ぼくのなつやすみ









「ぼうや、私と遊ばないかい?」

蝉がうるさいくらい鳴いている
ミ〜ンミ〜ンミ〜ンミ〜ン
かーーっと光るお日様がちょうど真っ直ぐ上に上がっていて
ギラギラギラギラ 僕の帽子を焦がしていく。
早めに出されたお昼ご飯の後のアイスは格別で
薄く張られたチョコの膜と甘いバニラが僕の舌で溶け合っていく
それを見たクワトロのオジサンさんが黙ったまま目を細めて僕を見下ろす
僕もクワトロのオジサンをじっと見る。
そんなに見てもアイスはあげないよ?
溶けたバニラの雫に舌を這わすとオジサンはふっと横を向いてサングラスをかけた。
そしてもう一度同じ事を言う

「ボウヤ 私とアソバないカい?」



僕はお仕事が忙しくなった父さんのために
遠い親戚がやってる海の民宿で夏を過ごすことになった。
ここは僕のいるトウキョウとはすごく違くて、
ハロの部品とかも持ってこれなくて、はさいしょはすごく困った。
でもおじちゃんやおばちゃん、
泊まりに来てた大学生のカミーユ兄ちゃんとすぐ仲良くなって面白いことを沢山知った。
お魚を釣ったり、ムシムシを集めてヒョウホンを作ったり、海に潜ったり。
特にカミーユ兄ちゃんと始めたサイダーのオウカン集めに僕はムチュウだ。
だけど8月が始まって少しすると、カミーユ兄ちゃんは“ガッシュク”に行ってしまった。
“また8月の終わりに寄るから”と言って。
僕はボンヤリした気持ちになった。
それからカミーユ兄ちゃんと入れ替わりで、
このクワトロのオジサンがやって来たのだ。



「ボウヤじゃないもん。アムロだよ」
「ではアムロ君 私とあそんでみないかい?」
「…ワカンナイ」

アイスが溶けてホネが見えてくる。
カミーユ兄ちゃんが言っていた
“化石って奴はね、そうだな…このアイスの棒なんだ。”
そう言って僕にくれたクジラのミミホネは大事にお部屋の引き出しの中
このホネには“はずれ”って書いてあった。

「いやかい?」
「ワカンナイ」
「アムロくん?」
「だって、オジサンと何して遊ぶの?」
「…私はまだハタチだよ」
「ワカンナイ。僕、あっちで虫とってくる」
「待ちたまえ!」

走ろうとした僕にちょっと大きな声でオジサンは言った。
僕はビックリしてちょっと止まって下を向く
お地蔵さんのオソナエものにありんこが大行列
何匹かがおはぎのおもちに掴まって、いっしょうけんめい逃げようと動いてた

「…まぁ待ちたまえ。 実は秘密の場所を見つけてね」

オジサンは猫撫で声。こういう時はあんまりいいことが無い。
だから僕はヨウスを見てみた

「ふぅん?どこ?」

オジサンは少し笑って木の陰からこっちにゆっくりやって来た
薄い金のカミがキラって光ってちょっと眩しい

「それは言えない。何せ秘密の場所でね?
君と一緒に遊べるのなら、そこを教えてやってもいいのだが」

オジサンは僕の近くまで来ると、しゃがんで僕にそう言った。
オジサンは肌が白くて鼻が高くて、なんかすごくキレイだった。
カミーユ兄ちゃんもキレイだったけど、このオジサンもすごくキレイだ。
ちょっとオジサンと遊んでもあげてもいいかもしれない。
蝉がみんみん鳴いてて、僕はそっちの方を見た。

「君はこれを知っているかな?」

注意がそれた僕に、クワトロのオジサンが何かを出して見せた。
…あ!コレ、サイダーのオウカン!!
ぱっくりと開いたお口を見てオジサンは笑うとそれを僕の手に乗せた
…すごい!カミーユ兄ちゃんと探してた“すてごザウルス”だっ!!
クワトロのオジサンはゆっくりとサングラスを外して僕に言う

