天蠍宮お掃除編 その2








ある日サガがミロのゴミ溜め宮を掃除しようと訪れた所、宮の手前にゴミがわんさか積まれているのを目にした
もうカミュが来てやっているのだな、と天蠍宮に足を踏み入れた所
聞こえてきたカミュとミロの妖しい声に愚兄サガは凍り付いた。

「…すごいな…見てみるがいい、ミロ… こんなになっている…」
「ケホ、…あ、やめろ…カミュッ…は、恥ずかしい…」

等という不埒なやり取りがシャワーの水音に混じって聞こえてきた。
(な、なななな何をしているのだお前達――――ッ!?)
瞬間サガは青ざめ、風呂場にそっと足を向ける
自分ならいざ知らず風呂に二人で入るとは何事か!しかも可愛いミロに不埒な真似を!と腹立たしく思いながら駆けだした

「何を今更恥ずかしがる… ミロ、目を逸らすな。…お前がしたのだ、こんな風にな…」
「あうっ…カミュ、カミュゥ…ごめんっ…あ、もう許して…俺、こんな…!」

ミロが泣き声を上げる
今救い出すぞミロ!そして火照る躯を私が静めてやろう!!
ちょっと毛先を黒くしながら…

つかつかつかつか……

「お前はいつもそう言って、…こうだ!」
「うう…ううう!カミュ…イジワルだッ…こんな…こんな…あうっ もうダメだぁカミュ!」

ばん…! 浴室の扉を開けた。

「十二宮での不純同性間交遊禁止!処罰としてカミュはシベリア、ミロは教皇宮での…っ??」

だが、そこには達く寸前のミロでも、ミロを擦りまくるカミュもいなかった。
二人は風呂だというのに、しっかりと服を着ていてしかもゴム手袋、眼鏡まで着用していて
さらにカミュは目の下まで隠したマスクを着用していた

「な、お前達は何を……!?」
「………風呂掃除です。…サガ、手伝いに来てくれたのですね」
「サガァ…!助けてカミュが虐めるッ」

ちっちゃくなってサガにしがみついたミロをつまみ上げたカミュは元の場所にミロを戻した
そこには黒々とした山盛りのカビが…!ミロがそのカビを怖がって暴れた

「暴れるなミロ…!すぐに出してやる(カビキラーを)ちゃんとお前がしでかした事を最後まで見るんだ!」
「あ、あう…カミュ、痛いよ!そんな強くッ…あ、あ〜待って、まだ!」(押さえるカミュに藻掻きながら心の準備がまだ!と言おうとしたミロ)
「ほら…ッ いくぞ… かけるぞミロ…ッ!」(カビキラーを構えるカミュ)
「あ、あ…かみゅっ…こわい〜〜おれ、すごくこわいっ!」(ヌラヌラしたカビが怖いミロ)

だがカミュは容赦なく液体(カビキラー)をミロ(の浴室のカビ)にかけた。

「ほら、良く見るのだ…ミロ お前が悪いのだぞ、こんなになるまでほっといたのだからな…」
「けほ、ケホ…う、ううう…だからって、こんな!…ひどいよ、カミュ…ひっく」(カビキラーの匂いにむせるミロ)

カミュは先程カビキラーをかけていた場所にシャワーを当ててカビを流していた
あまりのカビの不気味さに泣き濡れてサガにしがみつくミロ
サガはそのミロの可愛さに思わず赤くなりながらミロを抱きしめた…その時!

バン…!
愚弟カノンがやって来てミロを台所まで引っ張って行った

「くそ、もう始めてやがったか…ほら、ミロそっちはもういい!こっちへ来い!」
「ん…うん、カノン?何するんだ」
「掃除に決まっている、ほら…お前がしでかした事を良く見ろ!」
「(またかっ!?)う、ううう…」

台所のシンクには山盛りの食器と、それに生えたカビやらゴミやら色々凄かった。
カノンは手早く髪を上げ、三角巾をし、ゴム手を嵌め、マスクを着用した。

「見てみろ、ドロドロだ… お前はなんてだらしないんだろうな」(液状化したキュウリを見せつける)
「…あ、だってカノン〜〜…うう、ヒック、あ、止めっ見せるなぁ!」(さらに液状化したニンジンに悲鳴を上げたミロ)
「こんなにして、今更言い訳か?ほら、ここもすごくなっている …な、ミロ 見えるか?」(ヤバイ三角コーナーを指さし見せつけるカノン)
「あ!やめろカノンッ も、もう沢山だぁ や、止めてくれ…お願いだ」(カノンに縋り付いて許しを請うミロ)
「都合が悪くなれば止めろ、か。だが許さん…お前の罪をしっかりとその目に焼き付けろ!」
(↑食器から生えたイクラの様なカビをミロに見せつけた)
「あ、あああ〜〜〜!カノ、カノン!もう無理だ!!死ぬ、は、はぁ…あ、あ、アアッ!」(あまりの気持ち悪さにくらくらしてきたミロ)

