スリーピー・ヘッド












『なん…こんな…立っ……な……レたのが……だか』

いつものおじさんがいつもの言葉でボクの足を押さえてシャワーを当てる
ゾクゾクとしたイヤな感じ。でも変な声が出て体がくねる
熱くて痛いソコを押し広げられて、出されたモノを掻き出される …恐い

『大丈夫… 大丈夫よ… 怖がらないで、***』

ボクの中に彼女がやってきてぼくにそっと溶けていく。
ふわっと広がる白い羽根 トリの女の人がボクの耳にそっと手を当てる
そうすると何も聞こえなくなって、安心をする。
安心をすると、足がクッとなって息が上がった
おじさんが嫌な感じで笑って、体を拭いて、イイ匂いの油を足首と腕にちょこっと付ける
そして、あのペンのようなものを押し当てようとしたのでボクは逃げようとした。

『ダメだよ、アレをしちゃダメだよハヤト』

誰かが教えてくれたから。逃げようとしたけど、…でも、また打たれた。
もうボクは逃げられない。ずっとずっとベットの上から出られない
足も手も細くて、歩くのもゆっくり。もうボクはカゴノトリ あれ?カゴノトリ…カゴノトリ??何だっけ、分からない。
チクッとして、じーんと痺れてくる。どうしよう…恐い。恐い… これをされるといつも変になっちゃうんだ。
そして誰かがやってくる。ボクに変なことをする。汚くて、苦しくて、でも…変なコト
イヤで、涙が出た。

『ア**…大丈夫、恐くないわ… 大丈夫… 泣かないで、刻を、待ちましょう…それまで、私が…』

トリのおねーさんが、そっと頭を撫でてくれる。それにうっとり目を閉じる
段々ウトウトしてくる。でも熱くて、お口が痺れて、ヨダレが出ちゃう

『それまで… 私が守ってあげる… 守ってあげる…*ム*…』



――――夜のとばりが降りていく



はぁはぁベッドで転がってると扉が開く。ボクはこの瞬間もキライ
初めて見る人は、ボクを見て凄く怒る。誰かに怒鳴りに行く。『コンナノガイチバンダト!?』大体同じ事を言う
でも、何故か戻ってくると嫌な顔をしながらボクに変なコトをする。
つねったり、つかんだり、ベロを色んな所に入れる。指も。おしっこをする所にも
でもボクはくにゃくにゃになってて、変な声が出る。グルグル廻って楽しくなる。
上に乗っかって、暴れるとすごく気持ちよくてもっと激しくする。
それから、相手の人が様々な名前でボクを呼ぶ。切ない声で、悲しそうに愛しそうに。
そうして暫くすると、またその人が来る。…その、繰り返し。
オマエノヨウナデクノボウガオマンマクエルノハアイツラノオカゲ
ボクを洗うおじさんが言っていた。意味は分からない。
扉が開いた。…知らないオジサン 怒鳴らなかったけど、口に手を当てて驚いたみたい。
大きいサングラス その奥のお目々が見開いた。
鳥のおねーさんがタイサと叫ぶ タイサってなぁに?ララァ…
扉が閉められると男の人が怒って歯をギリギリ鳴らした
ああ、やっぱり怒るんだ。
その人はキレイな人だったけど、僕が見た中で一番一番恐い顔をした



――――太陽もベットに潜っている



「ア…っ………こ…な、こんな所で何をしている??」

ベッドに押しつけられて殴られた
痛いよ、痛いよぉ…何でこんな事をするの?

「どうしたッ…ええっ!?あの時みたいに殴り返してみたらどうだ!?」
「い、いやだ…」

お腹を殴られてじん、とする。この痛みはお外の冷たさ?雪より冷たいお外のお水
ううん、熱い。殴られて痛いのに、悲しいのに、ペンを押された辺りから変にあっつくなってくる
それがとても悲しい。悲しい。あれ?悲しいのは誰?頭がぐるぐる廻る

「何故、私を生かした!その崇高な精神で今度は身売りか貴様ッ馬鹿にして」
「〜〜〜ッ やめ、やめてっ」

髪を引き掴まれる。痛くて暴れてもオジサンはびくともしない、どうしょもない

「痛い――――ッ」
「それとも軍で味をしめたか!?はっ、…ならば望み通り抱いてやろうか!」

怒鳴った男がボクに噛みつく 首を、耳を、胸を、腰を。
熱いぃ、すごぉく熱い…
胸を掴まれて、着せられてたシャツのボタンが飛ぶ。ビリビリ音がして破かれた
でもそれだけ。ボクが着てるのはそれ一枚だから

「どうしたッ抵抗も無しか!?とんだお笑い種だ。連邦の英雄が男狂いか!?おい、答えろッ」

触れたお手々からじぃんと痺れてトロトロ濡れちゃう、ボクの下半身がすごくヌルヌル
ああ、もっと触って!ボクもう全部×××××になっちゃったみたい…!