「好きかい? これが秘密の場所に、まだ沢山あったな」

眩しそうに細めた目の色がとってもキレイな水色だ。
僕は頷きながらクワトロのオジサンに言った。

「連れてって? オジサンの目、オオイヌノフグリとおんなじ色」

僕はちょっと興奮しながら(だってオウカンがたくさんあるって!)
オジサンにそう言った。
オジサンはびっくりしてからさっきと違うにっこりした笑いで僕の手を引いた。

「オジサンでは無いのだが…。だが、君は面白いな。私の瞳は“ベロニカ”か 」
「違うよ?オオイヌノフグリ」
「“フグリ”はいただけないな。君が言っているのは小さくて青い花の事だろう?」
「そう。お空と同じ色」

僕ははぁーってオウカンに息を吹きかけてシャツのすそで磨いて
真っ白いニュウドウグモと真っ青なお空を見上げた。
だけど、その色はオジサンの目とちょっと違くて(オジサンの目はもっと水色)
僕は不思議で首をひねった。
変だな。昨日のお空は水色だったのに

「ベロニカとも言うのだよ ブルースターとも言うな」
「ねぇ オウカン何個くらいあった?」
「沢山さ 王冠が好きなのだね? 所で君は“ふぐり”が何か知ってるかい」
「しんない。 ねぇ 秘密の場所どこ?」
「もう少し先だ。 あそこから近道をしていこう」

小さい川を超えて、畑のでっかいトウモロコシの横を通って、カナブンがぶんっと飛んで

「遠いの?」
「なに、近いさ。…だがアムロ 私と約束出来るかい?」
「ん?いいよ?」
「聞いていないのに約束するとはいけないな。
それでは悪いオオカミに骨までしゃぶられてしまうぞ?」
「オオカミなんていないよ?お話の中だけだって」

クワトロのおじさんはニヤって笑って僕の手を引き先へと歩く
ゆらゆらゆれる吊り橋
下を見ると深そうな水が遠くに遠くにあった。
ちょっと足がふらついたけどクワトロのオジサンはかまわずスタスタ歩いて行っちゃう

「実はね、アムロ ナイショの話なのだが」
「ナイショが多いねオジサン」
「…秘密の事が大好きなのでね。アムロ、この山の奥に実は狼がいる」
「え?」
「まだ誰も知らない秘密だ。この山の奥にはニホンオオカミがいるのだよ」
「ニホンオオカミ?どんなのかしんない」
「…そうだな、牙は尖っている。肉食だな。“肉食”は分かるかい?」
「お肉を食べる」
「そう。こうやってね」
「あ!」

僕はびっくりしてクワトロのオジサンを見た。
オジサンは掴んでいた僕の手をいきなり引っ張ると手をがぶっと噛んだのだ。
痛くはないけどびっくりしたんだ。
だって僕が知ってるオトナの人で、こんなことするのはオジサンが初めてだったから。

「こうやって獲物を咬んで」
「あ…痛い!」
「こうやってぺろぺろと舐め回す」
「あ、ふふ…あはは!オジサンくすぐったい」
「おじさんではなく、クワトロさんと言ってご覧?」
「あはは!あははは!!…ク、クワトロさん!」
「いいこだ、坊や。」
「僕もボウヤじゃないよ?」
「…いい子だ アムロ」

クワトロさんはそう言うと、やっと僕を舐め回すのを止めてくれた。
首もお腹もべとべとに濡れちゃった。
そう言うとクワトロさんは秘密の場所に泉があるからそこで泳ごうと誘った
そして僕の肩を掴んで何度も何度も同じ事をくり返す

「いいかな?アムロ 今日これから行く場所は誰にも言ってはいけない」
「誰にも?おじちゃんとおばちゃんはいい?」
「いけない。私と行ったことを話してもいけない」
「カミーユ兄ちゃんには?」
「ダメだ。私とこれからする事を話すのも、一切禁ずる」
「ふ〜〜ん。クワトロさんって」
「ん?」
「どうしてそんなに秘密にしてたいの?」
「秘密を守らないと」
「守らないと?」
「私もオオカミに食べられてしまうのでね」

みたことのない山の奥
そこで大きいチョウチョが飛んでて、僕はあーってなってザンネンになった。
ムシアミとムシカゴ持ってこなかったんだもん

「アミ忘れた。取れないよぉ」
「ジャコウアゲハか、見たいのかい?」

真っ黒なヤツと、ちょっと白があるヤツがたくさんヒラヒラ集まっていて
クワトロさんがそっと手の平で捕まえて僕の目の前に持ってきてくれた。
大きい手がそっと開いて、指の間からまっ黒蝶のキレイな羽根が見えた

