Kedama様からお預かりした珠玉小説その1





※こちらはangel-ice / Kedama様のサイトの素敵な小説置き場です。
angel-ice様は無期限休止中との事なのでKedama様の輝かしい軌跡をこちらに飾らせていただきました。
まだご覧になっていない方は厳重注意をお読みになってからどうぞお楽しみ下さいませ。
尚、kedama様が復活された場合 こちらは返還いたしますのでその際はangel-iceでお楽しみ下さい。









※厳重注意

転写・コピペ・転載・転用・剽窃・お持ち帰りはご遠慮願います。
(対策としまして右クリックを禁止しております。)

R18です。ご年齢が届かぬ少女諸君、済まぬがご年齢が来てからお楽しみ下さい。

CPは カノン×ミロ サガ×カノン でございます。それを踏まえてお楽しみ下さい。




おk?



では、素敵な小説をご堪能下さいませv










monster









噴射するアドレナリンに突き動かされて、脳細胞に快感をたたきこんで、たたき
こまれた快感に麻薬のようにむさぼられて、互いのジュースを絞りつくすまで挑
みあって。



あらゆる欲求の中で「戦闘欲」が一番、なにものにも変えがたい快楽をもたらす
宿命の、蠍座の聖闘士にとって、己を蹂躙し篭絡し征服しようとする美しい悪魔
との、それはまさしく聖戦であったから。

惜しみなく愉悦を奪い合い、へとへとになるまで絡み合い。











「そろそろ起きろよ、ミロ。」

年のわりに幼すぎる寝顔に、そっとキスして目覚めさせようかと思ったが、ガラ
にもないと自重した。

代わりに、足元に転がった羽根枕を乱暴に頭に投げつける。

「・・・・っ!」

開眼するや、まなじりがつりあがる。

カノンは、ミロのその表情に一番魅力をおぼえた。



誇り高く傲慢で優雅な美貌が、きれいな眉を思い切りしかめて、エーゲ海の瞳に
ギラギラと憤怒の炎を一瞬で燃えたたせる。

桜色に濡れた蠱惑的な唇は、どんなに噛みしめられても口角が少し上がったまま
で、それがまたえらくなまめかしかった。



だが、その時の怒りは、あまり続かなかった。

ミロは、容赦なく開け放たれた窓の陽射しにさらされた、夜通しの狂乱のあとの
寝具の乱れと、散乱した衣類を目にするや、深いため息をついて再び目を閉じ、
羽根枕に顔をうずめた。



カノンは、とうにシャワーを浴びてサッパリとした素肌にまとったシャツのボタ
ンを留めながら、鼻先で笑った。

「情けないな。腰が立たなくなったか?」

妖艶な白皙にも、片足に重心をかけて立つのがクセの、端正な立ち姿にも、痴態
のなごりはすでにみじんもない。



(タフなヤツだな。根っからの色魔め!)

ミロは、全身に物憂い疲労をおぼえながら、腹の中で毒づいた。



頭の中は、かつてない後悔でいっぱいだった。



生まれてきて20年余り。これまでに特別な関係を結んだ相手は、カミュだけだ
った。

名実ともに、ただ一人の恋人。

快楽に奔放と言われる蠍座の聖闘士の貪欲な好奇心が、決して他に眼をそらすこ
とができないように、常に濃密で甘美で満ち足りた情交を与えてくれる、比類な
き神秘の美貌をたたえた氷の聖闘士。



そんなカミュを、裏切ってしまった。狂おしいほどに愛しい、暗紅色の静謐な瞳
を。



このうえは、隠し通すしかない。と、ミロはあっさり心に決める。

昨夜の「聖戦」を。













白羊宮で、ムウに呼び止められる。

教皇代行のサガが、ただちに任務の成果報告をしにこいと、夜明け前から教皇宮
でお待ちかねだ、と。

「ずいぶんと大変な任務だったようですね。」

深い菫色の瞳で、ミロの双眸の下を青くふちどった疲労の色を、おおげさに見や
って言う。

あらゆるものを見透かすような柔和なアルカイック・スマイル。

ミロは、思わず目をそらした。

カノンが、余裕たっぷりに片頬で笑う。

「実は、夜通し二人で酒を呑みあかしてしまってね。教皇代理様のご機嫌を損ね
ることはまちがいないな。」

「だったら、なおさら早く教皇の間にお行きなさい。30分と間をおかずに「二
人はまだか?」と催促をしてくるのですから。頭の中に直接わあわあわめかれて
、私もいい迷惑です。」