「……答えろッ 男娼の真似事だと!?何を考えている!」
「ああ〜〜触ってぇ な、中もぉ… ぜんぶ、ぜんぶぐちゅぐちゅってしてぇ」
「貴様ァ…!!」

男の人がもっと怒ってボクを睨んで、乱暴にベッドに押しつけた
ふざけているのか?男が言うけどワカンナイ。
でももう全部気持ちよくて、ボクはお尻を高く上げた。みんなここにあれを入れちゃうの
男の人のお手々が震えてた。どうしたの?なんでそんなに悲しいの?
でもボクの中のトリのおねーさんが優しくボクに言う
『大丈夫…何も考えずに、気持ちよくなって…**ロ』
とろりと溶けたおねーさんと一緒に、彼の手に触れた。そうすると、アレ?宇宙が見える
キレイ。彼も見えたのか目を見開いてボクを見た 青いお目々がすごくキレイだ

「………………………ラァ……」

ああ、気持ちいいね。ボクも、おねーさんも、貴方も、みんなでバターみたいに溶けちゃったみたいだ
でもボクのお尻がパクパク開いて、ぐちょぐちょされるのを待ってる。
モゾモゾ動いているとそれに気が付いた彼が、ボクの髪の毛を掴んで覗き込む もう痛みも気持ちよくてあーんって言った。

「……アムロ、私が分からないのか?」

何が分からないのか分からなくて、ボクはニコって笑った。ああ〜もうダメそう、はじけちゃう…

「何を打たれた?オイ…!何でこんな事になっている」
「あ、あ〜〜〜〜〜〜」

早く触って欲しかったけど我慢できなくて、あそこから白いのでちゃった
すごく良くて涙がでちゃう、痺れて目が閉じられないのに何にも見えない
でもまだなの。もっといっぱいしてもらわなくちゃ、終わんないの。いつもそう

「これが… こんな成れの果てがお前の望んだ未来か?…これが、奇跡を為した男の末路?」

はぁはぁ息が足りないのに、グッて苦しくなった。酸素、酸素が…苦しい、アア!
苦しいよ、苦しい、あの時みたい… お水の中、スーツの酸素、無くなって、苦しい
知らないうちに手が何かに触ってて、それでボクは分かった。
男の人がボクの首を絞めていた。魚のように跳ねる。苦しい苦しい、でも、気持ちいい!
足の指が丸まって、あそこがまた硬くなった。彼の手はやっぱり震えていた

「お笑いだ、お笑いだ…アムロ 可笑しくて、呆れて、…………クソッ!」

彼が僕のお口に噛みついた。苦しくて伸ばした舌はヌルヌルして気持ちいい
ゴホゴホしながらはっ!はっ!って息を吸おうとしたら、彼の硬いのが僕の中に入った

「ア――――――――ッ」
「アムロォッ」

彼が涙声で誰かを呼ぶ。ああ、貴方の好きな人はアムロって言うの
でもゴメンね、僕はアムロじゃないんだ。でも考えられたのはそこまで
もう、気持ちよくって僕はひっきりなしに声を出した。
またあそこがあっつくなって、ぱちんと目の前が弾けた



―――――無邪気な子供が夢を見ている



「これが人を超えた罪か?それとも私の罪か?」

硬くて大きいのが僕の中を行き来する。それにお口が閉じられない
あんまりにも気持ちよくて ん〜〜ッって背中が仰け反る
でもすぐに力が抜けちゃう。えへへって笑った。彼のあっつい体が僕をドロドロにしちゃう

「この星を救ったことに、意味は?なぁアムロ…」

もっと、もっとって叫んでた。中にいっぱい欲しくて自分から動こうとしたら押さえ込まれた
それに僕は泣く。頭がいくことだけしか考えられない…欲しいよ、欲しいってお願いした

「答えてくれ…どうか、答えを…」

そのうち彼の感触に僕は泣きながらつっぱった。ビクビク下半身が震えて、頭がすごく痛い
なのにおしっこの穴がドロドロしたのが通る度にギーーンって疼いてお尻も太股も細かく震えた
ああ…オカシクなっちゃう。可笑しく…お口に鉄の味。また血を吐いてたみたい
こほこほしたら、彼が僕から抜いてしまった。
ホッとするのと残念なのと。でも、血を拭く彼は優しくてそれに少し安心した。目の奥が熱くなる…
貴方はとても優しいね。優しいから、凄く怒る。優しいから、ほっとけない。優しいから、見過ごせない。
僕だけは知ってるよ  ……?? … …何で知ってるんだっけ?何を知ってるんだっけ?
ワカンナイよ…