「見たまえ ジャコウアゲハの雄だ」
「じゃああっちにいるのがメス?」
「そうだ。 …アムロ、匂いがしないかい?」

そういってオジサンはボクの耳の後ろや首筋をくんくんと嗅いだ
オジサンの高いおはながお耳や首にちょこっとあたってくすぐったいよ

「しないよ」
「アムロ ジャコウアゲハは匂いがする」
「しないよ?」
「なぜここにメスが集まってくるか、分かるかい?」
「おじさん、くすぐったいよ」
「ほら、もっと嗅ぎたまえ 交尾がしたくなる匂いだ」
「え? あ!ちょっとオジサン」
「クワトロだよ、ほら、あんなに交尾がしたくなって集まってきている」
「わあ!」

ボクが大きな声を出すと、オジサンの手からチョウがパッと飛び立った
ひらり ひらり と仲間の元へと飛んでいく
ボクはぬれちゃった耳を肩のTシャツでふいた
おじさんがいきなり耳をかじったんだ

「やだ!」

おじさんは大きな声におどろいて、ボクを見てから回りをきょろきょろした。
だけど、チョウチョは逃げてなかったから安心したみたい
おじさんは肩をすくめてから、しゃがんでボクにそうっと言った

「大きな声はいただけないな、蝶が逃げてしまった」
「だって、おじさん噛んだよ」
「それはすまない」
「なんで噛んだの?痛いよ」
「痛かった?そうか、君は感じなかったのかい?」
「・・・・・知んない」
「見てご覧?」

おじさんはちょっと落ち着いたのかゆっくりボクに話し始めた
さっきはすごく興奮してたみたい
そうだよね、ボクも新しいムシムシ見るとドキドキしちゃって慌てちゃうもん

「ここに、ジャコウアゲハばかりいる」
「ウン」
「なぜかな?」
「・・・??」
「さっき私は言ったよ?」
「・・・カンジル?」
「少し、違うな。ほら、その前の」
「ん、・・・コウビ?」
「そう、交尾だ。アムロ、アムロは交尾を知っているかい?」

オジサンは喉をならしてボクにゆっくりとお話をする
ボクはちょっとあきちゃって、遠くのお空を眺めて言った
「知んない」
早くオウカン見せてくれないかな

「生き物は皆、気持ちのいい場所を持っていて、そこを決まった相手とくっつけ合うのさ」
「・・・・・・・」
「先程、私は“感じなかった”と言ったが」
「うん、耳のこと?」
「そう。交尾をくり返すと、耳を噛まれても気持ちが良くなる」
「うそだよ」
「嘘ではない。それにアムロ、私の匂いを嗅いでご覧?」
「…ニオイする! イイニオイ」
「いい匂いがすると、交尾がしたくなる。 あそこの蝶達の様に」
「でも、チョウチョ匂いしなかったよ?僕それにコウビってワカンナイ」
「なに、君はまだ若いからね。分からなくても仕方ないさ」
「じゃあオジサンはコウビしたいの?」

オジサンはそっと辺りを見て、小さな声で僕のお耳に話しかけた

「…ああ、とてもね。 とても交尾がしたい気分だ」


手を繋いで山の奥へ降りていく 段々暗くてちょっと涼しい
静かな森で、僕もいっぱい深呼吸。
コウビって気持ちよくなることだから、
おじちゃんが森で深呼吸して“あ〜〜、気持ちいい”って言って伸びする事だよね
だから僕もいっぱい深呼吸してたら、クワトロのオジサンが不思議な顔で僕を見た。
もしかして間違えてる?聞きたいけどオジサンはさっきから早足で歩くから大変
繋いだ手が、ちょっと汗をかいてて濡れている。Tシャツも汗で濡れている

「クワトロさん、暑い」
「すぐに涼しくなる」
「いつ?」
「今すぐに!」

おじさんが僕を抱えてちょっと走るとジャンプした!
目の前がいっきに開けて、真っ青で、入道雲がうにゅうにゅう高くて、
ばん!と水が痛くなって、水の中で、鼻が痛くて 急いで水面に出てゴホゴホした。
クワトロさんが僕を抱えてしばらく泳ぎ、やがて岸にあがって僕を引き上げた。
まったく、何てことするんだよ!