「ああ。そりゃ悪かったな。」

とウインクして、ミロの腕を引っぱり、先をうながす。



神をもあざむくペテン師は、巧妙なウソを成立させるには、90%の真実を暴露
するのが得策と心得ていたが、ムウが完全にだまされたと思うほどに楽観的でも
なかった。











双児宮までたどりつき、邸内に入ったとたん、カノンはミロの背中を石造りの壁
に押し付けて、なめらかな頬を両手にはさみこみ、唐突に唇をむさぼった

「離せよ!」逃れようと身をよじらせながら、怒りに震える声。

「お別れのキスをするだけだ。次の機会まで・・・」

カノンは、敵意に燃える瞳をうっとりとのぞきこみ、さらに口腔の奥深くまで味
わおうと、官能的な赤い唇を開きかけた。



そのとき、ふいに背後に広がる不穏で強大な小宇宙。

カノンは、不敵な微笑を浮かび上がらせながら、ゆっくりと振り返った。

「・・・サガ。足音を忍ばせてくるなんて、悪趣味だろ?」

同じ顔と体を持ちながら、妖艶な誘惑者と、高潔な神官は、シンメトリーな彫像
のようににらみ合った。

「なんという痴れ者だ!カノン・・・」

「のぞき見してた奴に言われたくないね。そうだろ?ミロ。」



冷たい壁に背もたれて、ミロは、蒼白の顔をうつむけた。

幼児期から、厳格な父親そのもののように自分を庇護してきた、崇高で気高い人
徳者に、恥ずべき場面を見られた。

御しがたい淫欲を抱えた汚ない心臓に冷たい杭を打ち抜かれて、このままサラサ
ラと灰になって消え去ってしまいたいと、心底願った。



サガは、羞恥にうちのめされて微動だにできない罪びとの前に静かに歩みより、
ぐったりした肩に手をおいた。

「顔を上げなさい、ミロ。」

優しいが、厳然たる命令の口調。

ミロは、ものうげに顔を上げたが、視線は横にそらした。

長いまつげにふちどられたアーモンド型の目の下に、それすらも蠱惑的に繊細な
肌を彩る青い隈が浮かんで、深い疲労をあらわしていた。

洗いっぱなしの長い金髪の乱れも、くしけずる間もなくなるほどに交わされた情
交の深さをありありと物語っている。

「ミロ・・・、」

サガは、言葉につまった。

自尊心の強い本人には知るべくもないやりかたで、大切に守り慈しんできた掌中
の珠が、すでに青い蕾のうちから、生まれたときから大人だったかのようなさめ
た目つきの早熟な氷の聖闘士によってひそやかに開花されてしまったことは、と
うの昔に知っていたが、天真爛漫な子供っぽい笑顔からは、その片鱗さえうかが
えなかったから、ガマンができていたのかもしれない。

それが今、よりによって自分と同じ顔をした双子の弟の手によって、劣情のしる
しを眼前にさらされたとき、サガは、言いようの知れない衝撃に打ちのめされた


その複雑な思いが何であるのか、充分に理解していたが、超人的な理性と自制心
で人望を獲得してきた黄金聖闘士の最高実力者は、情欲の名残をこれみよがしに
匂いたたせるしなやかな肢体にしがみつくという愚挙にはおよばず、清らかな柳
眉を悲しそうにひそめただけだった。

