。手も手際よく綺麗に塗られ、足もあっという間に綺麗に塗られていく 「明日からまた暫くシベリアだし、こちらの事を忘れないようにな。マジナイだ」 眉を顰めた。ミロはもしかして寂しいのだろうか、いや…寂しくない筈がないのだ 日に日に過ごしにくくなっている聖域 留まっているのは主にミロだけ アイオリアもあのような状態だし、秘密を抱えたような年上の３人は忙しそうに任務に飛び回っている だからといって、自分はシベリアから離れられもしないのだ。 「これで２週間ぐらいは消えない」 まだどこか子供っぽい、ミロ でも寂しいクセに寂しいなどと絶対に口にはしない友人 でも、人恋しいジレンマから出た ……これは独占欲なのだろうか？ そんな彼の行動が愛おしくなって、私は机からもぞもぞ出てきたミロにこう告げた 「……そのマニキュアとやらを貸せ」 「カミュ？」 「…剥げたら格好が悪い。塗り直すからシベリアに持って行く」 ミロがパッと笑顔を散らせて、じゃあリムーバーも！と何かの液体を取りに行った 私は出来上がったマニキュアを綺麗なものだな、と何気なく眺める ミロの毒針に良く似た、その深紅を。 |