「ほら、宝物はすぐそこだ…」

小道を通って洞窟へ…なんと洞窟の奥に

「うわあ…」

洞窟にきれえな泉 クワトロさんの秘密基地?

「ほら、アムロこれだよ」

びっくりする僕にクワトロさんが大きな缶を持ってくる
蓋を開けるといっぱい、いーっぱいのオウカン!

「くれるの?」
「条件がある」

なに?大興奮のぼくにクワトロさんが意地悪っぽく笑った

「私と交尾の練習をしたら、2つだけあげよう」
「ふたつだけ?」

そんなにあるのにケチだねクワトロさん
でもなんでちょうちょのれんしゅうなんてしたがるんだろ
ワカンナイ

「では、みっつでどうかね?なに、ここに来て練習をしたらその度にみっつあげよう」
「う〜ん」
「ほら、見てご覧?トリケラトプス…これを記念に君にあげよう」

そういって僕の手にオウカンをのっけた
うわあ!ずっと欲しかったトリケラトプス ぼくは嬉しくなってオウカンをじっとみた
それから、ちらっとでっかい缶を見てみる まだまだたくさん、たーくさんいっぱいだ!

「おじちゃん、ほんとうにみっつくれる?」
「約束しよう、何… 私は嘘は付かない質でね」
「じゃあ、ユビキリゲンマン?」

何も言わずにクワトロさんが指を絡ませた

「クワトロ…いや、シャアだ。私の秘密の名前だよ…」
「じゃあシャアさん?」
「シャアでいい、アムロ…」

さあ、コウビのれんしゅうをはじめよう

ちゅ、とお耳におくちがくっついた。ぎゅっと後ろからからだを抱きしめらる
ねえ、これがコウビ? シャア?
でも答えてくれなくて。黙ったままのシャアに濡れた服をゆっくりと脱がされた



はあはあ犬のような息
ぺろぺろぺろぺろいろんなところを舐められた

「やだ!」
「大丈夫だ!…ほらっ、足を開きたまえアムロッ」

やだ!僕は泣きながら抵抗した。だってすごい恥ずかしいよシャア…
そしたらチッって乱暴に舌打ち 怖いよ、いやだ!
だけどシャアがお口をくっつけて舌を入れてくるから声は出なくなって。
おしっこのばしょをゆっくりしつこく撫でられた
そのうちおしっこがしたくなって、でもがまんして、むずむずして、息が苦しくなって
ちからがくにゃって抜けて…

『ほうら…あむろ…こうびは…きもちよいだろう?』

ワカンナイ、おしっこしたい…

『いやがって、これか。 あっちもきたいできそうだ だが まだ…』

あっちって、なに? でも、もうなんにもいえなくて。
ぽろってなみだがでて、シャアがぼくをいじりながらはあはあなにかをしてた。

「ああ…でちゃうよぉ」

そういったらシャアがよけいにはあはあした。ぼくを見ながらいっぱいいっぱい撫で回す
おしっこがでちゃう!恥ずかしくてぼくは泣いたけどシャアは許してくれない
んーーーーって力が入った。


頭のなかに今日のできごと
占い地蔵のおそなえおそなえ、おはぎのおもちにからまったアリンコ
ねばねば白いお餅に からめられて ねばねば つかまっちゃったね


目の前がまっくらになってから、ぼんやりと目を開けた。
ひっく… おしっこもらしちゃったよぅ そういって泣いたぼくに

「違うさ、ほらちゃんと白い。一人前に白い蜜が出ているアムロ」

指に絡めてにごった変なのをぼくにみせた。でもワカンナイよ…
まだ涙がとまんないぼくを嬉しそうにシャアがみる …シャアはイジワルだ。
それからお腹にかかってた変な物をシャアが舐める。木のムシムシみたいに

「…へんな…においする……なのにシャア、なんでなめるの?カブトムシみたい」
「君は…本当におもしろいッ…う、…ハァ…私のような悪い虫は、コレが…好きでね」

くちゅくちゅなにかの音がする シャアがお手々を一生懸命うごかしてる
シャアがぼくをなめながらニヤって笑った。…あれ?キバがある??