「・・・かわいそうに。」

憐憫の言葉が、羞恥を飛び越えて、ミロの自尊心を刺激した。

そして、敬愛する慈父に向かって、心無い言葉が口をつく。

「よしてくれ。このオレが、カノンごときに、力づくでどうにかなったなんて思
うなよ。」

「ミロ・・・!」

「神サマすら誘惑した色男の手練手管を教えてもらおうと思っただけさ。それで
お咎めがあるっていうのなら、あまんじて受ける。」

どこまでも誇り高い蠍座の聖闘士は、そう言って、サガの手をふりはらうと、サ
ッサと背を向けた。

「どっちにしろ、今日は非番だから。明日の朝、教皇宮に出頭するから、じっく
りお説教聞かせてもらうよ。」

チラリと振り向いて軽口をはなったその口元には、いたずらっぽい微笑が浮かん
で、少し前までの蒼白な色はたちまち消えていた。

「じゃあな、サガ、カノン。あとは水入らずで兄弟ゲンカに励みな。」











絶望の淵に追いやってみても、はかりしれない自尊心を頼りに、たちまち切り返
してくる。

その不敵さが、カノンを改めて魅了した。

(どっちにしろ、もう、溺れちまってる。)獣のように挑みあった一夜の狂態が
、彼の脳細胞に、忘れがたい悦楽を刻み込んでしまった。

一度奪えば満たされると思ったのが甘かった。刻み込まれた究極の快感への渇望
は、もう胸を焦がしはじめている。

ほんの数時間前まで、イヤになるまでたいらげつくした禁断の果実の味が、その
姿が見えなくなった瞬間から、また恋しくなる。

まるで中毒。



「誇り高いあの子が、自分の受けた辱めを認めたがらないとしても、貴様の姦計
に貶められて陵辱されたのだということくらい、このサガにはお見通しだ。」

落ち着いた声を響かせようとも、今にも周囲の空間を捻じ曲げそうな攻撃的な小
宇宙の高まりに、その怒りが隠しようもない。

カノンは、事もなげに笑った。

「“あの子”だって?誇り高いヤツが聞いたら、きっと暴れだすぜ。ミロは、大
人だ。その本人が、レイプじゃないって言ってんだから、それでいいだろ?実際
、気持ちよさそうに腰ふってよがってたんだからな・・・」

「・・・っ!カノンっ!」

「蠍座の聖闘士たるもの、スリリングな快楽に身をゆだねて理性のタガをふっと
ばすのは、訓練みたいなもんだろ。あんたは、いつまでも無邪気な天使でいてほ
しいんだろうが、ヤツはもう、心身ともに成熟した立派な大人だ。特に、体は・
・・」

組み伏せた腕の中で、イキのいいサカナみたいに身をよじらせていたのびやかな
肢体を思い出して、つい淫靡な微笑をもらしてしまった。

とたんに、身を包む空気が重くなる異様な感覚。ひとつかみの大気が、鋭利な刃
物のような一陣の風に凝縮して、カノンの横を吹き抜けた。

大理石の白い頬に、一筋の血がにじみでた。

カノンは、手の甲で無造作にそれをぬぐい、兄をにらんだ。

「私闘は厳禁だろう?次期教皇サマともあろうお方が。」

「私闘ではない。制裁だ。」

教皇代行として執務をとりしきるサガは、カトリックの神父が着るような形の、
濃紫色のビロードのローブを身にまとった、姿勢のいい立ち姿で、厳粛に言い放
った。



(ヤバいな。)とカノンはさすがに気をひきしめた。



高潔な受難者のようにかすかに愁眉をしかめて、シャンパン色の瞳に厳格な決意
を浮かべた、こんな顔をしたときの兄が一番コワい。



まるで、神の代理として罪びとを審判することの、その苦渋に耐える御使いのよ
うな顔をしながら、あっさりと他人を異次元に飛ばす。

そして、神に選ばれし稀人としての重責に苦悩するかのごとく、頭を抱えてみせ
るのだろう。



(ようするに、コイツは、自分の実力と宿命に陶酔する、とんでもないナルシス
トなんだから。)というのが、カノンの見るところの兄の正体である。

だからこそ、(最愛の“自分”と同じ顔をしたこのオレが、理想の“自分”とは
正反対の言動をとるのが気に入らないのだ。)

だが、(本当に気に入らないのは、高潔な聖者であろうとするがゆえに押し殺し
た“自分”の欲望を、オレが、やすやすと体現してみせるからだろうな。)とも
思う。



大切に慈しみ育てた美しい果実を、誰よりも、サガ自身が欲していたことは、カ
ノンの目には明らかだった。



「オレを殺すか?サガ。」

静かで凶暴な兄の殺意を前にして、カノンは、ゆっくりと尋ねた。

そして、兄の前に近づき、自分と同じ顔を真っ直ぐにのぞきこむ。

「あんたが作ったモンスターを、あんたが自分で退治するのか?」

「カノン・・・!」

厳かな瞳に、動揺が走る。



カノンは、兄の首に両腕をまわして、高い鼻梁が触れ合うほどに顔を寄せてから
、妖艶な声でささやく。

「口封じってワケ?あんたが子供の頃にオレにした、悪ふざけの・・・」

「やめてくれ、カノン!」

「どうして?あんたの大好きな、あんた自身の顔と体が、ここにあるんだぜ?好
きにしたらいい。昔みたいに・・・。」

ストイックな法衣にくるまれた自分の似姿。ミロにたきつけられた情欲の残り火
は執拗で、自分自身を誘惑するかのような倒錯的な劣情をきっかけに、たちまち
激しく再燃した。



