さんくちゅあり文化祭 出展作品その4


宝瓶宮の庭にて


「カミュ、遅かったな」

シベリアからの報告 教皇の間に顔を出し、あまり好きではない人付き合い等を適当にこなし 自宮へ戻れたのは日がたっぷりと落ちた後だった。
宝瓶宮に近づくとそこに感じ慣れた気配を察知する。懐かしさに頬を緩ませながら歩みを進めた。やはり、気配は彼だったのだが…

「ン?どうしたカミュ、鳩が鉄砲を喰らった顔をして」
「………別に。……ミロ、豆鉄砲、喰らったような、だ。」

あ〜そうそう、などと言う彼は半年前とは変わらない筈なのに… ――――瞬間、目を奪われてしまった。
私もミロも成長期、半年ぶりに会えば姿形は格段に成長する。それに何故だか私は戸惑っているようだ。目の、…やり場に困っている

不完全で、瑞瑞しいスラリとした肢体 それが惜しげもなくされされている

大人の男になる寸前の、不安定な魅力 変態を遂げたばかりの蝶のような危うさ

誰にも見せたくないと思った ずっと見ていたいと思った …そして、このまま時が止まってしまえばいい、とも


「On ne badine pas avec l'amour.」


「??オン…バディ??ンン??何だって??」

ミロが不思議そうな顔で覗き込むのに笑ってしまった。
ああ、考えすぎだ。やはりミロはミロで、いつものようにアッケラカンと明るく陽気だ。
この月の光の所為だ。ミロが妖しく、妖艶に見えただなどと…咄嗟に出た呟きは、思いの外正しいのかも知れない。

「…何でもない、食事はまだだろう?一緒に食べるか」
「おう、待ちくたびれて さっきから腹がぐうぐうなりっぱなしだ」

いつもの彼に安心しながらミロの手を取り立ち上がらせる。 立ち上がったミロが私を覗き込んだ
………………? 覗き込む??ミロが私を?つまり、私はミロに背を越されてしまったのか?
ほんの少しの差だが、私の視線は上に向けられた。それに何とも言えない気分になる。

そんな私に気が付かずミロが二パッと笑った。零れるような真昼の笑み 容姿や雰囲気とは微妙に異なる子供っぽい笑顔

「何かカミュ、キレイになった!」

アップでそんな事を言うので、私は固まってミロを見上げた。 馬鹿め、綺麗になったのはお前の方だミロ…
顔が熱い…それを悟られたくなくて無表情を努め足早に宮に向かった。ミロがいつものようにじゃれながら付いてくる



「戯れに恋はすまじ…とは、良く言ったものだ。」
「ンン?何だって??」
「別に……何でも無い………」



じゃれるミロをあしらいながら、彼を宝瓶宮の私室へと招いた。







オン ヌ バディヌ パ アヴェク ラムール





ダブルパロばっかじゃ引かれるかな〜と、カミュミロカミュっぽいものを。私のフィルターなのでミロ受けですが、お好きに調理してお楽しみ下さいv
そして私の絵じゃアレなんでお好きに16,7のミロ&カミュをご想像下さい。こういうワンシーン、あってもイイッスよね??
フランス語はぜんっぜんシランので、合ってるかどうか超冷や汗。フランス語サイト様から見付けたものをチョイスしました。
そして分かる方は分かりますか?黄金のリンゴの偽(?)オルフェの生足にムラムラしてやった。後悔はしてない(←最近好きな言い回し)