「ほら、交尾の練習だアムロ…私のコレを足で挟むんだ」

??…?シャアのおしっこするところが変な形になってて、僕はびっくりしてお口をあけた。
昨日みつけたへびのぬけがら。これのぬけがら?つちのこみたいな形してる
シャアはぼくのふとももにそれを挟んでこすりつける。…もしかしてかゆいの?あ、もしかして…

「シャア…ハチに刺されちゃったの?」
「違う…ハァ…大人は、こうなる」

いきなりシャアはぼくのお膝をつかんでぺろぺろ恥ずかしいところをなめだした!

「…や、やめて!」

お尻のあなにぐいぐいベロが入ってきちゃう!
それからまたおしっこのところ、その下もぺろぺろぺろぺろ…ああ…頭がぼんやりしてきちゃった

「ほら、アムロこれがふぐりだ…」
「あン…シャア……ぼく…へん…」
「……変ではない ハァハァ… アムロは… なかなか交尾の素質がある…」
「……はぁ…おじさん…これが…コウビ?」

またオジサンがおしっこのばしょをしつこく撫でながらぼくの足のゆびをぱくってして舐めた

「これは…練習だ、交尾はもっと…気持ちいい。ハァ…そして、シャアだよ…アムロ」
「ンッ…じゃ、しゃあ…これから…コービ、すんの?」

シャアがのどをごくってならした。のどが乾いたの?すごい汗だね…シャア…

「それは今度だ…今度してあげるよ…アムロ…気持ちよくなるには、練習が大切だ…」

シャアの目がぎらぎらしてる。えものをつかまえるかまきりみたい
くちゅくちゅくちゅくちゅ…ぼくのあしにつちのこをはさんでいっしょうけんめいこするシャア
ぽったって汗がふる。冷たいじゅーすのコップみたいぽたっぽたって雨が降る

「ああ…アムロッ出る!君もほら、出したまえッ!」

シャアがぼくのおしりをぱんって叩いた。そんなに痛く無かったけど…へんなかんじ
おしっこするとこがちょっと痛いよ…でもシャアが乱暴に掴むから逃げられない
シャアがハアハア犬みたい これがオオカミ?ワカンナイ。ぐるぐるする… あっつい…
それからまたおしっこのとこがへんになって、おしりが んーってつっぱった。
シャアがぼくの足をがぶって噛んだ
つちのこが、とってもあっつくなって固あくふくらんだ。


カブトムシも負かしちゃうつよーいムシムシ
王様カマキリはおんなのこ。チョウチョを捕まえてばりばりむしゃむしゃ
頭もお腹も…食べられちゃう ぼくも…たべられちゃうのかなぁ?


目を開けたらべとべとで
ぼくはなんかへんなきもちになってうえ〜んって泣いた
シャアがまだはぁはぁしてて、よかったよあむろ とまたおくちにおくちをくっつけた。



「オオカミが出る前にお帰り」

泳いできれいにしてから、手に3つのオウカン。
何度も何度も内緒だと約束させられぼくは先に帰った
何だかすごく疲れちゃいながら、森の中の近道を歩いて帰る。すごく眠い…
やっと森から出るとなんか聞こえた。ぼくはちょっとうしろを振り返ってみる
夕焼け森から 聞いたことがない遠吠え

アオ――――――――――――ン

「まだ誰も知らない秘密だ。この山の奥にはニホンオオカミがいるのだよ」

シャアの声が聞こえた気がした

「…そうだな、牙は尖っている。」

にやって笑ったシャア そういえばキバがあった。…シャアはオオカミ?

「こうやって獲物を咬んで」

ぼくのお耳とか、お指とか、見えるようにかんでた。

「こうやってぺろぺろと舐め回す」

いっぱい、いっぱい 舐められた おくちも おなかも そのしたも。

はあはあはあはあはあ 犬みたいな息 恥ずかしい所をいっぱいぺろぺろ
変な匂いのミツをいっぱいかけられて、ぼくは思わず泣いちゃった。
悪いムシムシが集まるって聞いたけど、いやなにおい。
それが好きなんて、きっとそんなのシャアくらいだよ