誘惑者と聖者と。お互いの姿に、自身の奥底に秘められた似姿を見せつけられな
がら対峙する美しい双子。



「覚醒が早すぎて、成熟した心と体をもてあましていた神童の、欲望の処理をし
てやったのは、このオレだったろう?何も知らない無垢な弟に、ムリヤリ色香を
たたきこんでくれたのは、オマエじゃないか。偽善者が。」

言いながら、ゆっくりと身をかがめて膝をつき、兄の腰に手をまわす。

「喜べよ。オマエのお気に入りの天使がオレにしてくれたのと、同じにやってや
るから・・・」

ローブの裾をたくしあげようとすると、兄は、弟の髪をつかんで引きはがす。

カノンは、姿勢をくずして石畳の床の上に、前のめりに手をついた。

膝立ちで前傾姿勢になったその腰を、サガは、後ろからおもむろに抱え込む。

カノンは、振り返って淫靡な横顔を見せつける。

「・・・ほら、聞きたいだろ?オマエの大事な秘蔵っ子が、オレに奥の奥までか
きまわされて、どんないやらしい声で鳴きまくってたか。教えてやるよ。」

「カノン・・・!」

沈痛な声でうめくサガは、乱暴に、黒いズボンごと下着を引きずりおろし、引き
締まった臀部をおさえこみ、なんの前触れもなく屹立した熱いたぎりを強引にね
じこもうとする。

カノンは、悲鳴をあげた。

「クソっ!あんたにガキのころやられて以来、そっちは使ってないんだから・・
・加減を・・・」

言いかけた弟の頭を石畳に押し付けて黙らせるやいなや、サガは、愛憎と怒りと
情欲をみなぎらせた分身を、固いつぼみに暴力的に突き刺した。



「・・・くぅっ!畜生っ!」

激痛が走り、頭がもうろうとした。生理的な涙があふれでるのを禁じ得ずに、屈
辱を味わう。

サガ自身も、敏感な神経の集中したその部分に、容赦ない痛みと傷を負ったはず
なのに、うめき声ひとつたてない。

聖なる受難者のように、青ざめた白皙を少し歪めたばかり。



「サガ・・・まさか?」

カノンは、苦痛しかない嗜虐的な挿入のあとに、なおも奥を貫いてこようとする
兄の暴力性に驚愕し背後をのぞいたが、その髪は、美しい青みを帯びた銀色のま
まだった。

「苦しいか?カノン。」

弟を床にねじ伏せたまま、萎縮した肉壁にじんわりと満ちてくる血液を潤滑剤に
、腰を打ち付ける、サガ。

「・・・私も苦しい。カノン。とても、苦しい・・・。」

「サガ・・・。」

開いたシャツの胸元から、慈愛をこめてなでさすってくる長い指に、カノンは、
泣きじゃくりたいような感傷をおぼえた。

(どうしてオレたちは、こんなにイカレちまってるのかな?)



痛みに耐えようと硬く閉ざした瞳の裏に、あふれる金色の光が思い出される。

(苦痛をも、快楽に・・・、なにものをも恐れず、なにものにも傷つかない。だ
から、オレたちは魅かれるのかな。なあ、サガ?)

心の中では、こんなに素直に語りかけられるのに、口に出して言うことは、永遠
にない。











痛みしかなかったはずの接合の末に、気付くと同時に果てていた。

じっとりと腿を伝わる生温かい体液の感触に、カノンは、嫌悪の身震いをした。

腰にまとわりつく痛みと異物感で、動作が緩慢になる。ゆっくりと半身を起こす
と、サガはすでに身支度を整え、冷厳な顔で立ち去ろうとしていたところだった




「サガ!待てよ、この強姦魔・・・。」

しどけなくシャツ一枚をはおっただけの半裸の弟が、石畳に長い素足を投げ出し
たまま、端然とした背中に声をかける。

兄は、横顔だけ振り向いて、思わず微笑んだ。頼りない子供のような格好をして
、むくれ顔のカノンが、いつになく幼く見えたからだ。

が、微笑は、すぐに悲哀の表情にとってかわる。

(・・・なぜ、いつまでも、こんな惨めな狂気をもてあまさざるをいられないの
か?)

すばやく顔をそむけて、出て行く。

「サッサと服を着ろ。風邪をひくなよ、カノン。」

「・・・っ!」

罵倒の言葉を浴びせかけられるより早く、サガは姿を消した。



取り残されたカノンの、自嘲を含んだ深いため息だけが、しんとした部屋に広が
った





END








戻りま〜す☆



はう〜っ素敵ですよね、どうして自分が書くモノとこうも違うのか…(激しく謎。)
このノンタンにマジ惚れです。サガにもよろりです。Kedama様愛してますぅ!!