――――頭の中は寝ぼけたまんま



ふと見れば彼は泣いていた。泣きながらボクに縋った。ああ、誰かを思い出しちゃったんだね。
僕とこういう事をする人は、僕に誰かを重ねるみたい。これはトリのおねーさんがやっている
こう言うときは僕はそっと相手を撫でてあげる。みんな、悲しいね。悲しくて寂しいね。

「大丈夫、大丈夫だよ…」

大丈夫、大丈夫、頭を撫でてあやしてあげる
ボクが出来る、ただひとつの事。大丈夫、安心して
誰もがこうすると泣きやむのだけれど、彼だけはずっと泣いた。
アムロ アムロ …ボクは彼の柔らかい髪をそっと撫でる。
もう慣れっこ。誰もがボクに愛する人を重ねて名を呼ぶ 愛しそうに、切なそうに。
でも、この時だけでも重ねていいよ。貴方の愛する人と、美しい貴方に祝福を。
アムロ アムロ …ごめんね。だけれどボクはアムロじゃない
『アムロ』トリのおねーさんもボクをそう呼ぶけど、僕の名はハヤト ハヤト・コバヤシ
カードにそう書いてあるって、誰かが言ってた。全部忘れちゃったけど、それだけはちゃんと憶えてるんだ。
彼の涙がとってもキレイで、ボクはぺろっとそれを舐めた。海の味がした
綺麗なアイスブルーの瞳 きっと寒いところの海の色
それから彼と宇宙で飛び回って、汗をかいて、また溶け合って。
ああ、こんなの初めて すごいね、すごいよシャア 俺達やっと分かり合えたのかな、
だけど呟いた呼びかけは彼に飲み込まれて。何度も体を絡ませ合った
あれ?シャアって誰だろう。



――――寝ぼけたまんま。



「アムロ、私と来るかい?」

おじさんが僕に優しく笑いかける。だから僕もニコッと笑った
だけど、ごめんね。僕はアムロじゃないんだよ。
おじさんが僕がまた吐いちゃった血を拭いながらキミノアイハフカイナって言った。
意味はやっぱり分からなかった

「ごめんね、でもボク、アムロじゃないよ。ハヤトって言うの」
「…だが、私は君がいい」
「ボクで、いいの?」
「君が良いんだよ 君だけが欲しいんだ…ずっと、ずっとそう思っていたんだ」

そんな事言われたことなくて困っちゃう。僕はどうしたらいい?どうしたら。
僕の足も手もくにゃくにゃで、こんなんで僕は貴方といっしょにいられる?
戸惑う僕にあの人の手が重ねられる。

「来てくれないか?」

彼とまたぐちゅぐちゅして僕は何度も何度も泣いた。
嬉しくて、気持ちよくて泣いた。ずっと無かった温もりに触れた気がして泣いた
昔誰かが僕に言った。フシゼンだって 守るモノが無いのにタタカウのはフシゼンだって
それは、誰がいったのだろうか。




「君は少しの間、耳を塞いでいたまえ」

彼がそう告げ、ずっとここにいる男の人とお話をした。
チヲハイタ とか、 ヒゴウホウ、とか何か言ってたけどワカンナイ。
やがていつものおじさんが僕の体を適当に洗って頭をガシガシと撫でた

『何でこんな、薹の立った頭のイカレタのがいいんだか』

おじさんのいつもの言葉。やっぱりわかんなくてニコって笑ったら頭をポンポンと叩かれた

「まぁ…元気でやれよ」

元気?良くワカンナイ。青い目のおじさんが恐い男の人にお金を沢山渡して僕の手を引いた
ちょっと外は恐かったけど、歩くのが出来なくてフラフラしたけど。


『君が良いんだ』


その言葉を信じて彼と共に歩き出した
片方の手には青い瞳のオジサン、もう片方の手にふわふわ飛び回るトリのおねーさんの手を握って。








(FIN?)










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はい、こちら こくまろ祭に投稿した スリーピーヘッド アムロバージョン
色々アレだし痛いッスね〜。そして実は表のCCA if のお話と繋がってますv
言わなきゃワカランだろ〜な〜とか思ってたらしょっぱな拍手でご感想頂きメチャ嬉しかったです!

続き、一応考えてはいるんですが……メチャクチャ甘く無い!そう、他サイト様と違ってこの後鬼畜っぽい展開なのですよ。
この話、フェデリコフェリーニ(だっけか?)の『道』という映画のようなものを重ねてストーリーをねってたんですが
エグイ…えぐすぎるよ……甘いラブラブシャアムが良いよ!(ならそうすれば良い物を…笑)
ううう…書こうか書くまいか未だ悩み中です。こんなんですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いですv