恐怖にブルブル震え縮こまるミロを見つつサガは掃除機をかけながら呆れていた。
最近あのぐうたらな愚弟がミロの所の掃除を嬉々として行っているのに不思議に思っていたが、こんな理由だったのかとマジに呆れた。
見ればカミュまでそれに便乗したようで、震えるミロを連れ回しては卑猥な言葉を浴びせたり引き出したりしていた。
……………お前達、それにむなしさを感じないのはどうしてなんだ?(←それは常日頃の飢えの為也。)

「ミロ…こちらに来い!」
「まだだ、ミロ…俺は終わっていないぞ!」

懲りない2人がミロの取り合いをしていたががその時通路を3匹の黒い虫が躍り出た
「「ム…!」」2人が潰そうと新聞紙を丸めて簡易ビームサーベルを作った。ミロがサッと青ざめる

「や、止めてくれ2人とも!あ、あれは俺が飼っているんだ…!」
「…そんなもの飼うなと言っている。前からな…不衛生だ、そこをどけミロ…!」
「てか何でカビが怖いクセにゴキが平気なんだ?手伝うぞカミュ」

暴れて邪魔しようとしたミロを今度はサガが押さえた。
可哀想だが、排除するのが正しいのだとミロに言い聞かせる。ミロの体が震えていた

「ふ、二人がかりでなんて…ッ あ、あ、やめろぉ…死んで、しまうぅ!」(泣きながら二人に叫ぶ)
「…何がいけない?『パン… パン…』(←ゴキを叩きそこねる音)ク…こうしなければお前はいつまでも『パンッパンッ』…ク!」
(飼い続けるだろう と言おうとしたカミュ ミロに気を取られゴキを取り逃がす)
「フ、ヘタクソ… ほうら…いくぞミロッフィニッシュだ!」(サーベルを上に持ち上げたカノン)
「あっ止めろカノン!あ、ああ、許して、許してくれっ止めて!!」(半狂乱で頭を抱えるミロ)
「ははは、ふははは、ウワーハハハッ」『パンパンパンッ ぐちゅぐちゅぐちゅッ!』(←ゴキを光速の動きで昇天させるカノン)
「くぅ…ッ すご、いな…」(さすがにカミュも潰されたゴキに気分が悪くなった)
「どうだ… ミロ…? フ、あまりの凄さに気を飛ばしたか」(放心するようなミロに笑いかけるカノン)
『ずる…』(←ゴキを拭き取った音)「…ッ……ふぅ………ミロ…?」(拭き取るゴキに気持ち悪くなりながらも放心するようなミロに声をかける)
「お、俺が…悪かったから、ヒック…も、もうしないから…こんな事…止めてくれ…ううっ」(虚ろな目で泣きながら哀願した)

チョロチョロ…!
だがミロの願い空しく3匹の生け贄が通路にまた躍り出た

「悪いな、まだだミロッ」(再度構えるカノン)
「あ、あ〜〜〜〜止めろ、やめろぉッ か、カミュまで…そんなぁ!」(ガタガタ震え出すミロ)
「恨むな…ミロ、これも運命だ」『…ぐちゅ!』(一匹目を昇天させたカミュ)
「あ、あああ… あああああ、ああっ」(泣き崩れるミロ)
「ああ、ミロいくぞ??…ほうら!どうだ、すごいか!?」『パンッパンッ』(2匹同時に仕留めて得意げなカノン)
「う、うう…ウウン…」(遂に気を失ったミロ)
「ミロ……ッ」(失神したミロに慌てるカミュ)

ふう、とため息をついたサガが失神したミロをベッドに運んだ。
その後天蠍宮は速やかに掃除され、今日も卑猥な言葉を聞けてカミュもカノンもご機嫌であったが…

「俺、…今日はサガの所に泊まる」

すっかりいじめ抜かれたミロがこう告げてその日は愚弟をばっちりシャットアウトしたサガとミロとのラブラブライフになった。
これに教訓を得て、2人は度を超した言葉遊びを緩やかなものに変えたらしい。
だが、その後天蠍宮は2人のお陰で少しは綺麗に維持されるようになる
ミロがこれに懲りて、カビを生やさぬように、ゴキが居着かぬようにしたのだ。
その代わり汚さぬようにと、ミロの他宮への外泊が増えたが。









風呂場がカビだらけというオチ (Fin)






その日の双児宮、風呂 黒サガ「ミロ…怖かったろうなずっとここで暮らしても良いのだぞ?」ミロ「う、でも綺麗になったし、アイツらの兄弟が来たら逃がしてやらなくちゃ」黒サガ「……・そうか」



下らないネタ第二弾!何となく続いてしまいました。今回はしょーこりもなく3ピ―…です。(←か、隠せて無いって!)
カビが苦手なミロ…ならば何故生やす??それにしてもゴキは飼ってはいけません。カイジのオッサンじゃ無いんだから。
(カイジという漫画に出てくるギャンブラーのオッサンが殺生するとツキを落とすという理由でゴキを殺しません。というか飼ってます)
虐められちゃうミロが少し可哀想になりました。そしてミロはサガの所に泊まりますが…サガ、所々記憶が抜け落ちてます。
実は黒サガもミロとラブラブしたもよう それをサガもカノンもまだ知らない。というオチ