アオ――――――――――――ン

もっかいオオカミが泣いた。
ないしょのニホンオオカミ ないしょにしないと2りともたべられちゃう?
じゃあないしょ。シャア(…あ、じゃなくてクワトロさんだ。だってないしょなんだモン)
が食べられちゃったらオウカンもらえないもんね!
ぼくはないしょにする事にきめて、ブライトのおじちゃんとミライさんにただいまを言った

「アムロ、お帰り」
「おそかったわね、もうすぐご飯よ?」

はーい、って言って手を洗って食卓に。ちぇーみんやはさうぇいとご飯食べながらTVのお話
ご飯の後にブライトのおじちゃんにオウカンを入れるビンを貰った。のりが入ってたでっかいビン

「アムロ、何を入れるんだ?」
「ないしょだよ〜」

そう ないしょ。じゃないと、ぼくもクワトロさんもオオカミにたべられちゃうからね
ちょうど民宿の廊下にクワトロさんがいた。にっこり笑って人差し指を立てる
ぼくもしぃー って真似してみた。

「オウカンを入れるのかい?」
「ウン!」

小声でお話 うん、オオカミにきこえないようにね?

「じゃあ、明日も来るかい…」

耳に息がかかってくすぐったいよ

「うん、明日も行くね?」



み〜ん み〜ん 夏休みの終わりを悲しむせみのこえ。
でもぼくはかなしくないよ?オウカンだってこんなにこんなにたまったし
カミーユ兄ちゃんだって帰って来たし。
シャアが黙っていなくなったって、サミシクなんかないもん!

「どうしたんだい?アムロ お、すごいたまったな王冠」
「…ウン」
「海に行くか?久し振りに泳ごうか?」
「……いい。」

だってまだないしょのあざがたくさんあるから泳げないもん
冷蔵庫を開けて麦茶を飲んだ。今夜の献立はカレーかな?
お庭を見れば朝顔はもうしおれちゃっていた
カミーユ兄ちゃんとミライさんが仲良くお話を始めた

「どうしたんだ?アムロのやつ…」
「ああ、アムロね 上に泊まってたお客さんと仲良くなったんだけど帰るのを知らされて無かったみたいなの」
「へー、アムロ人見知りするのに。あ、そういえば知ってますニュース?」

つまんなかったから、シャアとの秘密基地に行った。
でも行ってもつまんない きっと誰もいないから

「アムロ、あまり遅くなってはダメよ!…それでカミーユ、何のことかしら?」
「金塊強奪犯がこの近くに潜伏してたらしいですよ?逃げられちゃったみたいですけど。」
「まぁ、いやだ。怖いわね… 金塊強奪って相当昔の事件よね?」
「もうすぐ時効らしいから犯人も警察も必死なんでしょうね」



「あれ…?」

ぼくが洞窟に行くとあの缶があって、残りのオウカンと何か紙が入ってるのに気が付いた。
お手紙だ。小さい紙にまたあおうって書いてあった。
でもまたっていつ?からかってるの?昔おかあさんが言ったうそにちょっと似ててそれがよけいに悲しくて。
そして悔しくなったぼくは紙をびりびりに破いて泉に捨てた

「…?」

缶の置いてあったさらに奥にでっかいバッグ。中を開けたら金色に光っていて…まるでシャアの髪だ。
それが嫌だった。バッグを閉めると持ち上げようとしたけど…

「うんしょ!」

でも、重すぎて持ち上げられなくてバックを引き摺って深そうな泉の下に捨てる
あっという間に見えなくなったバック
見えなくなったバッグみたいに、ぼくのかなしい気持ちもなくなっちゃえばいいのに。

夏休みがもうすぐ終わる
そうしてぼくはまた悲しくなりながらにゅうどうぐもに、みんなにバイバイ。
迎えに来た父さんと一緒にトウキョウに帰っていった。













あのゲームですよ…ぼくなつです!色々詰め込みましたが蝋石は入らなかったかな?
そしてあやしいおじちゃんについて行っちゃいけません。
オウカンに釣られて食べられちゃったアムロさん…いったい何回されたんですか?
あ、ちなみに2までしかやってないので3のネタはワカランのです。PS3欲しい!
そういえばやってない人分かりませんよね。王冠ってのは、サイダーの王冠に恐竜の絵が付いてるコンプリートものなんです。
さて、クワトロのオジサン=シャアは金塊泥棒だったのでしょうかね?


オオカミが出る前にお帰り?